目次
- 抗酸化作用
- 血液凝固を抑制する作用
- 血液循環を改善する働き
- 血圧の上昇を抑える効能
- 血糖値の上昇を抑制する作用
- ※1.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)種実類/ぎんなん/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=5_05008_7
- ※2※3※5.厚生労働省 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- ※4.小学館日本大百科全書「ビタミン」 https://kotobank.jp/dictionary/nipponica/1701/
- ※6.東京都福祉保健局「ギンナン」 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/dokusou/18.html
- ※7.国立健康・栄養研究所「イチョウ葉エキスの有効性および安全性」 https://www.nibiohn.go.jp/eiken/hn/modules/pico/index.phpcontent_id=306&page=print.html
1. ぎんなんの効能

ぎんなんはイチョウの種子である。10月の中旬から収穫できるぎんなんは、和食でよく使用される食材である。その銀杏に含まれる栄養について、期待できる効能とともに説明する。
栄養と効果効能
生のぎんなん100g当たりに含まれる栄養とその効能について見ていこう。(※1)
・タンパク質 4.7g
ぎんなん100g中には4.7gのタンパク質が含まれている。タンパク質は、筋肉や臓器、ホルモンの機能に不可欠の栄養であり、生命維持のために大きな役割を果たしている。(※2)
・カリウム 710mg
ぎんなんには豊富なカリウムが含まれている。ミネラルのひとつであるカリウムは、人体内の体液に多く存在する物質である。塩分を排出する働きがあるため、塩を摂り過ぎた場合に役に立つ栄養である。(※3)
・β-カロテン 290μg
ぎんなんに含まれるβ-カロテンは、ビタミンAの前駆体である。視覚や聴覚の機能の維持や、皮膚や粘膜の保持に不可欠の栄養である。(※4)
・ビタミンB1 0.28mg
ぎんなんにはビタミンB1も豊富である。ビタミンB1は糖質の代謝に大きな役割を担っている。(※4)
・ビタミンC 23mg
意外かもしれないが、ぎんなんにはビタミンCも存在する。ビタミンCはコラーゲンの生成に必要な栄養であるため、健康や美容には欠かせない要素である。(※4)
・食物繊維 1.6g
日本人に不足しがちな栄養素のひとつ、食物繊維。ぎんなんは食物繊維を内包している。大腸まで到達する食物繊維は腸内環境を整えるだけではなく、コレステロールや血糖値の序章を予防する働きも報告されている。(※5)
ぎんなんには、ミネラルやビタミンをはじめとするさまざまな栄養が含まれているのである。
2. ぎんなんの食べ過ぎは要注意

栄養面で見るべき点が多いぎんなんであるが、食べ過ぎによる弊害もある。美味しいからと度を越した食べ方をすると、健康に害を及ぼす可能性があるのである。その詳細を紹介する。
ぎんなん中毒について
ぎんなんの食べ過ぎによる中毒症状は、嘔吐や痙攣、下痢や呼吸困難を引き起こす可能性がある。ぎんなんのこうした中毒症状は、ビタミンB6によく似た4'-メトキシピリドキシンによってビタミンB6欠乏症となるのが原因とされている。(※6)東京福祉保険局によれば、子どもから大人まで数十個単位のぎんなんを一度に食べた場合の中毒が報告されているという。(※6)ぎんなんは、節度を持った食べ方をする必要がある。また、ぎんなんの実には独特の悪臭があるが、この原因のひとつであるビロボールという物質がアレルギー症状を喚起するケースもあるので注意が必要である。(※6)
3. ぎんなんの葉にも効能がある?

イチョウの種であるぎんなんにさまざまな栄養が含まれていることは前述したとおりであるが、実はイチョウの葉にも健康効果が期待できるとされている。そのメリットを生かしたイチョウ茶は、葉を抽出して作られている。イチョウの葉の栄養について説明する。
イチョウ葉エキス
国立健康・栄養研究所の食品分析によると、イチョウの葉には以下のような効能が認められたという。(※7)
また、同報告書ではヨーロッパにおいてイチョウの葉が記憶機能や脳の機能の改善に寄与したことも記されている。(※7)
これらは個人差があるうえ、イチョウの葉を摂取することでまれに胃腸の不調や頭痛を引き起こす可能性もあることも覚えておこう。(※7)
結論
独特の味わいで和食に使用されることが多いぎんなん。ぎんなんにはミネラルやビタミンをはじめとするさまざまな栄養が含まれており、食べることでそれらの効能を期待できる。ただし、ぎんなんの食べ過ぎは中毒症状を引き起こす可能性もあるため、節度をもって食べる必要がある。ぎんなんはイチョウの種子であるが、葉にもいろいろ効能があることが研究によって明らかになっており注目されている。
(参考文献)