目次
- ※1.独立行政法人農畜産業振興機構「メロンの需要動向」 https://www.alic.go.jp/
- ※2.厚生労働省「旬を取り入れた食生活」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
1. メロンが美味しい季節はいつ?

みずみずしさと芳醇な甘さはほかのフルーツの追随を許さないほど美味しいメロン。メロンが最も美味しくなる時期はいったいいつなのか。種類が多いメロンであるが、一般的な品種の旬について見てみよう。
旬は初夏
JAグループの資料を参考にすると、日本で栽培されるメロンの出荷は5月頃から本格的になる。6月をピークに8月まで出荷が多く、食べ頃は初夏である。メロンの品種や産地によっても旬は異なるものの、夏の渇きを癒してくれる果物という認識で間違いないようである。
2. メロンは品種ごとに旬の時期が違う

メロンといえば高級品種代表のマスクメロンや、北海道を産地とする夕張メロンが頭に浮かぶ。実際には市場に出るメロンの品種は非常に多く、それぞれ特徴を異にする。旬の時期もわずかにずれるため、美味しいメロンを食べるためにぜひ品種別の食べ頃も頭に入れておいてほしい。
主な品種と旬の時期
学術的には、メロンは「網メロン系」「カンタループ」「冬メロン」の3種に分類される。しかし実際の日本の市場では、「青肉」「赤肉」「白肉」と果肉の色で分けられることが多い。その主な品種の旬を見ていこう。
・クインシーメロン(4月)
日本国内で最も早く旬を迎えるのが、九州地方で生産される赤肉のクインシーメロンである。まったりした甘みが特徴の同メロン、食べ頃は4月である。
・プリンスメロン(4月~5月)
プリンスメロンは1960年代初頭に登場し、爾来庶民の味方ともいうべき大衆向けメロンとして定着した。皮に網目がないノーネット系メロンと呼ばれる種類に属している。その旬は4月~5月である。
なお、日本で最もメロンの生産が多い熊本県では、4月~5月にかけてアンデスメロンやイエローキング、ホームランといった品種も旬を迎える。
・アンデスメロン(5月~7月)
熊本県と並んでアンデスメロンの生産が多いのが茨城県である。茨城県のアンデスメロンは、5月~7月が旬である。1970年代に開発されたアンデスメロンは青肉系の代表品種であり、「安心です」を文字った命名で知られている。
そのほか、茨城県では、4月から5月が食べ頃のイバラキングや、6月に旬を迎える白肉系のキンショウが有名である。
・タカミメロン(6月~7月)
関東地方で多く栽培される品種が、青肉系のタカミメロンである。しっかりした肉質と爽やかな甘みを特徴とするタカミメロンは、6月~7月に旬となる。
・アールスメロン(7月~)
贈答品に使用される高級品種、それがアールスメロンである。愛知県や静岡県で栽培されるアールスメロンは、7月以降が旬である。栽培される土地によって旬は異なり、静岡県ではお歳暮用に収穫されるものもある。
・アーマイレッド(7月~9月)
東北地方では、青森県などで多くの品種が栽培されている。その代表アーマイレッドは赤肉系で、同県の登録商標となっている。旬は7月~9月。青森県ではそのほか、8月に美味しくなるデリシイ、ユウカ、9月が旬のキスミーなどが存在する。
・ルピアレッド(7月~8月)
北海道を代表する赤肉系の品種、それがルピアレッドである。7月~8月が旬のルピアレッドのほか、北海道では10月頃まで美味しいR-113も有名である。
3. メロンの季節ごとの価格

かつては高級フルーツの代名詞でもあったメロン。いまではさまざまな品種が登場して、スーパーで気軽に購入できるタイプも少なくない。メロンの旬は概して夏であるが、冬のメロンの価格はどうだろうか。メロンの値段について触れてみる。
冬に価格が上がる傾向
メロンは箱入りの高価なものから、スーパーで購入する自宅用のタイプまで価格帯は幅広い。メロンの大半は初夏から旬を迎を迎え、冬には出荷量が減少する。東京都中央卸売市場の報告によれば、メロン1キロ当たりの価格は出荷最盛期の夏には500円を切るのに対し、冬場は2倍以上となる。(※1)
また、価格の問題だけではない。厚生労働省は、旬の食物にはより豊富な栄養素が含まれていることを理由に、果物も旬の物を摂取することを奨励している。(※2)美味しく経済的にメロンを食べるためには、旬の季節を知ることが肝心である。
結論
メロンはみずみずしく甘みが強く、日本でも愛されている果物である。日本で栽培されるメロンは品種も多く、それぞれの栽培地の気候も含めて旬は異なる。大半のメロンは、盛夏の季節に美味しくなる傾向がある。価格も旬に合わせて下がるため、栄養面のメリットを考慮しても、それぞれのメロンの旬に食べるのがおすすめである。夏の渇きを癒してくれる芳醇なメロン、お財布にも体にも優しい天の恵みといったところだろう。
(参考文献)