目次
- 1. マグロ100gのタンパク質量とは
- 2. マグロの刺身やたたきのタンパク質量
- 3. マグロとその他の魚のタンパク質量の違い
- 4. たんぱく質以外のマグロの栄養
- 5. 筋トレにマグロでタンパク質摂取するときのポイント
- クロマグロ(天然)26.4g(※1)
- クロマグロ(養殖)24.8g(※2)
- ミナミマグロ 21.6g(※3)
- メバチ 25.4g(※4)
- ビンナガ 26.0g(※5)
- 中トロ(クロマグロ) 20.1g(※6)
- 血合い 25.2g(※7)
- ホワイト缶詰水煮 18.3g(※8)
- 缶詰味付け 19.0g(※9)
- ホワイト缶詰油漬 18.8g(※10)
- 刺身(クロマグロ養殖)100g 24.8g(※2)
- 赤身二貫 11.6g(※11)
- 山かけ100g 14.9g(※12)
- 寿司中トロ1貫 4.5g(※11)
- マグロ1切れ(約20g) 5g(※2)
- カロリー 115kcal
- 糖質 0.1g
- ※1~6、8~10、15~17、27 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- ※7 インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社「マグロ血合い肉の商品化への取り組み」
- ※11 医療法人社団H・Nメディック「寿司の栄養成分」
- ※12 株式会社主婦の友社「最新早わかりインデックス食材&料理カロリーブック(山かけ)」
- ※13~14 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/たいせいようさけ/養殖/皮なし/生」
- ※18 一般財団法人農林水産奨励会「妊婦が水産物を摂取する 重要性について」
- ※19 厚生労働省「不飽和脂肪酸」
- ※20 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- ※21 小学館「デジタル大辞泉(ビタミンB6)」
- ※22 公益財団法人長寿科学振興財団「ナイアシンの働きと1日の摂取量」
- ※23 公益財団法人日本オリンピック委員会「プロテインの効果的な使い方」
- ※24.農林水産省「2.化学物質」
- ※25 一般社団法人日本スポーツ栄養協会「偏食が社会不安障害やQOL低下を引き起こす恐れ 米国・大学生の調査結果」
- ※26 小学館「デジタル大辞泉(水溶性ビタミン)」
1. マグロ100gのタンパク質量とは

健康維持のために不可欠の栄養素、タンパク質。マグロに含まれるたんぱく質の量は多いのか少ないのか。魚の種類や部位別で、100gあたりのたんぱく質の数値を紹介する。
種類別のマグロのタンパク質量
まずはマグロの種類別にたんぱく質の量を見てみよう。マグロには、本マグロという呼称を持つクロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、ビンナガなどの種類がよく知られている。これらのタンパク質量を比べると以下のようになる。数値の比較のために、生の赤身100gあたりの数値である。
部位別のマグロのタンパク質量
マグロは赤身だけではない。トロをはじめとするほかの部位も人気がある。その代表、中トロと血合いの部分のたんぱく質を見てみよう。
マグロの缶詰のタンパク質量
さまざまな料理に使いやすいマグロの缶詰を常備している家庭は多い。缶詰に加工されるマグロは、ビンナガであることが多い。理由は身が白っぽく刺身に向かないためである。ビンナガを使用した缶詰がホワイトと呼ばれるのに対し、メバチやキハダを使ったタイプはライトと呼ばれる。ホワイトのマグロの缶詰のタンパク質はこちらである。
2. マグロの刺身やたたきのタンパク質量

刺身や缶詰で食べることが多いマグロであるが、そのほかにもさまざまな料理でマグロを口にすることが多い。いくつかのマグロ料理のタンパク質についても数値で見てみよう。
3. マグロとその他の魚のタンパク質量の違い

マグロは生でも料理してもそれなりのたんぱく質がふくまれているが、他の魚と比較するとその含有量は多いのか少ないのか。代表的な魚であるサーモンとカツオを対象に、その数値を比較してみよう。
・サーモン100gあたり
刺身 19.6g(※13)
焼き 24.5g(※14)
・カツオ100gあたり
刺身 25.8g(※15)
かつおぶし 77.1g(※16)
缶詰 18.8g(※17)
刺身の状態で比較すると、マグロのタンパク質はサーモンよりは多くカツオよりは少ないということになる。
4. たんぱく質以外のマグロの栄養

