目次
- 1. ごま油でダイエットができる?
- 2. ごま油がダイエットに人気の理由
- 3. ごま油をダイエットに取り入れる方法
- 4. ダイエット中におすすめのごま油の使い方
- 5. ごま油ダイエットはえごま油やオリーブオイルで代用可能?
- ※1 〜※3※5※11※12文部科学省 食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/
- ※4 〜※7※9厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- ※8 公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 食物繊維の働きと1日の摂取量 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
- ※10 農林水産省 カプサイシンに関する詳細情報 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/capsaicin/syousai/
1. ごま油でダイエットができる?

ごま油を摂取したらすぐに痩せるというわけではない。しかし、ごま油にはダイエットに役立つ働きが期待できるのだ。そのため、ごま油ダイエットが注目を集めている。
もう少し詳しく説明しよう。
ごま油は摂取しただけカロリーが増える
ごま油のカロリーは、100gあたり890kcal(※1)。ちなみに、100gあたりのオリーブオイルは894kcal(※2)、なたね油は887kcal(※3)である。ほかの油と同様に、ごま油は高カロリーだ。
ごま油は100gも摂取しないにしても、大さじ1杯(12g)の摂取でおよそ106.8kcalになる。摂取したらその分だけカロリーが増え、ダイエットとはほど遠くなってしまうだろう。ちなみに、ごま油に糖質は含まれていない(※1)。
前提として、ごま油はカロリーが高いということを頭に入れてから、ダイエットに励んでほしい。
ダイエット向きの栄養が含まれている
ではなぜ、高カロリーなごま油がダイエットにつながるのだろうか。それは、ごま油の中にダイエット向きの栄養素が含まれているからだ。
その栄養素とは、悪玉コレステロールを下げる効果が期待できる「オレイン酸(※4)」や「リノール酸(※4)」、体内の脂肪の燃焼を助ける「セサミン(※5)」、血管内で血液が固まるのを防ぐ「ビタミンE(※6)」などである。これらの栄養が、ダイエットや身体作りの手助けをしてくれるといわれているのだ。
2. ごま油がダイエットに人気の理由

ごま油ダイエットが注目を集めているワケをもう少し掘り下げよう。ごま油を摂取することで、ダイエットにつながりやすい効果について紹介する。
悪玉コレステロールを減少させる
ごま油に含まれているオレイン酸やリノール酸は、血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあるといわれている(※4)。
悪玉コレステロールは「LDLコレステロール」とも呼ばれ、脂質のひとつだ。LDLコレステロールが増加すると血管内の壁にたまり、血栓となって脳梗塞や心筋梗塞といった動脈系疾患を引き起こしかねない(※7)。
そこで、オレイン酸やリノール酸などの「不飽和脂肪酸」が活躍するのだ。リノール酸は体内で生成されないため、食べ物から摂らなければならない(※4)。オレイン酸やリノール酸が摂取できるごま油は、悪玉コレステロール対策に向いているのだ。
血行を促進させる
前述したように、ビタミンEには血管内の血液が固まってしまうのを防ぐ効果が期待できる(※6)。抗酸化作用もあり、悪玉コレステロールが酸化して血管内に留まってしまうのを抑制するのだ。ビタミンEが不足すると血液の流れが悪くなり、頭痛や冷え性などの一因となってしまうだろう。このように、ビタミンEは血管内の健康維持に大きな役割を果たしている。
血行のよし悪しは、ダイエットにも重要なポイントだ。血行がよいとスムーズに栄養が運ばれ、代謝の活性化が期待できるだろう。代謝が活性化すれば、脂肪の燃焼を助けてくれるはずだ。
満腹感が得られる
オレイン酸には、満腹中枢を刺激する作用があるといわれている。摂取したオレイン酸は小腸で吸収され、違う物質に変化しながら満腹中枢にたどり着くのだ。
こんな実験もある。オレイン酸が多く含まれるオリーブオイルを毎日ヨーグルトにかけて3ヵ月間摂取し続けた結果、ほかの油を摂取していたグループに比べ、満腹感が持続することが分かった。
ごま油にもオレイン酸が豊富に含まれているので、満腹感が得られやすいだろう。
脂肪燃焼に関わる肝臓の機能をサポート
ごま油に含まれているセサミンには、肝臓機能を高めるような効果が期待できる(※5)。セサミンが直接肝臓に働きかけることで、脂肪を消費しやすい形に変える酵素が活発になるのだ。ゆえに、体内の脂肪燃焼の助けとなる。
ほかにも、アルコール代謝のサポートや抗酸化作用による活性酵素の除去など、肝臓の働きをバックアップしてくれる栄養素のひとつなのだ。
3. ごま油をダイエットに取り入れる方法

