目次
- かつおぶし 30g
- 煮干し 10g
- 刻みこんぶ(塩分不使用) 10g
- 緑茶 5g
- (※1)一般社団法人日本ヘルスケアサプリメント協会「ヒスチジン」 https://www.jhcsa.jp/seibun-search/ha/histidine/
- (※2)一般財団法人 脳神経疾患研究所「DHA・EPAのすぐれた働き」 https://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201107/gyo.html
- (※3)公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会「バランスの良い食事で理想的なダイエット(5月)」 https://www.jca-can.or.jp/useful/column/162
- (※4)(※5)公益財団法人長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/
1. 出汁でダイエットできるって本当?

出汁ダイエットは実際にやってみた医師によって考案されたダイエットだ。ここでは、出汁ダイエットの概要について紹介する。
出汁ダイエットとは
出汁ダイエットでは当然ながら、出汁が要となる。出汁を作るのに使う材料はかつおぶしと昆布、煮干し、緑茶の4つだ。出汁は料理に使わず、そのまま飲むだけだ。1日1杯を目安に毎日飲むだけという手軽さが出汁ダイエットの人気の秘密となっている。
出汁を飲むだけではなかなか痩せない
残念ながら出汁を飲むだけでは痩せることはできない。出汁を飲むことで味覚が是正されるため、食べ過ぎを抑えられたり、脂っこい料理を好まなくなったりといったメリットはある。しかし、出汁を飲むだけでは摂取カロリーを減らす、または消費エネルギーを増やすことはできず、結果として体重を落とすことはできない。ほかのダイエットと同じく食事全体のカロリーに気を遣ったり、運動をしたりする必要がある。
2. 痩せる出汁のダイエット効果

出汁にはダイエットに有益な栄養素が多く含まれている。ここでは、出汁から摂れる栄養素と効果について紹介する。
かつおぶしのヒスチジンの効果
かつおぶしにはヒスチジンという栄養素が含まれている。ヒスチジンはアミノ酸の1種で、体内に入るとヒスタミンという成分に変化する(※1)。ヒスタミンには交感神経を刺激するという働きがあるのだが、この働きによって脂肪燃焼が促進される(※1)。脂肪燃焼はダイエットと大きく関係しており、ダイエットを進めるうえでは嬉しい効果だといえる。また、食欲抑制効果もあるとされており(※1)、食べ過ぎによるカロリーオーバーを防ぐことも期待できる。
煮干しのイノシン酸の効果
うまみ成分として有名なイノシン酸だが、実は代謝機能を促進させる働きももつ(※2)。代謝を促す作用がある食品は、ダイエットのサポートに役立つ(※3)。
昆布のネバネバ成分の効果
昆布は出汁をとるのによく使われる食材だ。乾燥昆布だと分かりにくいが、昆布を水で戻すとネバネバしているのが分かる。実は、このネバネバ成分はアルギン酸という水溶性食物繊維の1種だ(※4)。水溶性食物繊維はその名の通り水に溶けやすいという特徴を持つ。水溶性食物繊維には血糖値の上昇を抑える、コレステロールを吸着し体外へ排出するといった働きがある(※4)。血糖値やコレステロールの値がコントロールできれば、ダイエットがスムーズに進むようになる。
緑茶のカテキンの効果
緑茶に含まれるカテキンには抗酸化作用や血糖値の上昇抑制といったさまざまな働きがある(※5)。なかでもダイエット中に注目してほしいのが、食事誘発生体熱産生の上昇だ。食事誘発性体熱産生とは、食事の消化と吸収によって消費されるエネルギーのことで、上昇すれば同じ食事量でも消費エネルギー量が増えることになる(※5)。また、脂質代謝によるエネルギー消費量が増え、体脂肪減少をもたらす働きも期待できる(※5)。効果が出るまで継続的に摂取しなければならないが、ダイエットでは大きなメリットとなる。
出汁の薄味効果
出汁がきいた料理は余計な調味料を使わずに済む。とくにグルタミン酸やイノシン酸といった複数のうまみ成分が組み合わせれば相乗効果により、うまみが強くなるため調味料はほとんど必要なくなる。出汁の味に慣れれば、カロリーの高い調味料を使った味付けを控えられるようになり、結果的に痩せやすい食生活を構築しやすくなる。また、味付けが変われば食べる食材も変わってくるので、コレステロールや中性脂肪の改善もしやすくなる。
3. 出汁ダイエットのやり方

出汁ダイエットのメリットが分かったら、早速実践してみよう。
出汁の作り方
必要な材料は以下の4つだ。ちなみに、1日1杯飲む計算で10~14日分となる。
どれも市販のものでよい。材料が準備できたら、かつおぶしと煮干しをフライパンで炒める。乾煎りできたら、ミキサーにすべての材料を入れてかける。パウダー状になったら出汁の素の完成だ。
出汁の飲み方
飲むときは出汁の素を大さじ1杯、湯を150~200ml注ぐ。1分ほど待てば刻みこんぶが柔らかくなり、飲みやすくなる。うまみたっぷりの出汁は飲みやすいが、1日1杯を目安にしよう。飲むタイミングは決まっていないが、飲み忘れを防ぐため朝に飲む、昼食前に飲むといったように習慣づけておくとよい。
4. 市販の出汁でもダイエットできる?

出汁は簡単に作れそうだが、ミキサーがないとパウダー状にできないため困ってしまう。市販の出汁で代用したいところだが、かつおぶしと煮干し、昆布は入っていても緑茶が入っていないことが多い。結論からいうと緑茶が入っていなくても問題ない。
市販出汁の選び方
かつおぶしと煮干し、昆布が入っているものであれば市販出汁で代用できる。3つがブレンドされている出汁が見つからない場合は、パウダー状になっているものを別々で購入して自分でブレンドしてみよう。ちなみに、出汁ダイエットでは食材も丸ごと食べるのがポイントなので、出汁パックに入っているものは開けなければならない。わざわざ開けるのが面倒なら、出汁パックに入っていないものを選ぼう。
顆粒出汁の場合
顆粒出汁は手軽に出汁を飲みたいという人に人気だが、出汁ダイエットに使うなら注意が必要だ。うまみに慣れるという点では顆粒出汁でも十分な効果は得られるが、塩分や添加物が含まれている可能性があるからだ。塩分や添加物が含まれていたら、出汁ダイエットの効果は薄くなってしまう。そのため、顆粒出汁で出汁ダイエットをしたい場合は、無添加であるかどうかを必ずチェックしよう。
結論
出汁を飲むだけでは痩せないが、味覚がリセットされ薄味に慣れることで高カロリーな味付けを避けられるようになる。また、出汁に使うかつおぶしや煮干しにはさまざまな栄養素が含まれており、メリットも多い。出汁ダイエットを第一歩に、食事や運動にも気をつけてダイエットに取り組んでみよう。
(参考文献)
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