このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
歩道に干したテングサ

天草の栄養と効果とは?寒天やところてんとの違いも確認

投稿者:ライター 松本 佐佳(まつもと さよ)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2022年5月17日

天草と聞いてイメージができる人はそう多くはないだろう。赤褐色の見た目からは想像しがたいが、半透明なところてんや寒天をつくる原料となる海藻の総称だ。実は多くの人が食べている身近な食品である。寒天やところてんがヘルシー食品といわれる由縁は、天草が持つ豊富な食物繊維や、保水力、固まる力にあるのだ。しかし、天草と、加工を経てつくられる寒天やところてんは栄養素が異なるので、この記事でチェックしてほしい。

  

1. 天草の主な栄養素と効果効能

テングサ
天草は海の岩場に自然に生え、株の高さは10~30cmほどになる。赤褐色の細く平らな葉が、羽のように枝分かれしているのが特徴だ。ここでは、そんな天草に含まれる栄養素と 健康によい効果を見ていこう。

食物繊維(※1、2、8)

天草(素干し)100gの食物繊維含有量は、47.3gと多めだ。さらに、天草に含まれているアガロースやアガロペクチンという食物繊維は、水分を吸って大きく膨らみゲル状になる性質を持つ。体内でゲル化した繊維は栄養素を包み込んで移動し、脂質や糖質の吸収を緩やかにする。さらに、お腹の中で水を吸って膨らむため満腹感が得られ、食前や食事中に食べると食べ過ぎ防止にもよい。また、アガロペクチンは、しわやたるみの改善をする作用まであるのだ。日常的な摂取で健康と美容に役立つだろう。

カリウム(※3、8)

細胞の浸透圧を調節し、水分を保持する役割を担っているのがカリウムだ。天草(素干し)のカリウム量は、100gあたり3100 mgと多い。ナトリウムの排出を促す働きもあるので、塩分が気になる方やむくみが気になる方は積極的に摂取しよう。水溶性のカリウムは煮たり茹でたりすると水に溶け出してしまうので、生野菜サラダや生の果物から摂ると効率がよい。

ビタミンK(※4、8)

天草(素干し)には、100gあたり730μgのビタミンKが含まれる。ビタミンKは、ケガをしたときに血液を凝固させる働きを持つ。欠乏すると血液凝固に時間がかかる、出血が止まりにくくなるなどの不調があらわれるので要注意だ。また、カルシウムを骨に沈着させて流出を防ぐ力を併せ持つ。人の身体は加齢やダイエット、女性ホルモンの低下によって骨密度が減少していく。生涯健康でいるために、カルシウムの吸収を助けるビタミンKを摂って骨密度アップを心がけよう。脂溶性ビタミンなので熱に強く、脂質を多く含む食品と一緒に食べると吸収力がアップするのでおすすめだ。

マグネシウム(※5、8)

神経活動から新陳代謝まで広く必要とされるマグネシウムは、イライラが改善する効果も期待できる。また正常な血圧の維持や補酵素としてエネルギーの産生に役立つ。天草(素干し)100gからは1100mgと豊富なマグネシウムが摂取できる。天草などマグネシウムを十分に摂取できる食品を取り入れ、心身の健康を引き寄せよう。

その他の栄養

野菜に含まれているイメージの強いβカロテンだが、天草(素干し)100gにも200μgのβカロテンが含まれている(※8)。βカロテンは皮膚の粘膜を丈夫にし(※7)、視力を正常に保つ効能も期待できる。βカロテンを摂取することで必要量のビタミンAを補えるため(※6、7)、口や鼻、喉の健康維持や、ビタミンA不足による視力低下を予防する効果がある。

カロリーや糖質

天草(素干し)の100gあたりのカロリーは194kcal、糖質は6.5gと低い(※8)。糖質を抑えられれば、血糖値の上昇を防ぎ脂肪が蓄積しにくくなる。結果的に太りにくい身体づくりが可能。糖質制限や、ダイエット中にも最適な食品だ。ただし、糖質が不足しすぎると、エネルギー不足による集中力の低下や疲労感が見られるので、健康面に影響が出ないように注意しよう。

2. 天草の栄養成分一覧

テングサの乾燥
日本ではマクサ、オオブサという種類がほぼ全国で採れるが、中でも静岡県の伊豆半島では海女が素潜りで採っており高級品として知られる。そんな天草にはほかにどのような栄養があるのか紹介する。
【天草(素干し)】100gあたり(※8)
エネルギー 194kcal
水分 15.2g
たんぱく質 16.1g
脂質 1.0g
糖質 6.5g
食物繊維 47.3g
ビタミンK 730?
天草には、健康には欠かせない栄養素の食物繊維が多く含まれ、たんぱく質やビタミンも一緒に補える。栄養補給ができる一方、脂質や糖質が少ないため、満腹感はあっても太る心配がない。主に乾燥された天草が乾物屋などで販売されており、ネット販売からの購入も可能なので、一度手にしてみてはいかがだろうか。

