- ※1出典:文部科学省「きのこ類/(ひらたけ類)/エリンギ/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=8_08025_7
- ※2出典:公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構「テーマ:「炭水化物の重要性とごはん食」」 https://www.komenet.jp/sedai02/95.html
- ※3出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「食物繊維」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/fiber/
- ※出典4:文部科学省「きのこ類/(しめじ類)/ぶなしめじ/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=8_08016_7
1. エリンギとしめじについて
エリンギはもともと日本では自生せず、流通しているのは温度や湿度管理のもと、工場で栽培されたものだ。また一般的にしめじや本しめじという名前で販売されているのは、ぶなしめじやしろたもぎだけ、ひらたけといった栽培ものがほとんどだ。香りまつたけや味しめじといわれる本しめじは、味がよいといわれているが、栽培がむずかしいため、一般にはほとんど出まわらない。ここではエリンギとしめじの特徴を解説する。
特徴と種類
きのこの人工栽培はおよそ300年前のしいたけから始まったといわれている。現在、人工栽培されているのは20種類くらいあり、すべてが腐生性(ふせいせい)のきのこだ。ちなみにマツタケのような菌根性(きんこんせい)のきのこは栽培がむずかしいといわれている。エリンギは東・南ヨーロッパや中央アジア、北アフリカで広く自生しており、ヨーロッパでも栽培されている。
エリンギの特徴
エリンギの特徴のひとつが、軸が太くて長いところだ。また石づきがなく、かさは小さい。肉質はしっかりとしており、歯ごたえがあるのも特徴のひとつだ。味はくせがなく、天ぷらやソテーといった、さまざまな料理に合う。栽培ものであるため旬はとくにない。年間を通して出まわるが、とくに9~12月は流通量が増える。
しめじの特徴
しめじの特徴は何種類かのきのこと合わせて調理すると、より美味しさの相乗効果が期待できるところだ。選び方のポイントは栽培もので大きな差はないが、なるべくかさが小さく黒褐色で軸が太く、短いものがよい。エリンギと同じで栽培ものであるため、とくに旬はなく、1年を通して流通している。
2. エリンギとしめじの栄養成分
次にエリンギとしめじに含まれる栄養成分と摂取すると期待できる効果について紹介しよう。
エリンギの栄養成分
エリンギに含まれるおもな栄養成分は炭水化物や食物繊維、たんぱく質など(※1)。よく太りそうだからとごはんを食べない人がいるようだが、ごはんに含まれている炭水化物は重要な働きがある。炭水化物は体内に吸収されると最終的にブドウ糖に分解され、脳と筋肉のエネルギー源になる(※2)。食物繊維は水に溶けるものと溶けないものがある。水に溶ける水溶性食物繊維は糖の吸収をゆるやかにし、食後の血糖値の急上昇を防ぐ働きがある。またコレステロールの吸収を抑制したり、胆汁の分泌を促して脂肪の分解を促進したり、胆汁酸を吸着して体外に排泄させる(※3)。
しめじの栄養成分
しめじに含まれる栄養成分はエリンギと同じく炭水化物や食物繊維、たんぱく質など(※4)。水に溶けない不溶性食物繊維の働きは便をやわらかくしてカサを増し、腸のぜん動運動を活発にする。また便が体内に留まる時間を短くする。さらに腸内の有用菌群を増加させ、腸内環境を改善する働きがある(※3)。しめじやエリンギに含まれるたんぱく質は多くの働きがある。たとえば皮膚・毛髪・爪・骨・歯・筋肉・内臓(肝臓・胃腸など)・血管・血液・酵素・ホルモン・抗体・インターフェロンを作る(※5)。
3. エリンギとしめじの料理
最後にエリンギやしめじを使う料理を紹介しよう。
焼く料理
エリンギやしめじを食べるのにおすすめの調理方法のひとつが、焼く料理だ。しめじはオイルの絡みがよく、オリーブオイルで焼くとフルーティーな香りを感じられる。また塩こしょうとなじみやすく、さまざまなスパイスをかけて焼くのもありだ。しめじに比べるとエリンギの方が焼きめが付きやすく、香ばしさを楽しめる。エリンギやしめじはバターでソテーするのもありだ。しめじをバターでソテーすると、はっきりとした香りが立ち、きのこを食べているというような感じになる。エリンギをバターでソテーすると香ばしさを強く感じられる。
揚げる料理
エリンギやしめじは揚げて食べるのもありだ。しめじを天ぷらにすると歯切れのいい食感になる。とくに塩をかけて食べると衣が香ばしいと感じられる。エリンギを天ぷらにするとほっくりとして、イモの天ぷらっぽく味わえる。水分を多く含む食感は、しめじよりエリンギの方だ。
蒸す料理
エリンギやしめじを食べるのにおすすめの調理方法のひとつが、蒸す料理だ。蒸し器に入れて蒸したあと、ポン酢しょうゆやバターしょうゆをかけて食べると美味しい。また長ねぎやしょうがと一緒に酒蒸しにすると、いろいろな食感を楽しめる。蒸し器で蒸すのが面倒なときは、レンジで加熱するのもありだ。
結論
エリンギとしめじの特徴や含まれる栄養成分、おいしい食べ方を紹介した。 エリンギもしめじも年間を通して食べることができるのが特徴のひとつだ。焼いても揚げても蒸しても美味しいので、積極的に食卓に取り入れてみてはいかがだろうか。
(参考文献)
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