ここまでで、ごま油のパワーやダイエットに役立つ理由についてご理解いただけただろう。では、具体的にごま油をどのようにダイエットに取り入れたらいいのか。
続いて、ごま油をダイエットに取り入れる方法を紹介していこう。
一日に大さじ1杯を摂取する
ごま油の摂取量の目安は、一日に大さじ1杯。一度の食事に大さじ1杯摂取するのではなく、毎食小さじ1杯ずつ摂取するのがおすすめだ。
身体にいいからと、大さじ1杯以上摂取するのは控えよう。摂りすぎるとカロリーが増えるばかりか、善玉コレステロールを減らしかねない。ダイエットを目指したいなら、適切な量を心がけよう(※7)。
揚げ物や炒め物には使わない
基本的にごま油は加熱OKな油だが、加熱しすぎるのはあまりおすすめしない。脂肪酸のバランスがよいので、低温調理でサッと加熱する程度に留めておくとよいだろう。加熱しすぎないほうがごま油の香りも楽しめる。
たとえば、炒め物をするとき、最初から入れる炒め油にはキャノーラ油などを使い、仕上げにごま油をひとまわし加えて軽く炒める。こうするとごま油の加熱が抑えられ、風味もアップするのだ。
4. ダイエット中におすすめのごま油の使い方

ダイエット中におすすめのごま油の使い方は、普段使用している油と置き替える、食事の1時間前に直接飲むといった方法がある。ドレッシングをごま油で作るのもいいだろう。また、食事の1時間前に飲むと、満腹中枢への働きかけが期待でき、食事量を調整しやすいだろう。
ほかにも、おすすめのレシピを紹介する。
【キムチ×納豆×ごま油】
納豆は食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスもよい食材だ(※8)。食物繊維は、整腸作用があり便通を整えてくれる(※9)。加えてキムチに含まれている「カプサイシン」が、エネルギー代謝や脂肪燃焼を促してくれるのだ(※10)。
キムチ納豆だけでも美味しいが、ごま油をプラスすると韓国風の味わいが楽しめる。
【豆腐×ごま油】
いつもの豆腐にごま油をかければ、ワンランク上の冷やっこになる。豆腐は低カロリー(※11)かつ高たんぱくなので、ダイエット中におすすめの食材だ。
【キャベツ×塩昆布×ごま油】
低カロリーで食物繊維が豊富なキャベツ(※12)も、ダイエットに向いている食材だ。キャベツに塩昆布とごま油を和えるだけで完成する。ポイントはキャベツを小さく切りすぎず、噛みごたえを残すことだ。
加熱のしすぎに注意し、いろいろなレシピにごま油を取り入れてみよう。
5. ごま油ダイエットはえごま油やオリーブオイルで代用可能?

ごま油のほかにも、えごま油やオリーブオイルもダイエットに役立つ。それぞれの成分に着目してみよう。
えごまはシソ科の一年草で、種子に圧力をかけて絞り出したのが「えごま油」だ。必須脂肪酸である「α-リノレン酸(※4)」が含まれ、ごま油に含まれるリノール酸と同様に血中の悪玉コレステロール値を減少させる働きなどがある。α-リノレン酸はオメガ3系という種類に分けられ、アンチエイジングやダイエットなどにも役立つとされている脂肪酸だ。オメガ3系は加熱に弱く、生のまま摂取するのが望ましい。
オリーブオイルにはごま油と同じくオレイン酸が豊富に含まれ、血中の悪玉コレステロールの抑制や、満腹中枢への刺激が期待できる。さらに、大腸で潤滑油となり、排便を促すような効果もあるのだ。カロリーに気をつけうまく取り入れれば、ダイエットにもつながるだろう。
結論
ごま油は健康維持に役立つ栄養が含まれており、ダイエットが目指せる食材だ。ただし、たくさん摂取してしまうとカロリーオーバーになり、ダイエットにはならないだろう。この記事を参考に、ごま油の特性や摂取するうえでの注意点をしっかり踏まえ、効果的に取り入れてほしい。
(参考文献)