目次
- ※1出典:文部科学省「野菜類/(みつば類)/糸みつば/葉/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06278_7
- ※2出典:農林水産省「夏バテに気をつけましょう」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/syoku_anzen/manabu/r0307/natubate.html
- ※3出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンK」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_k/
- ※4出典:公益財団法人 長寿科学振興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html
- ※5出典:公益財団法人 長寿科学振興財団「葉酸の働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html
1. 糸三つ葉とは

シャキッとした食感とさわやかな香りが特徴の三つ葉は、料理を引き立てる名脇役だ。1本の茎に3枚の葉がつくため、この名前になったという。そんな三つ葉は栽培方法の違いから、根三つ葉・切り三つ葉・糸三つ葉の3種類に大別される。ここでは糸三つ葉の特徴を紹介しよう。
一般的に売られている三つ葉
三つ葉はセリ科の植物で日本や中国、朝鮮半島に自生しているが、野菜として利用されているのは日本と中国くらいだ。先述したように3種類あるが、糸三つ葉の特徴は青三つ葉と呼ばれることがあり、水耕栽培されているため周年食べることができる。また根元まで光があたっており根元まで青い。さらに香り豊かで、茶碗蒸しやお吸い物を彩るのにおすすめだ。
2. 糸三つ葉に栄養はある?

次に糸三つ葉に含まれる栄養成分と摂取して期待できる効果を紹介しよう。
栄養成分と効果
糸三つ葉に含まれるおもな栄養成分は、100gあたりでβ-カロテン3200μgと多く含んでいる。またビタミンKは220μgと豊富に含まれており、カリウムは500mg、葉酸は64μg含んでいる(※1)。それぞれの効果を紹介するとβ-カロテンは抗酸化作用があり、紫外線から身を守る効果が期待できる(※2)。糸三つ葉に含まれるビタミンKは血を止めたり骨を丈夫にしたり、動脈の石灰化を防止する(※3)。カリウムはナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持したり、神経刺激を伝達したり、細胞内の酵素反応の調節、心臓機能と筋肉機能の調節といった効果が期待できる(※4)。葉酸は赤血球の生産を助けるビタミンで代謝に関与しており、DNAやRNAのような核酸やタンパク質の生合成を促す。また細胞の生産と再生を助けるため、身体の発育に重要なビタミンだ(※5)。
3. 糸三つ葉を料理に使う際のポイント

ここでは糸三つ葉を料理に使う際のポイントを紹介しよう。
熱の加えすぎに注意
おひたしや茶碗蒸しで食べる機会が多い糸三つ葉だが、熱に弱いという性質がある。あまり茹ですぎると色と歯ごたえが悪くなり、香りが飛んでしまう。生でも食べられるが、茹でて調理するときは、お湯にさっとくぐらせる程度にすること。
熱い汁物の上にのせるときも同じで、長くのせておくと葉が変色する。料理を配膳する直前にのせること。香りが強すぎて糸三つ葉のみでは食べられない人は、油で調理すると美味しく味わえるだろう。とくに天ぷらやバター炒めにすると、食べやすくなるようだ。またキャベツやトマト、にんじん、りんごと一緒に野菜ジュースの材料として使うと、いいアクセントになる。
4. 糸三つ葉の保存方法

最後に糸三つ葉の保存方法を紹介しよう。糸三つ葉は傷みが早く、長期保存には向いていない。購入するときは使う分のみを買ってくるのがベストだ。
冷蔵保存
糸三つ葉を使い残したときは洗わずに、キッチンペーパーを湿らせて根の部分を包む。次にポリ袋かラップで包み、冷蔵庫の野菜室へ。根元にスポンジがついている糸三つ葉は、はずしてから保存する。
栽培もできる
根が付いた糸三つ葉を購入したときは、根の部分をプランターに植えると再び葉が生えてくる。半日陰でもよく育つため、日照条件が悪い所で栽培できるのが特徴のひとつだ。初夏になると花茎が伸びて花が咲くが、花茎が伸びると葉が固くなりやすい。栽培するときは早めに花茎を摘み取ること。
結論
糸三つ葉の特徴や含まれる栄養成分、摂取することで期待できる健康効果、料理に使う際のポイント、保存方法を紹介した。これまで料理のアクセント程度に使っていたという人もいるだろう。紹介したように栄養成分を含む食材なので、これからは積極的に味わってみてはいかがだろうか。
(参考文献)