目次
- ※1 ※3※7〜※9厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- ※2 農林水産省 みんなの食育 ゆっくり食べる https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html
- ※4 公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 食物繊維の働きと1日の摂取量 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
- ※5※6 環境省 ヨウ素について https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-03-07-16.html
- ※10 伊藤病院 ヨウ素について https://www.ito-hospital.jp/06_iodine/01_about_iodine.html
- ※11 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
1. おしゃぶり昆布がダイエットに効果的といわれる理由

おしゃぶり昆布と聞くと、なんとなくヘルシーなイメージはあるが、具体的にどんな効果をもたらしてくれるのだろうか。まずは、おしゃぶり昆布がダイエットに向いている理由について迫ってみよう。
低カロリーで低糖質
理由のひとつとして、低カロリーと低糖質が挙げられる。実際に販売されている商品のカロリーと糖質を見てみよう。
中野物産株式会社「おしゃぶり昆布 浜風」
【10g(1袋)あたり】カロリー:25kcal/糖質:3.0g
上田昆布株式会社「おしゃぶり昆布」
【10g(1/2袋)あたり】カロリー:24kcal/糖質4.0g
株式会社くらこん「塩こん部長のおしゃぶり昆布 梅」
【10g(1袋)あたり】カロリー:21kcal/糖質1.3g
それぞれ100gあたりで計算すると際立って低いわけではないが、一回に食べる量が少ないので、結果的にカロリーと糖質の摂取量を抑えられる。
ダイエット中はカロリーだけでなく、糖質の摂取量にも気をつけたい。摂りすぎた糖質は、中性脂肪として体内に蓄積され、肥満の一因となってしまうのだ(※1)。
低カロリーで低糖質なおしゃぶり昆布は、ダイエットに向いている食材といえよう。
満腹中枢が刺激される
おしゃぶり昆布は、噛みごたえがある食品だ。口に入れてから飲み込むまで、必然的に噛む回数が多くなる。よく噛むことで満腹のサインが脳に届き(※2)、少量で満足感を得られやすいのだ。
おしゃぶり昆布をよく噛んで食べることで、満腹中枢が刺激されて食欲が抑えられ、ダイエットにもつながるだろう。
水溶性食物繊維が豊富
おしゃぶり昆布には、水溶性食物繊維の「アルギン酸」と「フコイダン」が豊富に含まれている。昆布の食物繊維量は、ゴボウの約5倍あるから驚きだ。
食物繊維は大きく分けて、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維がある(※3)。水溶性食物繊維には、食後の血糖値上昇を抑える・血中コレステロール値を下げる・便通を整えるといった効果が期待できるのだ。(※4)
交感神経が刺激される
おしゃぶり昆布の中に含まれる、「ヨウ素(※5)」にも注目したい。ヨウ素はミネラルの一種で、甲状腺ホルモンの原料となる(※6)。甲状腺ホルモンは交感神経を刺激し、代謝アップにつなげてくれるのだ。
脂肪を燃焼させるには、代謝がカギを握っている。代謝が上がれば消費カロリーが増えるのだ。ダイエット成功の道へと導いてくれるだろう。
カルシウムも摂取できる
昆布には牛乳の6倍以上のカルシウムが含まれている。カルシウムは骨や歯などの形成に大きく関わる栄養素だ(※7)。食事制限や特定の食品に偏ったダイエットをしていると、カルシウム不足に陥る恐れがある(※8)。前提として、バランスのいい健康的な食事は大切だが、おしゃぶり昆布を食べるとカルシウムも同時に摂取できるのはうれしいことだ。
2. おしゃぶり昆布をダイエットに取り入れる方法

ここまでで、おしゃぶり昆布がダイエットに役立つことはご理解いただけただろう。では、実際にどのように取り入れたらいいのだろうか。
続いて、おしゃぶり昆布をダイエットに取り入れる方法を紹介しよう。
おやつや間食をおしゃぶり昆布に置き換える
取り入れる方法は実にシンプルだ。おやつや間食をおしゃぶり昆布に置き換えてみよう。低カロリーかつ低糖質、食物繊維が豊富で満腹感を得られるおしゃぶり昆布は、ダイエット中のお菓子にピッタリだ。少し小腹が空いたとき、気軽に食べられるのも魅力である。プレーンな味だけでなく、梅味やキムチ味なども販売されているので、飽きてきたら違う味にチェンジしてみてもいいだろう。
おしゃぶり昆布の一日の適量
おしゃぶり昆布の一日の適量は、1~2g。少ないと感じるかもしれないが、昆布を過剰摂取してしまうと、身体にとって好ましくない影響があるのだ。そのため、摂取量は守るようにしよう。おしゃぶり昆布は商品のサイズにもよるが、1袋10~20gほど入っているので、10分の1くらいが目安だ。
おしゃぶり昆布を食べ過ぎてしまうとどんなリスクがあるのか、次で詳しく説明する。
3. おしゃぶり昆布のダイエットは食べ過ぎに注意

「おしゃぶり昆布は低カロリーで栄養満点なので、ダイエット中でもたくさん食べていいのでは?」と思いがちだろう。しかし、ダイエット中かどうかに関わらず、おしゃぶり昆布の摂取は適正量を守ることが大切だ。
具体的にどんな危険があるのか、詳しく見ていこう。
塩分の過剰摂取
おしゃぶり昆布の食べ過ぎは、塩分の過剰摂取につながる。おしゃぶり昆布には、食べやすいように塩をまぶして味付けされているためだ。プレーンな味に比べ、梅味などはより塩分が多く含まれている傾向にある。
塩分を過剰摂取すると、身体がむくみやすくなってしまう。さらに、高血圧や胃がんなどのリスクも上がるのだ。摂取量を守り、塩分を多く摂りすぎないように注意したい。(※9)
ヨウ素の過剰摂取
塩分と併せて注意したいのが、ヨウ素の過剰摂取だ。ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に必要な栄養素である一方、摂りすぎてしまうと甲状腺ホルモンが生成されなくなり、甲状腺の機能低下を招きかねない。(※10)
日本人の食事摂取基準(2020年度版)によると、ヨウ素の推奨量は、成人の場合一日あたり130μgとされている(※11)。日本人はヨウ素を多く含む海藻や魚介類をよく食べる傾向があるので、普段の食事で十分にヨウ素が足りているそうだ。おしゃぶり昆布の摂取量も適量に留め、ヨウ素の過剰摂取とならないようにしたい。
結論
おしゃぶり昆布は、低カロリーで低糖質なうえ、ダイエットによい効果をもたらす栄養素を豊富に含んでいる。ダイエット中でも気軽に食べられるのも魅力だ。
ただし、食べすぎてしまうと塩分やヨウ素の過剰摂取につながり、健康にも影響を及ぼしかねない。適正量を守りつつ、ダイエットのひとつの方法として取り入れてみてはいかがだろうか。
(参考文献)