- ビタミンC 48mg
- β-カロテン 360μg
- 葉酸 17μg
- 食物繊維 0.6g
- カリウム 170mg
- カルシウム 9mg
- マグネシウム 9mg
- リン 18mg
- カロリー 56kcal
- 糖質 12.3g
- ※1.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)果実類/(かんきつ類)/しらぬひ/砂じょう/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07165_7
- ※2.佐賀県農業協同組合「不知火(デコポン)」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07165_7
- ※3.平凡社「世界大百科事典(ビタミン)」
- ※4.厚生労働省「コラーゲン」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
- ※5.国立療養所栗生楽泉園栄養管理室「特集:夏の疲れを残さないために」 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/hansen/kuriu/pdf/rakusyoku_002.pdf
- ※6.小学館「デジタル大辞泉(にゅうさん)」
- ※7.厚生労働省「カリウム」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
- ※8.厚生労働省「果物」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html
- ※9.小学館「日本大百科全書(ペクチン)」
1. デコポンの栄養素について
デコポンは1972年に誕生した品種である。ポンカンと清美をかけて開発されたデコポン、不知火という品種のなかでも糖度や酸度において条件を満たしたものがそう呼ばれている。1991年に初取引が行われ、その日を記念して3月1日はデコポンの日まで制定されている。そのデコポンの栄養について詳しく見てみよう。
含まれる栄養成分
デコポンが有する栄養をリストアップすると以下のようになる。
デコポン100g当たりの栄養(※1)
柑橘類の特徴であるビタミンCをはじめ、ミネラルも含まれているのがデコポンなのである。また酸味成分のひとつであるクエン酸も含有している。(※2)
2. デコポンの栄養から期待される効果
皮も剥きやすく気軽に食べることができるデコポン。豊富な栄養を含有するデコポンを食べることによって、どのような効能が期待できるのだろうか。含まれる栄養とその効果について説明する。
ビタミンC
美容と健康に欠かせない栄養素ビタミンC。デコポンにもしっかりとビタミンCが含まれている。ビタミンCは水溶性のビタミンで、免疫機能を増強する働きがあるとされている。(※3)また、皮膚や骨の形成に不可欠なコラーゲンも、ビタミンCなくしては生成不能である。(※4)ビタミンCの不足は壊血病の原因となるほか、コラーゲン生成に障害をきたすため外傷が治癒しにくくなる。(※3)
クエン酸
クエン酸は柑橘類に含まれる栄養素で栄養素で、涼し気な酸味をもたらすことで知られている。クエン酸は乳酸を体外に排出する働きがある。(※5)乳酸が筋肉の中に蓄積されると疲労の原因となるため(※6)、クエン酸の摂取によって疲労の予防となるのである。(※5)
カリウム
カリウムは体液や骨の中に存在するミネラルのひとつである。体液のバランスを保つ役割を果たすカリウムは、ナトリウムを身体の外に排出する働きがある。そのため塩分の摂り過ぎには有効な成分なのである。(※7)
ペクチン
デコポンには、水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれている。(※1)ペクチンは水溶性の食物繊維である。(※8)ジェル化する性質のあるペクチンは、腸内細菌によって分解されるタイプもある。(※9)つまり便通の改善などにつながる可能性がある(※8)また、血中のコレステロールの値を軽減する可能性もあるため(※9)、現代人が率先して摂取すべき栄養といえるだろう。
3. デコポンの栄養で注意すべきポイント
健康や美容に有効な栄養分を含んでいるデコポンは、のべつまくなしに食べていいというものではないようだ。デコポンの糖質やカロリーの数値を紹介しながら、デコポンを食べる際の注意点を説明する。
食べ過ぎに注意
まずは、デコポンのカロリーと糖質を見てみよう。
デコポン100g当たり(※1)
カロリーはそれほど高いとは言えないものの、糖質の量は無視できない。とくに糖質制限やダイエットをしている場合は注意が必要である。果物は体によい食材とはいえ、食べ過ぎによって糖分を過剰摂取する可能性も高くなる。果物の食べ過ぎによる糖分の摂り過ぎは、中性脂肪を増やしたり肥満の原因となることもある。(※8)食べやすく気軽に手に取ってしまうデコポンも、食べ過ぎにはよくよく注意しよう。
結論
1972年に誕生したデコポン、本格的に流通し始めたのは1990年代以降である。皮が剥きやすく甘みと酸味のバランスがよいデコポンには、ビタミンCをはじめ健康を守ってくれる栄養素に恵まれている。いっぽうでデコポンは糖質量は少ないといえないため、食べ過ぎには注意が必要である。節度をもって美味しくデコポンを食べてほしい。
(参考文献)