目次
- ※1:文部科学省 食品成分データ「卵類/うずら卵/全卵/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=12_12002_7
- ※2:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b6.html
- ※3:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミン Aの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html
- ※4:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンDの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-d.html
- ※5:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンB2と1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b2.html
- ※6:公益財団法人長寿科学復興財団「葉酸の働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html
- ※7:文部科学省 食品成分データ「卵類/鶏卵/全卵/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=12_12004_7
- ※8:厚生労働省:「コレステロール」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-012.html
- ※9:公益財団法人長寿科学復興財団「コレステロールの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/cholesterol.html
- ※10:J-stage「卵と健康:コレステロール問題を中心に」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/66/9/66_362/_pdf
- ※11:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンC働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html
- ※12:公益財団法人長寿科学復興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
1. うずらの卵とカロリーと栄養成分

うずらの卵はその名の通り、うずらという鳥の卵である。ここではまず、そのカロリーと栄養成分を見ていこう。
栄養成分と効果について
うずらの卵100gあたり
カロリー:157kcal
ビタミンB12:4.7μg
ビタミンA(レチノール活性当量):350μg
ビタミンD:2.5μg
ビタミンB2:0.72mg
葉酸:91μg(※1)
うずらの卵に含まれている栄養素のなかで注目すべきは、まずビタミンB12である。ビタミンB12は葉酸とともに赤血球を作ったり、補酵素としてアミノ酸および脂肪酸の代謝に深く関わったりしている。(※2)
また、うずらの卵には、目や皮膚の粘膜の健康に欠かせない栄養素であるビタミンAの主要成分レチノールも多く含まれている。(※3)さらに、骨格と歯の発達を促すビタミンD(※4)、そして別名発育のビタミンとも呼ばれるビタミンB2も多く含まれている。(※5)そのほか、妊婦に欠かすことのできない葉酸も豊富である。(※6)
鶏の卵100gあたり
カロリー:142kcal
ビタミンB12:1.1μg
ビタミンA(レチノール活性当量):210μg
ビタミンD:3.8μg
ビタミンB2:0.37mg
葉酸:49μg(※7)
うずらの卵は、非常に栄養豊富だとされている。実際に比べてみると、多くの栄養素の数値が鶏卵よりも多い。これはうずらが鶏より早く成鳥になることが理由だと考えられている。この豊富な栄養素があるからこそ、早く成鳥になれるのだ。
気になるコレステロール
卵といえば、やはり気になるのがコレステロールだ。コレステロールは体内に存在する脂質のひとつである。悪者扱いされがちだが、体になくてはならない物質のひとつでもある。
生活習慣病の要因とされているのは、タンパク質と結合し、リポタンパク質となって血中に溶け込んでいるコレステロールのことである。肝臓のコレステロールを全身に運ぶ通称悪玉コレステロール(LDL)と、血管壁のコレステロールを肝臓に運ぶ善玉コレステロール(HDL)があり、このバランスが崩れると血中のコレステロール濃度が過剰になる。この結果が、脂質異常症である。
食事からのコレステロール摂取は血中コレステロール濃度と必ずしも関係するとは言えないが、バランスを崩す要因になりかねないので注意が必要である。
昨今卵の摂取と血中コレステロール濃度については、さまざまな研究がなされているが、これらは一言で言い表せるほど単純ではない。ただし、健康な人であれば、1日1個の鶏卵を食べる分にはさほど問題はないといわれている。うずらの卵にも同じことが言えそうだ。(※8、9、10)ただし、基礎疾患がある場合などは、注意が必要とされることもある。
2. うずらの卵のカロリーについて

うずらの卵のカロリーは、100gあたり157kcalなので、可食部1個分にするとおよそ16kcalになる計算だ。1日に一体どのくらいまで食べていいのだろう。
1日の摂取量
うずらの卵1個分の可食部はおよそ10g、Mサイズの鶏卵1個分の可食部がおよそ50gである。このことから鶏卵1個はうずらの卵5個分に該当する。特定の食品を摂取しすぎるのは好ましいこととはいえないので、うずらの卵に関しても、1日5個程度の摂取にとどめておくのがおすすめだ。
3. うずらの卵の栄養を補う食品

うずらの卵の栄養素を見てみるとビタミンCと食物繊維が含まれていない。栄養満点のうずらの卵をさらにパワーアップさせるためは、これらの栄養素を多く含むものと一緒に食べるとよさそうだ。
ビタミンCと食物繊維
うずらの卵に含まれていないビタミンCは水溶性ビタミンのひとつで、コラーゲン生成に欠かすことのできない存在である。コラーゲンと聞くと美容を思い浮かべる人も多いかと思うが、影響はそれだけではない。コラーゲンが不足すると血管が脆くなり出血を起こしたり、貧血を起こしたりする危険性も。また、昨今ではビタミンCの抗酸化作用にも注目が集まっている。
ビタミンCを多く含む食品として知られているのは、柑橘類、赤ピーマンやブロッコリー、キャベツなどである。(※11)
また、うずらの卵には食物繊維も含まれていない。食物繊維は、人の消化酵素で分解されないものの総称でエネルギー源にはならないとされている。とはいえ、体には欠かすことのできない存在である。よく知られているのが排便をスムーズにする効果だが、それ以外にも食後血糖値の急激な上昇を抑える効果や、高血圧の予防効果もある。
食物繊維が多く含まれている食品として知られているのは、切り干し大根やモロヘイヤ、大豆食品、きのこなどである。(※12)
結論
うずらの卵は栄養豊富な食品ということができる。カロリーは100gあたり157kcalである。ビタミンがバランスよく含まれているところが特徴で、同じ量の鶏卵と比べてもその量は多い。また、うずらの卵に含まれていないビタミンCや食物繊維を多く含む食品と一緒に食べることで、さらにバランスのいい食事になるといえそうだ。
(参考文献)