目次
- 成長した青ネギ状の部分を若採りしたもの
- 新芽を収穫したもの
- 旬:春、秋(3~4月、10月頃)
- 産地:広島県、高知県など
- 旬:冬~春(1~3月頃)
- 産地:山形県、福島県など
1. 浅葱「あさつき」はネギに似た野菜

浅葱とはどのような食べ物なのだろうか。特徴や名前の由来、旬や産地について紹介する。
浅葱の特徴
浅葱は一般的な細ネギと見た目が似ているが、葉が万能ネギやワケギよりも細い。また、ネギより辛みが強く風味がよいのも大きな特徴だ。また、浅葱には下記の2つの種類がある。
浅葱は、もともとは山菜の一種として親しまれてきたエゾネギの変種である。見た目がよく似ている万能ネギとは、葉の細さのほか育て方や根元の形状も異なる。万能ネギは種から育つため根元がまっすぐだが、球根から栽培する浅葱は根元が膨らんでいる。
浅葱の名前の由来
浅葱という名前は、ネギより浅い緑色をしていることが由来である。また、細い葉の形状からイトネギ、密集する生え方からセンボンネギやセンボンワケギなど、複数の別名ももつ。
浅葱の旬や産地
浅葱の旬と主な産地は、種類によって下記のように異なる。
成長した青ネギ状の部分を若採りしたもの
新芽を収穫したもの
青ネギ状の浅葱はハウス栽培もされており、通年出回る。東北地方で栽培される新芽の浅葱は、旬を過ぎ夏になると葉が枯れ、休眠状態となる。新芽の浅葱は春の味覚としても親しまれ、山形県では伝統野菜としても扱われてきた。
いずれのタイプも生産量はネギ全体の約1%と少なく、一般的なネギよりも高価である。
2. 浅葱「あさつき」の食べ方

浅葱には2種類の異なるタイプがあるため、種類によっても適した食べ方は変わる。薬味として料理に加える食べ方と、浅葱そのものをメイン食材とする食べ方がある。詳しく見ていこう。
薬味として使用する
成長した浅葱を用いる食べ方だ。刻んで薬味やトッピングとして使用することで、辛みや香り、緑色の彩りが料理を引き立てる。うどんやそば、冷奴、カツオのたたき、なめろうなどの薬味のほか、チャーハンやスープ、卵焼きに混ぜ込む使い方もおすすめだ。また、ごま油を絡めた浅葱とかつお節をごはんにトッピングしても美味しい。
メイン食材として使用する
新芽の浅葱は食べごたえがあり豊かな風味を楽しめるため、メイン食材として使うのがおすすめだ。サッと茹でることで、辛みが和らぎ甘みが増す。シンプルにぬたや和え物、ナムルなどにするとよい。酢味噌や辛味噌、ごま油が浅葱によく合う。また、天ぷらや炒め物にしても美味しい。根元部分の食感も併せて楽しもう。辛みが好みの場合は、味噌などをつけて生食してもよいだろう。
3. 浅葱色とは?意味と読み方

浅葱という名前は、日本の伝統色にも用いられている。ただし、読み方は「あさつき」とは異なる。色の特徴や名前の由来、英語に訳した場合の名前、派生色などについて紹介していく。
浅葱色の読み方は「あさぎいろ」
浅葱色は、蓼藍(たであい)で染めた明るい青緑色である。野菜の浅葱よりも青みが強いが、命名の由来は浅葱の葉の色とされる。平安時代には存在していたといわれる、歴史ある伝統色だ。薄い黄色を示す浅黄色と誤用されることもあるが、まったく別の色である。
浅葱色は、新選組のダンダラ模様の羽織の色や、神社の若手神職(三級、四級)の袴の色としても知られている。英語ではpale blue-greenなどと訳される。
花浅葱の色
江戸時代に浅葱色から派生した花浅葱は、「はなあさぎ」と読む。花色がかった浅葱色という意味だ。浅葱色に少し赤みが入ったような色で、浅葱色よりもやや青色が強い。由来は、鴨頭草(露草)の青い花の汁で染色されたこととされる。
浅葱鼠の色
浅葱鼠は「あさぎねず」と読む、鼠色の系統色である。鼠色が大流行した江戸時代に生まれた色で、浅葱色がかった鼠色というのが名前の由来だ。曇天の空のような渋い色だが、色合いは鼠色がかった浅葱色である。
結論
浅葱(あさつき)とは、山菜として親しまれてきたエゾネギの変種である。成長した浅葱を若採りしたものと、新芽を食べるものの2種類に分かれる。旬や産地、美味しい食べ方はタイプによって異なる。また、浅葱色(あさぎいろ)とは明るい青緑色のことで、花浅葱や浅葱鼠を含む派生色も数多く存在する。野菜の浅葱とは読み方が異なることも覚えておきたい。