里芋の種類と特徴・見分け方｜珍しい品種や赤い芽の里芋の名前は？

1. 里芋の代表的な種類と特徴・見分け方

煮物のような料理で食べることの多い里芋だが、どういった品種があるのだろうか。

セレベス

里芋の種類のひとつがセレベスだ。特徴はインドネシアから輸入した品種で芽が赤い。親子兼用種で子芋はしずく形、親芋は長球形だ。ぬめりは少なめで、調理しやすいのが魅力のひとつ。熱を加えるとホクホクになるため、含め煮で調理するのがおすすめだ。旬の時期は11～12月だが、9月頃から出荷される。

石川早生

大阪府の石川村（現在の河南町）で誕生した里芋だ。早生の名通り、収穫が8～9月と早めである。里芋の種類の中では小ぶりな方で、ころんとした形が特徴だ。食感はやわらかで淡泊な味わいも特徴のひとつ。皮ごと蒸す料理のきぬかつぎに使われることが多いが、味噌ダレを付けても美味しい。

海老芋

京芋や唐芋という別名を持つ里芋の種類だ。海老芋と呼ぶようになったのは、表面のシマ模様や反った形がエビに似ているから。おもに子芋を食べるが、親芋や孫芋も食べられる。旬の時期は11～1月だ。食べるとほくほくとした食感で、ほどよい甘みが特徴のひとつ。煮くずれしにくいため、調理しても色が付きにくい。

土垂

土垂と書いて、ドダレと読む里芋だ。収穫するのは子芋と孫芋で、ふっくらとした楕円形やしずく形が特徴のひとつ。食べるとねっとりとやわらかな食感で、煮くずれしにくく煮物におすすめ。またマッシュして食べても美味しい。全国各地で生産されており、年間を通して流通しているが、とくに美味しい時期は10～12月だ。

八つ頭

頭が8つかたまっているような形なので、八つ頭（ヤツガシラ）と名付けられた里芋の種類だ。ねばりが少なめで、しっかりとした食感が特徴のひとつ。食べるとほんのりと甘い。旬の時期は11～1月だ。子孫繁栄や末広がりの八、人の頭（リーダー）になるようにという願いが込められた縁起物として、正月のおせち調理に使われる。

2. 特徴別の里芋の種類一覧

特徴別の里芋の種類を紹介しよう。

珍しい里芋の種類

里芋の中には葉柄を食べる品種がある。いもがら（ずいき）という品種は葉柄のうち、茎が食用だ。生はアクを抜いてから汁物や酢の物、炒め物に使う。乾物は水で戻して煮物や炒め物で食べる。

芽が赤い里芋の種類

芽が赤い里芋の代表品種は、先述したセレベス系の赤芽大吉だ。ちなみに赤と白の違いは赤の方がホクホクとしており、ぬめりが少なく煮くずれしやすい。白は粘りがあって、煮くずれしにくい。

長い里芋の種類

京芋という里芋の種類は、たけのこに似ているため、別名たけのこ芋と呼ばれている。ほかの里芋と比べると長いのが特徴で、全体で20～40cmほどだ。おもな産地は宮崎県で、旬の時期は11～3月頃だ。特徴はぬめりが少なめで肉質がしっかりとしており、皮がむきやすい。

3. 家庭菜園で栽培できる里芋の種類

里芋は種子ではなく種芋で増える。里芋そのものは茎が肥大しており、株を中心に大きな親芋があって、そこから分球したのが子芋だ。その子芋がさらに分球した里芋を孫芋と呼ぶ。親芋・子芋・孫芋、どれを食べるかによって、里芋の種類が分けられる。そのため食べたい部分によって種芋を選ぶ必要がある。

親芋用の種芋の種類

子芋が付きにくいため、付いてもあまり大きくならない。その分、親芋に栄養が届いて大きくなるので、親芋が食用に向く品種だ。親芋用の種芋の里芋の種類は先述した、たけのこ芋だ。

子芋用の種芋の種類

親芋が食用に向いておらず、子芋のみを食べる里芋の品種だ。子芋用の種芋の里芋の種類は先述した土垂と石川早生だ。

親子兼用の里芋の種類

親芋も子芋も食用になる品種だ。親子兼用の里芋の種類はセレベス、八つ頭、みず芋だ。

結論

紹介したように里芋には、いろいろな種類があり、それぞれ異なる特徴を持っている。これまでとくに気にせずスーパーで里芋を購入していた人も、今後は何の種類かを意識して、料理で使いわけると、完成度の高い里芋料理を楽しめるだろう。