目次
- ※1〜※5:食品成分データ「いも及びでん粉類/<いも類>/(やまのいも類)/ https://fooddb.mext.go.jp/
1. 山芋の種類と特徴一覧

山芋という名前の芋は実は存在しない。山芋とは「ヤマノイモ科」を総称する言葉である。ヤマノイモ科ヤマノイモ属は、長芋を中心とした「ナガイモ種」と自然薯を中心とした「ヤマノイモ種」に分けることができる。ここでは山芋と呼ばれる芋のなかでもポピュラーなものをご紹介していこう。
山芋の種類1:長芋
山芋のなかでも流通量が多いのが、ナガイモ種ナガイモ群である。そのなかでももっともポピュラーなものがこの長芋である。
円筒形でその名の通り、長いフォルムが特徴だ。山芋のなかでは水分量が多めで、千切りにするとサクサクとした食感を楽しむことができる。
山芋の種類2:自然薯
ヤマノイモ種に属する自然薯は、山や野に生える自生種である。生産に手間がかかること、天然物を掘り起こすのが非常に難しいことから、高級品として扱われている。
ごぼうを太くしたような見た目で、自然のものはクネクネとしている。ほかの山芋に比べて水分量が少なく、そのぶん粘りが非常に強い。
山芋の種類3:大和芋
ナガイモ種ツクネイモ属にあたるのが大和芋である。ヤマノイモと呼ばれることもある。関東圏ではツクネイモと呼ばれている。
丸みを帯びたフォルムが特徴で関西地方に産地が多い。こちらも粘りが強く、その美味しさは自然薯にも並ぶとされている。水分も少ないのでそのまま揚げ物にすると餅のような食感になって旨い。和菓子に使われることも多い。
山芋の種類4:イチョウ芋
ナガイモ種イチョウイモ属に当たるのがイチョウ芋である。関東圏ではこのイチョウ芋のことを大和芋と呼ぶことがある。
その名の通り扇形に広がったフォルムで、その姿はまるで銀杏の葉っぱのよう。特に関東圏で人気が高く、バランスのよい粘りが特徴である。
山芋の種類5:ダイジョ
ヤム芋の一種であるダイジョは台湾から沖縄、そして九州に広まったとされていることから、台湾山芋とも呼ばれている。
大型のフォルムが特徴で、非常に強い粘りがある。白色タイプと紫色タイプがあるのも特徴だ。沖縄県では紫色のタイプが主流だ。
山芋の種類6:むかご
むかごは上記のようなヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物蔓になる肉芽のことである。すなわち、芋の種とも言える存在だ。
ほっくりとした食感が特徴で、秋の味覚のひとつに数えられる。ごはんと一緒に炊き上げたり、塩茹でにしたりすると旨い。
2. 特徴ごとの山芋の種類

一口に山芋といってもさまざまな種類があることがわかった。ここでは特徴に合わせた山芋の使い方、種類について解説をしていこう。
とろろ向きの山芋の種類
すりおろしてとろろにするのに向いているのは、自然薯や大和芋、イチョウ芋など粘りが強い山芋だ。金属製のおろし金ですりおろすと酵素が反応して変色する可能性がある。プラスチック製を使うか、すり鉢でおろすのがおすすめだ。
家庭栽培向きの山芋の種類
家庭菜園の場合、あまり大きな品種は向いていない。大和芋やイチョウ芋などプランターでも育てやすいものを選ぶといい。長芋はある程度、広さのある畑であれば育てることもできる。
3. 山芋の種類ごとの栄養の違い

山芋は栄養豊富なことで知られている。なかでもカリウムが豊富であるとされている。そのほかにもビタミンが含まれていること、さらに食物繊維を含んでいることなどから身体にいいとされているのだ(※1)。
長芋
カロリー:64kcal
カリウム:430mg
ビタミンB1:0.10mg
ビタミンB6:0.09mg
葉酸:8μg
ビタミンC:6mg(※1)
自然薯
カロリー:118kcal
カリウム:550mg
ビタミンB1:0.11mg
ビタミンB6:0.18mg
葉酸:29μg
ビタミンC:15mg(※2)
大和芋
カロリー:119kcal
カリウム:590mg
ビタミンB1:0.13mg
ビタミンB6:0.14mg
葉酸:6μg
ビタミンC:5mg(※3)
イチョウ芋
カロリー:108kcal
カリウム:590mg
ビタミンB1:0.15mg
ビタミンB6:0.11mg
葉酸:13μg
ビタミンC:7mg(※4)
ダイジョ
カロリー:102kcal
カリウム:490mg
ビタミンB1:0.10mg
ビタミンB6:0.28mg
葉酸:24μg
ビタミンC:17mg(※5)
結論
山芋はヤマノイモ科に属する芋を総称する言葉である。スーパーで広く見かける長芋をはじめ、自然薯、大和芋、イチョウ芋、ダイジョなどがある。これらの種とも言えるのが肉芽であるむかごだ。それぞれ粘り気や栄養価などに違いがあるので、特徴を捉えて使い分けたい。
(参考文献)