目次
- トマト
- 玉ねぎ
- きゅうり
- バゲットやカンパーニュ
- ニンニク
- オリーブオイル
- 塩胡椒
- シェリービネガー
- 水
1. ガスパチョとはどんな料理?

ガスパチョは、古くなったパンにオリーブオイル、ニンニク、水やビネガーを混ぜ、乳化させたスープで、今ではトマトなどの野菜を混ぜ合わせたものが一般的だ。冷たいスープで、夏にはもってこいの味わいだ。まずはガスパチョがどんなスープなのか、歴史を紐解きながら解説していこう。
アンダルシア地方のスープ
スペインの南側、地中海と太平洋に面した地方。グラナダやアルメリアなど8県を有する自治州である。世界遺産アルハンブラ宮殿があるのもこの地方である。白壁の建物と青い空、そして海が広がるスペインらしい地方だ。
ガスパチョは、そんなアンダルシアが起源とされている。
名前の由来と歴史
ガスパチョの由来や歴史には、諸説存在する。
例えば、ローマ軍が戦いの際、水筒に入れて持ち運んでいたポスカと呼ばれる飲み物がベースになっているという説。これは水、ビネガーを合わせ、塩や刻んだハーブなどで作られたものだったとされている。一方でアンダルシア地方で労働者たちが、残り物のパンにニンニクやビネガー、水などで作った料理という説もある。
同様に名前の由来もさまざまな説がある。この地はオスマン帝国に支配されていた経緯があり、さまざまな言葉が混じり合っていたことが考えられる。ヘブライ語の小さな断片に砕けることを意味する「ガザズ」や小さな断片を意味する古いラテン語「カスパ」が語源だという説もあることからも多様な文化が混じり合う場所であったことがうかがえる。
2. ガスパチョの種類

多様な文化のなかで誕生したガスパチョ。今日では、冷製のトマトベーススープと認識されることが多い。ここでは基本のガスパチョとさらに広がるその種類に迫っていこう。
基本は冷製スープ
トマト、きゅうり、玉ねぎ、ピーマンなどの野菜とニンニク、そしてパンとオリーブオイル、ワインビネガー、塩胡椒、ハーブ、スパイスなどをミキサーにかけて、冷やしたものがガスパチョの基本である。テクスチャーはとろりとしており、お店によっては水やスープで伸ばして濃度を薄くする場合もある。タバスコなどの辛味を加えることも多い。パンが入っているので、満足感も高め。冷えたガスパチョは暑い夏にぴったりの味わいだ。
温かいスープもある
スペインのなかでも、寒冷な土地では温かいガスパチョ・マンチェゴが楽しまれている。こちらはパンではなく、炒めた具材に水を注ぎ、クラッカーを加えて煮込むのが特徴である。ほかにもニンニクや玉ねぎ、アーモンド、パンなどで作った冷製スープ、アホブランコ(白いガスパチョの意味)などもある。
3. ガスパチョを作るには

ここからは家庭でガスパチョを作るとき、参考になる基本の材料や作り方、美味しくなるポイントなどをシェアしていこう。
基本的な作り方
ガスパチョは、ミキサーさえあれば簡単に作ることができる。暑い夏に火を使わずに作ることができるところもうれしい。
材料
作り方は湯むきしたトマト、1cm角に切った玉ねぎときゅうり、ちぎったパン、みじん切りにしたにんにくをミキサーで攪拌する。シェリービネガー、塩胡椒、お好みのスパイスで調味し、とろみが強すぎる場合は、水を加えてさらに攪拌する。あとは冷やせば完成だ。
野菜はピーマンやパプリカを入れてもいい。スイカを加えて、よりさっぱりとした味わいに仕上げるのもおすすめだ。
結論
ガスパチョは、スペインアンダルシア生まれの冷たいスープである。そもそもは携帯食や労働者の食事として誕生したという説もあり、硬くなったパンが使えるなど、素朴な一面も持ち合わせている。しっかりと冷やして、細かく切ったきゅうりやトマトを飾り、オリーブオイルを回しかければ、まるでレストランのような仕上がりに!おもてなしにも◎。