目次
- ※1.独立行政法人農畜産業振興機構「メロンの需要動向」 https://www.alic.go.jp/content/000126287.pdf
1. メロンが美味しい時期

メロンの栽培が日本で始まったのは明治時代である。かつてはハウス栽培の実であったメロンは、長らく高級フルーツの筆頭であった。現在は露地栽培のメロンも数多く出回っており、日本で栽培されている品種は少なくない。栽培地や栽培方法によっても、メロンは美味しい時期が異なる。まずは、メロンの一般的な旬について見てみよう。
旬の時期
メロンは栽培において温度調整が難しく、病気にも弱い品種が多い。そのため温室栽培が多く、露地栽培の場合も入念な管理が必要とされている。一般的に、露地栽培のメロンの旬は6月を頂点に5月から7月とされている。盛夏の渇きを癒してくれる果物というわけである。温室栽培の場合は通年で収穫できるため、特に旬は存在しない。
2. メロンの時期と主要産地

メロンは果肉の色によって「青肉」「赤肉」「白肉」の3つに分けられている。またマスクメロンに代表される皮に網目のあるものをネットメロンと呼び、高級品種として販売されていることが多い。メロンの主要生産地は、熊本県や茨城県、静岡県である。また北海道の夕張メロンもよく知られている。各地で栽培されるこれらのメロン、その美味しい時期を見てみよう。
産地ごとの旬
メロンの栽培は、南は九州から北は北海道の各地で行われている。それぞれの地域で栽培されるメロンの品種と美味しい時期について紹介する。
・九州地方
メロンの主要産地である熊本を擁する九州では、栽培品種も多い。また、旬が早いタイプが多いのが特徴である。
クインシー(4月~6月)
プリンス(4月~5月)
肥後グリーン(5月~6月)
アンデス(12月~2月)
・中部地方
中部地方では、静岡県や愛知県でメロンの栽培がさかんである。贈答用の高級品種がほぼ通年で収穫できる。
アールス(7月~8月 / 1月・2月)
・関東地方
熊本県に次いでメロンの生産量が多い茨城県では、この地でのみ栽培される品種もある。
イバラキング(4月~5月)
ルビアレッド(4月~5月)
アンデス(5月~7月)
キンショウ(5月~6月)
・東北地方
東北地方では、山形県と青森県でメロンの栽培が行われている。旬の時期は晩夏の品種が多い。
マリアージュ(7月~8月)
アーマイレッド(7月~9月)
デリシィ(8月)
キスミー(8月~9月)
ハンナ(9月)
・北海道地方
夕張メロンで有名な北海道は、赤肉のメロンが栽培されている。
ルビアレッド(7月~8月)
R-113(7月~10月)
これらのほかにも、全国ではさまざまな種類のメロンが栽培されている。
3. メロンが安くなる時期

品種や生産地によって違いはあるものの、メロンが美味しくなる時期は概して夏である。それでは価格の面では、いつ頃販売されるメロンにメリットがあるのだろうか。農畜産業振興機構の報告を参考に、価格の推移を見てみよう。(※1)
価格の推移
市場におけるメロンの出荷量を見て見ると、東京中央卸売市場では6月が突出して多く、大阪中央卸売市場では7月にピークを迎えている。価格の推移を見ると年によってばらつきはあるものの、メロンの価格が最も下がるのが6月と7月である。つまり、旬の時期と価格の底値は一致しているのである。逆にメロンの値段が高くなるのは、1月と2月である。メロンは旬の季節、夏に購入して食べるのが最も理に適っているといえるだろう。
結論
明治時代以降日本で始まったメロンの栽培。高級品というイメージが強いメロンであるが、近年手ごろな値段で購入できる品種も増えている。メロンは日本各地でさまざまな品種が栽培されているが、美味しくなる時期は概して夏である。価格もその時期のものにメリットがある。品種や産地によって異なるメロンの美味しい時期、ぜひ覚えておきたいものである。
(参考文献)