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豚肉

豚肉が赤いと危ない!安全に食べられる調理法と生焼けの危険性

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2022年4月18日

豚肉をしっかりと焼かずに赤いまま食べるのはNGだ。ではなぜ赤いまま食べてはいけないのだろうか。今回は豚肉を赤いまま食べてはいけない理由や赤い色を無くす調理方法を解説しよう。しょうが焼きや焼きそば、しゃぶしゃぶなどで食べることの多い豚肉だが、しっかりと火をとおして食べることが大切だ。

  

1. 豚肉が赤いまま食べてはいけない理由

豚肉
しょうが焼きや焼きそば、しゃぶしゃぶ、とんかつなど、さまざまな料理に調理できる豚肉だが、赤いまま食べるのはNGだ。ではなぜ赤いまま食べてはいけないのだろうか。

食中毒が発生する危険性がある

動物の生肉には、食中毒の原因になる細菌が付いていることがある。こういった細菌は、動物の腸内にいることが多いが、熱に弱いため十分に加熱すれば大丈夫だ。しかし生のような赤い状態で食べると食中毒が起きる可能性がある。過去の食中毒の症例で食肉が原因だったのは、腸管出血性大腸菌(O157・O111)やカンピロバクター、サルモネラなどだ(※1)。

豚肉を赤いまま食べて起きる食中毒の症状

では食中毒になると、どういった症状を発症するのだろうか。食中毒になると腹痛や嘔吐、下痢、発熱などの症状がある。ときには命にかかわることもあるため、小さな子どもや高齢者、病気で身体が弱っている人は、食中毒の症状が重くなりやすいので注意が必要だ(※1)。

食中毒を起こさないために注意すべきこと

生肉に付いていることもある細菌が、口内に入らないようにすること。そのために注意すべきことは、生肉にさわったらしっかりと手を洗うこと。また生肉をはさんだお箸やトングを食べるときに使わないことだ。焼肉屋でトングで生肉をはさんで焼いたあと、同じトングで焼けた肉をはさむ人がいるようだが、それはNG。さらに生肉を切った包丁やまな板は、熱湯をかけて殺菌することが大切だ(※1)。

2. 豚肉の赤い色を無くす調理方法

厚切り豚肉
ここでは豚肉の赤い色を無くす調理方法を紹介しよう。

温度と時間の目安

豚肉はしっかり加熱調理すると、ウイルスや菌による食中毒の心配はなくなる。逆に火を通しすぎると肉がパサパサして美味しくない。とはいえ、やわらかでジューシーに仕上げようと加熱を控えめにすると、殺菌が不十分でウイルス不活化も不十分になる。豚肉を加熱するときに注意すべきポイントを紹介しよう。
ひとつは温度と時間の管理をすること。低温調理するときは、低温調理器や公式サイトに掲載されているレシピに従うことが大切だ。おそらく皆さんが想像されている以上に、低温調理は時間がかかる。また肉の見ためでは、食中毒を防ぐ安全な加熱調理ができたか判断するのは不可能だ。とくに自己流アレンジは禁物である。さらに塊肉の表面を焼いてからアルミホイルで包み、ジッパー付きの袋に入れて温めた後で火を止めた湯につけたまま余熱を利用する料理は、肉内部の温度が食中毒を防げるほどには上がらないため、やめておくこと(※3)。

豚肉の赤い色を無くすポイント

肉と脂をつなぎ合わせた結着肉や挽肉、筋切り肉、タレに漬けた肉、豚レバーのような内臓は、内部まで十分に加熱することが大切だ。目安は肉内部の温度が75度で1分以上加熱すること。ハンバーグを例にあげると竹串を刺して肉汁が透明になり、中の赤身がない状態になれば大丈夫だ。飲食店で食べるときは生肉や肉を生焼けで食べるメニューがあっても、極力食べないほうが安全だ。また焼肉やバーベキューのように、自分で肉を焼いて食べるときも、十分に加熱して生焼けの赤いまま食べないこと(※4)。

3. 豚肉が赤い色やピンク色のままの理由

焼きとん
豚肉を加熱しても赤いままなのはどうしてだろうか。

加熱しても赤い理由

しっかりと加熱したのに豚肉が赤い色やピンク色といった発色現象は、家庭の調理ではあまり見かけない。しかし給食のような大量調理の場ではよく見られることだ。大量調理は下処理と加熱調理の間に、時間差が生じることがある。このときに微生物が介在し、肉の中に含まれるミオグロビンという成分と野菜のような食材に含まれる亜硝酸塩が反応して発色現象が起きる。ミオグロビンは肉の赤身に含まれている赤色の色素で、亜硝酸塩は硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどの総称だ。一般的に市販のソーセージやハムなどは、食品衛生法で発色することを目的として硝酸カリウムや硝酸ナトリウムを食品添加物として使うことが認められている。しかし生肉は使用を禁止されている(※5)。

豚肉が赤い色でも食べて大丈夫?

もともと畑のような土に含まれている硝酸塩は、植物が成長するために大切な成分で、野菜にも含まれている。亜硝酸塩がミオグロビンと結び付く料理の例をあげると、メンチカツ・ハンバーグ・ロールキャベツだ。これらの料理の発色のほとんどが玉ねぎが原因だ。玉ねぎをみじん切りにすると亜硝酸塩が溶け出しやすく、生肉と出会って発色現象が起きる。このような発色現象があっても、十分に加熱されていれば食べても問題ない(※5)。

結論

先述したように豚肉をしっかりと焼かずに赤いまま食べると食中毒になる可能性がある。そうならないために、生肉にさわったらしっかりと手を洗う、食べるときは生肉をはさんだお箸やトングの使用を避ける、中心温度75℃で1分以上、十分に加熱することが大切だ。
(参考文献)
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  • 更新日:

    2022年4月18日

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