- 生 53kcal(※1)
- 水煮 52kcal(※2)
- 冷凍 69kcal(※3)
- じゃがいも 59kcal(※4)
- ながいも 64kcal(※5)
- さつまいも 126kcal(※6)
- ※1〜※6.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂) https://fooddb.mext.go.jp
- ※7〜※10※13.厚生労働省 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- ※11.一般財団法人脳神経疾患研究所付属総合南東北病院「里芋」 https://www.minamitohoku.or.jp/up/news/1pointmemo/1pointmemo92.htm
- ※12.小学館デジタル大辞泉「グルコマンナン」 https://kotobank.jp/dictionary/daijisen/
1. 里芋のカロリーはどれくらい?
塩ゆでにして生姜醤油で食べるだけでも美味しい里芋。あっさりと食べられる里芋はカロリーも抑えて食べられるイメージがある。通常の茹でた里芋、さらに生や冷凍の状態のカロリーとともに、ほかの芋類とも比較する。
カロリーの量
まずは、さまざまな状態の里芋のカロリーを見てみよう。いずれの数値も100gあたりのものである。
次に、日常的に食べるほかの芋類のカロリーを紹介する。生の状態100gの数値である。
里芋は、ほかの芋類と比較してカロリーが低めであることがわかる。
2. 里芋のカロリー以外の栄養素
里芋はカロリーの面でメリットがある食材である。それでは、栄養面にも見るべき点があるのだろうか。里芋が含む栄養と、それによってもたらされる可能性がある効能について列記する。
栄養素と効能
里芋は美味しいだけではなく実にさまざまな栄養が含まれている。そのいくつかを見てみよう。
・食物繊維
生の里芋100g中には2.3gの食物繊維が含まれている。(※1)食物繊維は近年の日本人に不足している栄養素のひとつである。腸まで到達する食物繊維は、便秘の解消に有効である。またその効能は整腸作用にとどまらず、コレステロール値の軽減や血糖値の上昇防止にまで及ぶといわれている。(※7)最近話題の腸活のためにも必要不可欠の要素なのである。(※7)
・カリウム
生の里芋100g中には640mgのカリウムが含まれている。(※1)カリウムは神経や筋肉と関連する栄養素であるだけではなく、人体の体液のバランスを調整する働きがあるミネラルである。とくに、塩分を過剰にとった場合に、カリウムが体外に排出する働きを担っている。(※8)
・マグネシウム
生の里芋100g中には19mgのマグネシウムが存在する。(※1)マグネシウムもミネラルの1種である。カルシウムをはじめとするほかのミネラルとともに骨の形成に役割を果たしたり、体内における代謝に必須の要素である。(※9)
・ビタミンB6
生の里芋100g中には0.15mgのビタミンB6が含まれている。(※1)ビタミンB6はタンパク質の代謝に必要な栄養素である。タンパク質だけではなく、炭水化物や脂質の代謝にも関わっている。(※10)ヘモグロビンを形成するうえでも、ビタミンB6は大きな役割を果たしている。(※10)
・ガラクタン
里芋特有のぬめりは、ガラクタンという多糖が要因で発生する。ガラクタンは血中のコレステロールを除去したり、血圧を下げる効能があるとされている。(※11)
・グルコマンナン
コンニャクに含まれるグルコマンナンは、里芋にも含まれている。グルコースとマンノースが結合した多糖であるグルコマンナンは、食後の血糖値の上昇を抑えコレステロール値を下げる働きが認められている。(※12)
3. 里芋を使った低カロリー料理
ホクホクと美味しい里芋は煮物や味噌汁など、日常的に口にする料理に用いることができる。しかしせっかくカロリーが低めの里芋も、調理法によってはその長所を帳消しにしてしまうこともある。里芋の栄養やメリットを維持しつつ、美味しく食べるためのレシピにどのようなものがあるのだろうか。
おすすめの料理
里芋といえば煮物であるが、甘辛くコッテリと煮たものは塩分やカロリーが上がってしまうこともある。そのため、茹でたり煮たりする場合もあっさりとした味付けが基本である。里芋を煮物にする場合は、イカを加えたり柚子をトッピングしたりと薄味を補うアクセントを加えるとよいだろう。また、じゃがいもの代わりに里芋を活用し、ポテトサラダやジャーマンポテト風にするのも一興である。じゃがいもよりもカロリーが低い里芋を使うことで、いつもとは違う新鮮なおかずになるだろう。味噌汁の具や野菜たっぷりのシチューに里芋を用いても乙である。出汁をきかせた里芋入りのごはんを炊いても、あっさりと美味しく食べることができる。里芋が含む栄養だけに頼らず、足りない栄養はほかの食材できちんと補って、健康的な食事を習慣とするのが、なによりも有効なダイエットといえるだろう。(※13)
結論
秋から冬にかけて美味しくなる里芋。独特のぬめりやほっこりとした食感を愛する人は多い。里芋はほかの芋類と比べるとカロリー量が低く、さらに栄養面でもメリットが多いため、ダイエットにも最適の食材である。ぬめりも上手に利用して、薄味のおかずでカロリーの低さを生かしてほしい。
(参考文献)