3. 天草と寒天やところてんの栄養の違い

ジェリジウムゼリー
まず、「ところてん」とは、天草を水と一緒に煮溶かし、抽出した煮汁を型に流し込み冷まして固まるのを待つ。それを天突きと呼ばれる器具で押し出しながら細い糸状にしたもの。一方、「寒天」は、ところてんを凍らせて、再度溶かし、また乾燥させる工程を数回繰り返して最後に干物状にしたもののこと。製品の形状によって、糸寒天、角寒天、粉寒天など呼び名が違う。原料は同じ天草だが、加工の過程が異なる寒天やところてんの栄養素の違いについて紹介する。

寒天の栄養

【寒天】100gあたり(※10)
エネルギー 3kcal
水分 98.5g
たんぱく質 微量
脂質 微量
糖質 0g
食物繊維 1.5g
ビタミンK 0?

ところてんの栄養

【ところてん】100gあたり(※11)
エネルギー 2kcal
水分 99.1g
たんぱく質 0.2g
脂質 0g
糖質 0g
食物繊維 0.6g
ところてん1人分(1パック)は150g前後、寒天の1人分は、100g前後のため、1食あたり2~3kcalととてもヘルシー。製造の工程の中で天草のほとんどの栄養素は失われていくが、ところてんや寒天と姿をかえても食物繊維の豊富さと保水力は維持される。とくに、水戻し前の寒天(角寒天)は74.1gと食べ物の中で食物繊維量はトップクラスだ。日本人の不足しがちな栄養素の食物繊維を少量でしっかり補給できる心強い存在といえるだろう。

4. 天草の栄養の摂り方

豆と寒天の立方体和菓子
ここでは、日常生活に天草や天草の加工品をどのように取り入れたらよいかポイントを紹介する。

毎日の食事に取り入れる

【選び方】

色によって風味や食感の違いを楽しめるのも天草の魅力だろう。水揚げされたばかりの天草は赤紫色をしているが、水にさらして日光で乾燥させる工程によって赤い色が抜けていき、最後には黄色いあめ色になっていく。赤褐色の色が濃いもののほうがより塩や海の香りが強く、でき上がりのところてんは黒っぽい。黄色のものは、半透明で白くキレイな磯臭さのないところてんになる。また、産地にも注意したい。国内収穫量の減少とそれに伴う価格の上昇により、粉寒天には海外から輸入された天草やオゴノリが代用されるようになっている。これらは国産天草と比べると、しわやたるみの改善作用を持つ栄養素のアガロペクチンの含有量も少なく、固まる力や保水性・弾力性も劣ってしまう。より美容効果を期待する方や食感を楽しみたい方は、日本産の天草がより多く使われている棒寒天や糸寒天、ところてんを食べるのがおすすめだ。

【食べ方】

天草は海藻サラダにすれば、ミネラルやビタミンの栄養素の補給に一役買う。ところてんや寒天自体にはほとんど味がないため、組み合わせによっていろんな色に染まるのが魅力。作り方によって食感がかわり、透明さを活かし色付けや加工もしやすく、非常に可能性のある楽しい食材だ。寒天は、みそ汁にひとつまみ入れるだけでみそ汁の栄養に食物繊維を手軽にプラスできる。ところてんは、つるっとしたのどごしがクセになり、酢醤油、三杯酢、黒蜜やわさびドレッシングなど楽しみ方も多彩だ。ローカロリーでダイエット中でも罪悪感なく食べられるので、主食や小腹が空いたときのおやつにおすすめだ。ただし、味が濃くなるほど糖質やカロリーが高くなるため、ノンオイルドレッシングなどで調整するとよいだろう。

天草の栄養の摂りすぎは体に悪い?

天草に多く含まれる食物繊維は、水分をたくさん含んでゼリー状になる。適量であればよいが、摂りすぎると便の出がよくなりすぎてしまう。また、逆に便秘を引き起こすことも。天草を含む食品のみで摂取すると、体内の水分を吸収しかえって水分不足に陥ることがあるからだ。食べるときは水分を一緒に摂るように心がけよう。食物繊維の摂取目安量は、18~64歳の男性で21g以上、女性は18g以上と設定されている(※2、9)。粉寒天小さじ1杯(2g)で、食物繊維は1.6gあるので、1日の目安は、小さじ3杯程度がよいだろう(※12)。

結論

天草は、低カロリー低糖質でありながらも食物繊維が豊富に含まれる。健康を気にする方にはもってこいの食材だ。ダイエットなどの美容面、便秘解消などの健康面からアプローチができ、体質の改善が望める。ただ、食べ過ぎるとほぼ栄養がない天草でお腹がいっぱいになってしまうため、栄養が偏らないようほかの食品とバランスよく、普段の食卓に取り入れてみてはいかがだろうか。
(参考文献)
  • 更新日:

    2022年5月17日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

人気記事一覧

急上昇
週間

新着記事一覧新着記事一覧