日本人が大好きなマグロには、タンパク質以外にもさまざまな栄養が含まれている。マグロを食べることで摂取できる栄養、そしてそれによってもたらされる効能にはどのようなものがあるのか。詳しく紹介する。
DHA・EPA
マグロにはDHAとEPAが含まれている。(※1)この2つの不飽和脂肪酸は、コレステロール値や中性脂肪の値を下げることがわかっており、ダイエットにも効果が期待できる。(※18)つまり、動脈硬化を防ぎ血圧を下げるなどの有効な働きが期待できるのである。(※19)
ビタミンB6
生のマグロ100g中には0.85mgのビタミンB6が含まれている。(※1)ビタミンB6は免疫機能と深く関係のある栄養素である。そのためビタミンB6の欠乏によって、皮膚炎や口角症、舌炎などを引き起こす可能性もある。(※20)たんぱく質の代謝にも重要な働きをしているため、健康の維持には不可欠といえるだろう。(※21)
ビタミンB12
生のマグロ100g中には、1.3μgのビタミンB12が含まれている。(※1)ビタミンB12はアミノ酸の代謝のために必須の栄養素である。また、赤血球の維持の一助となるため、ビタミンB12の不足は貧血や末梢神経の障害を喚起するケースもある。(※20)
ナイアシン
生のマグロ100g中には、14mgのナイアシンが含まれている。(※1)ナイアシンは糖質や脂質の代謝に関与するほか、体内のエネルギーを生み出すために重要な栄養素である。また遺伝子の修復にも関与している(※22)
カリウム
生のマグロ100g中には、380mgのカリウムが含まれている(※1)カリウムは体液のバランスを維持し、余分な塩分を排出する働きを持つ。(※20)この働きによって血圧を下げたり、脳卒中を予防するなどの効果が期待される。(※20)
カロリーや糖質
生のマグロ100gのカロリーや糖質はどうだろうか。(※1)
カロリー、糖質いずれも低めであり、健康の維持に必須の栄養を有していることからも、マグロは筋トレやダイエット向きの食材といって問題ないだろう。
5. 筋トレにマグロでタンパク質摂取するときのポイント

筋トレを行う人にとってタンパク質は、筋肉や血液のために必須の栄養素である。(※23)カロリーや糖質の数値からも、マグロは筋トレを日常的に行う人にとって有益な食材なのである。そのマグロをさらに効率的に食べる方法、注意点などを紹介する。
赤身など脂質が少ない部位を選ぶ
マグロは部位によって味わいが異なるほか、脂質の数値も変わってくる。赤身とトロの部分の脂質を見ると、前者が1.4g(※1)であるのに対し後者は27.5g(※6)と大きな相違がある。カロリーについても同様で、100gあたり赤身は115kcal(※1)に対してトロは308kcal(※6)。健康に留意するのならば赤身を食べるほうが、摂取するカロリーも脂質も少なくなる。
食べ過ぎに注意する
環境中に存在するメチル水銀が連鎖によってマグロに蓄積しているという報告がされており(※24)、農林水産省はとくに妊婦に対して摂食指導をしている。(※24)健康な人でも、栄養が豊富だからという理由でマグロを過剰に摂取するのは体に悪いため、避けたほうがよいだろう。また、特定の食材ばかりを摂取する偏食によるデメリットには、不安障害なども誘発する危険性が報告されている。(※25)マグロに関しても節度をもった食べ方をするようにしよう。
加熱せず生で食べる
マグロにはビタミンB群が含まれているが、これは水溶性であるため調理の過程で流出してしまう可能性もある。(※26)煮汁などもともに食すとその栄養素も失わずに摂取できるだろう。また、調味料を加えて調理することによってカロリーが上昇することは否定できない。(※27)より効率よく栄養を取り入れたい場合は、マグロは生で食べるのがよいかもしれない。
結論
マグロには、ほかの魚同様に豊富なタンパク質が含まれている。日本人が食する主なマグロは数種に及ぶが、いずれにもタンパク質が含まれており、健康への寄与が期待できる。また、タンパク質以外にも有益な栄養が多く、過剰摂取に注意しつつ上手に食生活に取り入れたい。カロリーや糖質の数値からも、マグロは筋トレを行う人にとってメリットの多い食材といえるだろう。
(参考文献)
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