- タンパク質(0.6g)
- カリウム(240mg)
- カルシウム(11mg)
- リン(31mg)
- βカロテン(22μg)
- ビタミンB1(0.04mg)
- ビタミンB6(0.08mg)
- 葉酸(25μg)
- 食物繊維(1.1g)
- ※1.茨城大学農学部生物生産科学科「成分と機能性」 http://yacon.agr.ibaraki.ac.jp/network/yacon/seibun.html
- ※2.集英社「情報・知識imidas(フラクトオリゴ糖)」 https://imidas.jp/
- ※3.国立研究開発法人科学技術振興機構「未利用野菜ヤーコンの成分と特徴」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/45/4/45_313/_pdf
- ※4.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)いも及びでん粉類/<いも類>/ヤーコン/塊根/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02054_7
- ※5※6..小学館日本大百科全書 https://kotobank.jp/dictionary/nipponica/
- ※7.厚生労働省「食物繊維の必要性と健康」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
- ※8.茨城大学農学部生物生産科学科「あのシェフが開発したヤーコンレシピ」 http://yacon.agr.ibaraki.ac.jp/network/recipe/recipe.html
- ※9.国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「ヤーコンの収穫時期、貯蔵条件及び加熱処理による機能性成分の変動」 https://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/to-noken/DB/DATA/060/060-223.pdf
1. ヤーコンの効能と有効成分
ヤーコンの原産地は南米のアンデス山脈である。南米ではヤーコンのハーブ茶が民間療法としても用いられている。ヤーコンには実際にはどのような効能があるのか。ヤーコンの栽培や研究を行っている茨城大学農学部生物生産科学科のサイト(※1)を参考に紹介する。
フラクトオリゴ糖
ヤーコンの突出した特徴のひとつとして、フラクトオリゴ糖の含有量があげられる。フラクトオリゴ糖とは、果糖分子にショ糖が結合したものである。コレステロール値の低下やビフィズス菌の増加に役に立つ要素とされている。(※2)フラクトオリゴ糖を含む食材といえばごぼうや玉ねぎが一般的であったが、ヤーコンはこれらの食材と比較すると3倍もの量を有しているのである。
フラクトオリゴ糖は、虫歯になりにくい糖であると同時に、インスリンの分泌や血糖値の上昇との関連が薄いことから、糖尿病の分野からも注目されている。(※1)
ポリフェノール
現在日本で栽培されているヤーコンは数種あるが、いずれの品種においても豊富なポリフェノールの量が確認されている。(※1)ポリフェノールは強力な抗酸化作用があることで知られている。ヤーコンに含まれるポリフェノールは、発がんや動脈硬化の予防の効能が期待されている。(※3)
2. ヤーコンの主な栄養素
生活習慣病の予防に大いに効果がありそうなヤーコン。フラクトオリゴ糖やポリフェノールのほかには、どのような栄養を含んでいるのだろうか。ミネラルやビタミンなど、主要な栄養素の量を見てみよう。
100gあたりの栄養素
文部科学省の食品成分データベースから、生のヤーコン100g当たりの栄養素をリストアップする。(※4)
骨や歯の形成に必須のミネラル成分(※5)、健康や美容のために重要な役割を果たすビタミンB群(※6)、整腸作用やコレステロール値の低下にも寄与する食物繊維(※7)など、ヤーコンの栄養は見るべきものが多い。
3. ヤーコンの効能を活かす食べ方
健康へのメリットが多いヤーコン、その栄養を効率的に摂取するにはどのような食べ方をしたらよいのだろうか。その効能を最大限に生かす食べ方について見てみよう。
下処理は短く
ヤーコンは多少アクを感じる食材でもあるため、調理前に水にさらすことが多い。しかし長時間水にさらすと、水溶性のポリフェノールや食物繊維が水に溶けだしてしまう可能性もある。下処理は手際よく行い、水にさらす時間も短時間にとどめるのが基本である。ヤーコンの美味しい食べ方については、茨城大学のサイトが詳しい(※8)。ぜひ参考にしてほしい。
生でも食べられる
農研機構の報告によると、ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖やポリフェノールの量は、加熱や調理法によって変動するという。(※9)これらを上手に摂取するためには、生で食べるのもひとつの手である。
ヤーコンは生でも食することができるため、サラダにして食べるのもよい。また菓子にもヤーコンの甘さを用いるレシピが多いことから、ヨーグルトに入れて食べるのもおすすめである。和洋中、いずれの味付けともマッチするヤーコンは献立にも組み込みやすい食材なのである。
結論
南米原産のヤーコンは、現代人に必要な栄養を有している食材として脚光を浴びている。1984年に日本に導入されて以降、栽培方法や効能、調理法について各分野がヤーコンに注目しているのである。フラクトオリゴ糖やポリフェノールといったヤーコンが含む栄養、ぜひさまざまなレシピを駆使して美味しく摂取してほしい。
(参考文献)