目次
- ※1出典:文部科学省「魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/びんなが/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10255_7
- ※2※4※5:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所 https://www.orthomolecular.jp/
- ※3出典:一般社団法人 セイラーズ フォー ザ シー 日本支局「該当ページ名:回転寿司でも定番なビントロは疲労回復や高血圧の予防にも効果的!!」 https://sailorsforthesea.jp/beauty/binnaga
1. ビンチョウマグロとはどんなマグロ?

最初にビンチョウマグロとはどんなマグロなのかを紹介しよう。ビンチョウマグロといっても呼び名はさまざまだ。
ビンチョウマグロの特徴
ビンチョウマグロの呼び名
ビンチョウマグロとは、スズキ目サバ科に分類される魚だ。呼び名はさまざまで、とんぼ・ビンナガ・トンボマグロ・ビンチョウ・トロビンチョウなど。胸ビレが非常に長いのが特徴のひとつで、泳ぐ姿がトンボに似ていたり、胸ビレがもみあげに見えたりすることからビンチョウとも呼ぶ。脂がないビンチョウマグロをガリトンやガリビンチョウと呼び、脂のあるものは、ビントロや脂トンボ、脂びんちょうと呼んでいる。
ビンチョウマグロのサイズ
成魚は体長が1m前後と小型で、体重は最大で約40kgに達することがある。一般的に刺身用で流通しているサイズは、10~20kg程度の魚体が多い。体型はほかのマグロと比較すると全体的に丸形だ。
ビンチョウマグロの生態や旬の時期
ビンチョウマグロの旬の時期は冬だ。生態は太平洋・大西洋・インド洋・地中海と分布が広い。日本では紀伊半島で水揚げされる近海物のビンチョウをはじめ、北太平洋の日付変更線近くの東沖では1本釣り漁船で漁獲される冷凍のトンボマグロが有名だ。餌はオキアミ・イカ・エビ・アジ・イワシのような小魚を捕食する。
ビンチョウマグロの味の特徴
ビンチョウマグロは白に近いピンク色の肉質だ。欧米ではツナ缶の材料として使われる大衆的なマグロである。近年は脂がのった身の食感がトロに近いためビントロという寿司ネタとして人気だ。量販店で安い価格で購入できるのが魅力のひとつだ。
ビンチョウマグロと他のマグロの違い
ビンチョウマグロはマグロの中では最も小型だ。ほかのマグロと識別する方法は簡単で、胸ビレが長いのがビンチョウマグロだ。
2. ビンチョウマグロのおすすめの食べ方

次にビンチョウマグロの美味しい食べ方を紹介しよう。
ビンチョウマグロのカルパッチョ
ビンチョウマグロの美味しい食べ方のひとつがカルパッチョだ。あまり脂がのっていないビンチョウマグロを薄く切るだけの簡単調理。野菜やハーブを一緒に盛り付けると、見ためが美しくパーティー料理におすすめだ。
ビンチョウマグロのステーキ
ビンチョウマグロはソテーしてステーキにすると美味しい。表面をこんがりと焼き、バターしょうゆでコクのある味に調理してもいいし、ポン酢でサッパリと食べるのもありだ。刺身で食べることが多いが、ひと味違うビンチョウマグロ料理に挑戦するのもおすすめ。
ビンチョウマグロの竜田揚げ
竜田揚げはビンチョウマグロの血合いのまわりを切り、調味料に漬けて揚げるだけだ。少し淡泊なので味付けは濃いめがおすすめ。
ビンチョウマグロの刺身
シンプルに美味しく味わうなら、刺身で食べるのもおすすめだ。そのまましょうゆで食べても美味しいが、ごはんの上にすりおろした山芋をかけてトッピングするのもおすすめ。
ビンチョウマグロの味噌汁
ビンチョウマグロを切り落として血合いの部分と腹骨を昆布出汁で煮る味噌汁もおすすめ料理のひとつだ。簡単に作れるうえ、とにかく美味しい。
ビンチョウマグロの魚すき
脂がのった部分をすき焼きのように味付けて食べる料理だ。ちなみに島根県の大田市では、この魚すきにこんにゃくを加えるのが特徴で、しっかり煮込むと美味しい。
3. ビンチョウマグロの栄養素とカロリー

最後にビンチョウマグロに含まれる栄養素や効果、カロリーを紹介しよう。
100gあたりに含まれるビンチョウマグロの栄養素(※1)
タンパク質:26.0g
ビタミンB1:0.13mg
ビタミンB2:0.10mg
ビタミンB6:0.94mg
ビタミンB12:2.8μg
ビタミンC:1mg
タンパク質は血管や血液、酵素を作る働きがある(※2)。ビタミンB1は、糖質の代謝を助けてエネルギーを作り、疲労回復に役立つ効果が期待できる。ビタミンB2は、細胞の新陳代謝を促して皮膚と粘膜の機能維持に役立つ。ビタミンB6は、皮膚と粘膜の健康維持を助けて、脳神経が正常に働くのに役立つ(※3)。ビタミンB12は、葉酸と一緒に摂取すると脳の発育を助け、神経を守って正常な働きを維持する(※4)。ビタミンCは、コラーゲンを作り免疫力を高める働きがある(※5)。
結論
ビンチョウマグロの特徴や生態、おすすめの食べ方、含まれる栄養素を紹介した。先述したようにマグロの中でも胸ビレが長いのが特徴のひとつだ。刺身で食べるのはもちろん、カルパッチョや味噌汁、魚すきなど、いろいろな調理法で味わうのもおすすめ。
(参考文献)