目次
- 皮膚を守る
- アレルギーを抑制する
- 骨を丈夫にする
- 妊娠を維持する
- けがやヤケドの回復を促す
- 成長を促す
- 視覚や味覚、嗅覚を正常にする
- 脱毛を防ぐ
- 前立腺障害を防ぐ
- 精力増強
- 糖尿病を防ぐ
- 身体の酸化を防ぐ
- ※1※2出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「亜鉛」 https://www.orthomolecular.jp/
- ※3※4出典:公益財団法人 長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/
1. 亜鉛と鉄分の飲み合わせは悪い?

最初に亜鉛と鉄分の飲み合わせは悪いのかを紹介する。
亜鉛と鉄分は一緒に摂ると効率が良い
亜鉛とは動物性食品と全粒粉に多く含まれる栄養素だ。働きは生命の維持と細胞の正常な分化に深く関わっている。不足すると、さまざまな不定愁訴の原因になる(※1)。鉄分は肉・魚・野菜に含まれる栄養素だ。細菌・植物・動物のような乳酸菌以外のあらゆる生き物に必要だと考えられている。鉄分を運ぶタンパク質に鉄がひっつくとき、銅が必要であり、亜鉛はヘモグロビンの合成に関係しており、これらのミネラルは一緒に摂取するのが理想だ(※2)。
鉄分を大量に摂ると亜鉛の吸収を妨げる
鉄分のみを大量に摂取すると、亜鉛の吸収が妨げられる。するとほかのミネラルが減少し、利用できる鉄分の量が多くなりそうだが、実はその逆で利用が阻害されるのだ(※2)。亜鉛の吸収を妨げる栄養素は、多量の食物繊維やフィチン酸、リン酸などだ(※1)。
サプリメントでの摂取には注意が必要
亜鉛の摂取は通常の食事では心配ないが、過剰摂取すると健康に悪い影響がある。たとえば亜鉛サプリメントの過剰摂取や、日常的に高濃度の亜鉛を摂るのはNGだ。過剰摂取すると良性の前立腺肥大リスクが増加する可能性がある。また、1日で100㎎の亜鉛サプリメントを毎日摂取したり、10年以上にわたって継続摂取したりすると前立腺がんのリスクが増える可能性があるという。さらに、亜鉛の過剰摂取で銅の吸収阻害による吐き気・銅欠乏・嘔吐腎障害・上腹部痛・免疫障害・消化管過敏症・HDLコレステロールの低下・低銅血症・下痢などのおそれがある(※3)。
2. 亜鉛と鉄分不足は貧血の原因になる

次に亜鉛と鉄分が不足するとどういった症状がおこるのかを紹介しよう。亜鉛不足が続くと1番出やすいのが皮膚症状だ。ほかにも高齢者は味覚障害がよくみられる。しかし近年は子どもと若者の味覚障害が問題になっている。さらに鉄欠乏性貧血や脱毛、食欲不振といった症状がみられる(※1)。スポーツをしてたっぷりの汗をかいたり無理なダイエットをしたりすると、鉄分の供給が間にあわず、貧血になる可能性が高まる(※2)。
3. 亜鉛と鉄分の働きの違い

次に亜鉛と鉄分の働きや効果について紹介しよう。
亜鉛の働きや効果
亜鉛は300種以上もの酵素に関わっており、効果は全身に及ぶ(※1)。亜鉛を摂取することで期待できる効果を紹介しよう。
亜鉛を摂取することで期待できる効果(※1)
逆に不足すると下痢や胃腸障害が起きたり、成長が障害されて低身長になったり、キズの治りが遅くなる(※1)。
鉄分の働きや効果
栄養素の鉄分には2種類あり、ヘム鉄と非ヘム鉄と呼ぶものだ。肉や魚に含まれる鉄分をヘム鉄といい、ほうれん草・ひじき・プルーンのような食材に含まれるものを非ヘム鉄という。ちなみに吸収率がいいのはヘム鉄の方だ(※2)。では鉄分を摂取することで期待できる効果とは?
鉄分を摂取することで期待できる効果
私たち人間は呼吸して吸う酸素により、エネルギーをたくさん作り出している。鉄分は酸素を運ぶトラックの一部となり、全身に運んでいる。また、筋肉の中にいて血液からの酸素を受け取っている。ほかに鉄分は酵素の一部としてエネルギーを作ることや薬の代謝に関係している。逆に鉄分不足になると動悸やめまい、頭痛、肩こりといった症状をひきおこす(※2)。
4. 亜鉛や鉄分の多い食べ物

最後に亜鉛や鉄分を多く含む食べ物を紹介しよう。
亜鉛の多い食べ物
亜鉛を多く含む食べ物を含有量とともに紹介する。
100gあたりに含まれる亜鉛の量(※3)
かき 養殖 生:14.0mg
かたくちいわし 田作り:7.9mg
かぼちゃ いり 味付け:mg
ぶた 肝臓(レバー) 生:6.9mg
ごま いり:5.9mg
うし [交雑牛肉] もも 赤肉 生:4.8mg
うし [交雑牛肉] リブロース 赤肉 生:4.5mg
きな粉 全粒大豆 黄大豆:4.1mg
あまのり 焼きのり:3.6mg
亜鉛を多く含む食べ物は手軽に購入できるものが多い。
鉄分が多い食べ物
鉄分を多く含む食べ物を含有量とともに紹介する。
100gあたりに含まれる鉄分の量(※4)
あおのり 素干し:77.0mg
かわのり 素干し:61.0mg
ほしひじき 鉄釜 乾:58.0mg
いわのり 素干し:48.0mg
あゆ 天然 内臓 生:24.0mg
ぶた スモークレバー:20.mg
かたくちいわし 煮干し:18.0mg
加工品 干しえび:15.0mg
加工品 削り節:9.0mg
にわとり 肝臓(レバー)生:9.0mg
ちなみにヘム鉄が多く含まれているのは動物性タンパク質だ(※2)。
結論
亜鉛と鉄分の関係について紹介した。先述したように亜鉛と鉄分は一緒に摂ると効率がよく、鉄分を大量に摂ると亜鉛の吸収を妨げる。これまで意識していなかった人も、今後は、一緒に食べるように心がけてみてはいかがだろうか。
(参考文献)