目次
- 天然クロマグロ赤身 115kcal(※1)
- 天然クロマグロトロ 308kcal(※2)
- キハダ 102kcal(※3)
- ビンナガ 111kcal(※4)
- ミナミマグロ赤身 88kcal(※5)
- ミナミマグロトロ 322kcal(※6)
- ※1〜※6.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)魚介類/<魚類>」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10253_7
- ※7.農林水産省「特集1 だから、お魚を食べよう!(1)」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1401/spe1_01.html
- ※8.平凡社世界大百科事典「タンパク質」
- ※9※12〜※17.厚生労働省「不飽和脂肪酸」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
- ※10.小学館日本大百科全書「エイコサペンタエン酸」 https://kotobank.jp/dictionary/nipponica/
- ※11.小学館日本大百科全書(ビタミン) https://kotobank.jp/dictionary/nipponica/
1. マグロのカロリー

マグロは通常のクロマグロのほかに、熱帯に生息するキハダ、亜熱帯が漁場となるミナミマグロ、熱帯と亜熱帯双方で漁獲できるメバチ、温帯に棲むビンナガなどの数種が存在する。また、赤身やトロなどさまざまな部位に分かれているのもマグロの特徴である。それぞれの種類や部位のカロリーを見てみよう。
種類別のカロリー量
よく知られたマグロの種類と部位に分けてカロリーを紹介する。それぞれ生の状態100gのカロリーである。
一口にマグロといっても、種類や部位によって数値が異なることがわかる。とくに人気のトロは、カロリー量が格段に高くなる。
2. マグロの栄養素と効能

伝統的に魚を食べることが多い日本人だが、農林水産省によれば日本人の魚離れが著しいという。(※7)マグロはそのような風潮にあっても人気の魚である。マグロにはどのような栄養が含まれているのか。またその栄養によってどのような効能が期待できるのか、詳細を見てみよう。
主な栄養素
天然クロマグロの赤身を例に、含まれる豊富な栄養とその効能を紹介する。生の赤身100g中の栄養である。(※1)
・タンパク質 26.4g
タンパク質は人体を構成するもっとも基本的な物質である。(※8)魚介類から摂取するタンパク質は良質な動物性であり、マグロのタンパク質も健康に寄与する。(※7)
・DHA(ドコサヘキサエン酸)120mg
不飽和脂肪酸の一種であるDHAは、近年とくに注目されている栄養素である。動脈硬化やコレステロールの上昇を防ぐ効能が期待されるため、現代人にはとくに重要な栄養素とされている。(※9)
・EPA(エイコサペンタエン酸)27mg
DHAと同じく不飽和脂肪酸のひとつである。冠状動脈硬化症に有効な成分として注目されている。(※10)
・タウリン
農林水産省によれば、マグロの血合いにはとくに多くのタウリンが含まれている。(※7)アミノ酸の一種であるタウリンは、動脈硬化や胆石を予防する効能で知られている。(※7)
・ビタミンB群(※11)
B1 0.1mg 糖質の代謝に関与
B2 0.05mg 皮膚、眼、粘膜を守る
ナイアシン 14mg 酸化還元酵素の補酵素
B6 0.85mg タンパク質の代謝に必須
B12 1.3μg タンパク質の合成や脂質の代謝に関与
・ミネラル
カルシウム 5mg 骨や歯のために必須(※12)
マグネシウム 45mg 体内の代謝および骨の形成を促進する(※13)
リン 270mg 細胞内に存在し骨の形成などに寄与(※14)
鉄 1.1mg 赤血球の健康を保持(※15)
3. マグロ料理でダイエット

種類や部位によってはカロリーが低く、良質なタンパク質をはじめとするさまざまな栄養に恵まれているマグロ。マグロはダイエットにもぜひ活用したい食材のひとつである。しかしいくつかの注意点もある。マグロをダイエットに用いる際にはぜひ留意してほしい。
健康的なダイエットとは
ダイエットという言葉が跋扈している昨今であるが、正しい知識を持って行わないと健康を損ねることになりかねない。ダイエットとはむやみに痩せることではなく、正しく食事をし適量な運動をしながら、適正な体重を目指すことである。(※16)食事の量を極端に減らしたり、偏った食品のみを摂取したりして体重を減らしても、健康に害を与える可能性がある。ダイエットは摂取するカロリー量だけでなく、栄養も考慮し、正しく行おう。(※16)
またマグロには、妊婦が必要とする栄養素が豊富に含まれているため、妊娠中も摂取することが奨励されている。いっぽうで、マグロをはじめとする魚には自然の水銀が蓄積しており、食べ過ぎると胎児に悪影響を及ぼす懸念がある。(※17)専門の医師の指示の下、マグロは適正量を摂取するようにしよう。
おすすめ料理
マグロはもちろん生で食べても美味しいが、カロリーが気になる場合にはトロは避けるのがよい。寿司で食べる場合には、シャリによってカロリーが上がることもあるので食べる量には注意が必要である。料理する場合には、あっさりときのこや野菜とソテーにしたり、わずかに加熱したマグロをアボカドや野菜と合わせてサラダ感覚で食べてみてほしい。彩りも美しいダイエット食となる。
結論
マグロは日常的に食卓に登場する頻度が高い魚である。種類によってカロリー量は僅差があるが、部位間ではかなり大きな差異がある。トロの美味には抗しがたいが、そのカロリー量には注意が必要である。マグロには良質なタンパク質をはじめ、有益な栄養が豊富に含まれている。ダイエットの正しい知識とともに活用すれば、健康維持のための大いなる味方になってくれるだろう。
(参考文献)