目次
- たけのこ 約2万6千t(トン)
- ねまがりだけ 約84t
1. たけのこの名産地はどこ?生産量ランキング

まずは日本におけるたけのこの生産量を見てみよう。たけのこには、よくスーパーなどで見かける品種のほか、北海道や東北地方で採れるねまがりだけなどもある。「統計でみる日本」には、たけのことねまがりだけのデータが記されている。2020年度(令和2年)の総生産量はこちらである。(※1)
都道府県別にたけのこの生産量が多い県を見てみよう。
1位 福岡県 約7,500t
2位 鹿児島県 約6,600t
3位 熊本県 約2,900t
4位 京都府 約2,200t
5位 静岡県 約790t
1位から4位までの都道府県の生産量が突出して多く、たけのこは九州地方でとくに生産が盛んなことがわかる。
2. 産地別のたけのこの旬

日本各地で生産されるたけのこであるが、地方によって気候も風土も異なる日本ではたけのこの旬も異なる。一般的に春に出回るというイメージがあるたけのこ、地方ごとの旬をまとめてみる。
九州のたけのこの旬
日本においてたけのこの生産量のベスト3を独占する九州は、たけのこの一大名産地といって過言ではない。生産量1位の福岡県のたけのこは、旬の時期が12月?5月と非常に長いのが特徴である。第2位の鹿児島県の場合は、12月に収穫できる早採りも存在するが出荷のピークは3月である。第3位の熊本県は1月下旬に初出荷が始まり、旬は4月である。
関東のたけのこの旬
関東においてたけのこの生産が盛んなのは千葉県と栃木県である。(※1)年間生産量が290tほどの千葉県のたけのこは、3月中旬?4月いっぱいに旬を迎える。栃木県のたけのこの旬は4月?5月上旬である。
関西のたけのこの旬
九州に次いでたけのこの生産量が多いのが京都である。京料理にもよく登場する京都のたけのこは、旬が3月下旬?5月上旬である。関西地方で京都に次いでたけのこの生産量が多いのは兵庫県である。とはいえその生産量は京都の10分の1以下。兵庫県のたけのこの旬は4月である。
3. 美味しいと有名なブランドたけのこの産地

生産量もさることながら、その美味しさによりブランドとして定着しているたけのこもある。食通たちに愛されるたけのこのブランドにはどのようなものがあり、どんな特徴があるのか。詳しいところを見てみよう。
京都府のたけのこのブランド
京の食文化を支える食材のひとつ、それが京たけのこである。その起源は古く、9世紀とも17世紀ともいわれている。孟宗竹(もうそうちく)というごく一般的な竹を独自の方法で栽培しており、生でも食べられるほどの柔らかさと白さには定評がある。とくに西山一帯では、朝掘りたけのことしてブランドが定着している。
千葉県のたけのこのブランド
関東においてたけのこの生産が盛んな千葉県。千葉県では大多喜町、長柄町、千葉市などが主な生産地となっている。そのなかでも、大多喜町産のたけのこはブランド品として有名である。たけのこの特徴であるえぐみや苦味が少なく、外観も白さがまさる美しさで知られている。歯ごたえのよさも人気の秘密である。
福岡県のたけのこのブランド
たけのこの生産日本一の福岡県にもブランドたけのこがある。県南地域で生産されるたけのこは、11月から旬に先駆けた味を楽しめる。また県北地域では、全国的にも有名な合馬たけのこというブランドを生み出している。合馬たけのこは京都や大阪などの関西の一流料亭で珍重される名品で、香り、歯ごたえ、味と三拍子そろったバランスのよさが特徴である。
鹿児島県のたけのこの産地
薩摩半島の南に位置する離島三島村には、大名たけのこという名のブランドたけのこがある。島民たちが日常的に食していたこのたけのこ、肉質がよいうえに味が染みやすく近年は高級食材として有名になった。アクも少なく見た目も美しいので、ブランドにふさわしいたけのこである。
4. 世界のたけのこの産地

和食のほかには中華料理にもよく登場するたけのこ。実際、たけのこはアジアの国々が主な消費国となっている。原産が中国であるたけのこは現在、ミャンマーやタイ、ベトナムなどでも生産されている。とくにタイでは、竹の栽培とともに研究も熱心に進められている。
これらのたけのこは日本に輸出されているほか、竹を使った製品も作られており、欧米においても大きな市場を誇る。食材のたけのこは水煮やレトルトパックに加工され、日本だけではなくヨーロッパやアメリカにも輸出されている。
5. 産地直送のおすすめたけのこ

生のたけのこは都会に住んでいるとなかなか手にすることができない食材である。通販を活用して、鮮度が命の美味しいたけのこを購入することは可能なのだろうか。産地直送のたけのこの通販についていくつか紹介しよう。
安心堂「京都産・堀りたて生京たけのこ」
京の食文化を支える京たけのこは、通販でも入手可能である。甘みと香りがバツグンの新鮮な京たけのこは、下処理用の米ぬかも同封されているため便利である。掘りたての京たけのこを使って、美味しい京料理を作ってみたい。
産直ファーム渡辺「白筍」
関東において高名な千葉県大多喜町のたけのこ。あく抜きが必要ないほどえぐみのない新鮮なたけのこを届けてくれるのが、千葉県の渡辺ファームである。家族経営で小さな規模であるからこそ、ひとつひとつ丁寧に栽培されて直送されるのが嬉しい。
合馬たけのこ体験園「産地直送」
年間を通じて加工品も扱っている合馬たけのこ体験園では、朝掘りのたけのこのなかでも厳選されたものを産地直送してくれる。関西の一流料亭で愛される福岡県のブランドたけのこ、心地よい歯ごたえと豊かな香りが堪能できる一品だ。
結論
春の味として楽しめるたけのこは、産地はあまり意識しないで食べることが多い。日本では年間2万tを超えるたけのこが生産され、食卓を彩ってくれるのである。また、日本各地で生産されるたけのこのなかには、その味のよさからブランドを持つものも少なくない。その背景も楽しみながら、春の味覚を心ゆくまで味わってほしい。
(参考文献)
※1.政府統計の総合窓口「令和2年特用林産基礎資料(特用林産物生産統計調査結果報告書)」Ⅱ令和2年品目別資料