目次
- 1. パスタは消化に悪いって本当?
- 2. 風邪や胃腸炎に消化に悪いパスタはNG
- 3. パスタを消化にいい食べ物にするコツ
- 4. パスタの消化不良で起こる体の不調
- 5. 胃腸に負担が少ない消化にいいパスタ
- 鮭とほうれん草の豆乳クリームパスタ
- 鶏ささみとトマトの煮込みパスタ
- キャベツと牡蠣のスープパスタ
- しらすと春菊の和風パスタ
- 半熟卵とブロッコリーのパスタ
- ※1出典:出典:医療法人社団いとう内科・胃腸科「消化に良い食事」 https://itonaika.jp/knowledge/467.html
- ※2出典:医療法人社団一友会ナチュラルクリニック代々木「腸内改善のポイント-グルテン-」 https://www.natural-c.com/blog/2019/11/post-212-709094.html
- ※3出典:公益財団法人日本食肉消費総合センター「脂肪はどのように消化・吸収される?」 http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui3/q_054.html
- ※4出典:独立行政法人農畜産業振興機構「でん粉の麺用途における最近の動向」 https://www.alic.go.jp/joho-d/joho07_000031.html
- ※5出典:東京都病院経営本部「消化がよい食品・料理は?」 https://www.byouin.metro.tokyo.lg.jp/shouni/section/pdf/eiyou/eiyou_syouka.pdf
- ※6出典:一般財団法人 脳神経疾患研究所附属 総合南東北病院「胃のSOSを見逃さないで!」 https://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/201211/homeclinic.html
- ※7出典:ほりた内科・胃腸内視鏡クリニック「過敏性腸症候群(IBS)とグルテンフリー食」 https://horita-naika.com/
1. パスタは消化に悪いって本当?

パスタが消化にいいかどうかは、消化時間が早いか遅いかで決まる。パスタは消化に悪いのだろうか。
パスタの消化には時間がかかる?
パスタは穀類のなかで、消化に時間のかかる食品とされている。消化にいいのは軟飯や食パン、うどん、そうめんなどである。うどんやそうめんと比較すると、同じ麺類でもパスタやラーメン、焼きそば、そばなどは消化に悪い食品なのだ。(※1)
パスタはグルテンが多く消化しにくい
パスタは弾力のある麺が特徴だが、その特有の食感のもととなるグルテンが、消化吸収を妨げる原因となっている。グルテンは、小麦に水分を加えたときにたんぱく質と水分が結びついてできる成分だ。粘り気が強く網目状に絡んだ構造をしているため、消化しにくいのである。(※2)
パスタには油を多用する
パスタには油脂を多く使いがちだが、脂質の多い食品は消化に悪い。脂質は消化がはじまるのが遅く、分解・吸収されるまでのプロセスが長いからだ。パスタの麺だけでなく、脂質の多さも消化に悪い理由なのである。(※3)
2. 風邪や胃腸炎に消化に悪いパスタはNG

パスタは消化吸収に時間がかかり、胃腸の健康状態が良好であっても消化されにくい食品である。そのため、胃腸が弱っているときに食べると、負担をかけてしまう。風邪や胃腸炎などで消化機能が低下している場合は、消化によいものを食べることが推奨されている。パスタを食べると消化できず、下痢などの症状を悪化させてしまう。胃腸の具合が悪いときはパスタではなく、軟飯やうどんなど消化にいい食べ物を選ぼう。(※1)
3. パスタを消化にいい食べ物にするコツ

パスタは消化に悪い食べ物だが、調理方法や食べ方を工夫することで改善できる。少しでも消化しやすくするために、下記のコツを実践してみよう。
固めではなくしっかり茹でる
パスタには小麦でんぷんが含まれる。乾麺を茹でると、小麦でんぷんが消化吸収の悪い粒子の状態から水を含みやわらかく変化する。茹で時間が長くなるほど、でんぷんの粒子が膨潤し糊化するため消化によくなる。(※4)
固めに茹でるよりも時間をかけて茹でたほうが、でんぷんの粒がやわらかくなり消化によいのだ。胃腸に負担をかけたくない場合はやわらかくなるまで火を通すことが推奨されているため、茹ですぎるくらいでもよいだろう(※1)。
沸騰したお湯で茹でる
小麦でんぷんは加熱により糊化することで消化されやすい状態になるが(※4)、パスタを茹でるお湯がぬるいと十分に糊化できない。糊化を促し消化にいい状態にするには高温で加熱する必要があるため、パスタは必ず沸騰したお湯で茹でよう。
温かいパスタを食べる
パスタに含まれる小麦でんぷんは、茹でることで糊化し消化によくなる。しかし、冷めると糊化したでんぷんが老化し硬くなってしまう。(※4)
老化したでんぷんは消化に悪いため、茹でたパスタは温かいうちに食べよう。
しっかり噛んで食べる
食べ物は細かくした状態で食べたほうが消化しやすい(※1)。パスタのように細かく切ることが難しい食べ物の場合は、口に入れたあとよく噛んでから飲み込めばよい。口のなかで細かくすることで、より消化しやすくなる。
消化にいい具材を合わせる
下記のように、消化にいい食品と悪い食品がある。脂質や食物繊維の多い食品は避け、消化されやすいものをパスタの具材に選ぼう。(※1、5)
消化されやすい食品例
白身魚、鶏ささみ肉、ナス、トマト(皮なし)、白菜、玉ねぎ、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ
消化されにくい食品例
バラ肉、ウインナー、青魚、きのこ、たけのこ、ごぼう、れんこん、にら、セロリ、とうもろこし
4. パスタの消化不良で起こる体の不調

パスタが原因で消化不良となった場合、胃もたれや食欲不振、ゲップ、吐き気、下痢などが起こることがある(※1、6)
また、人によってはパスタに含まれるグルテンを消化できない場合もある。グルテン不耐症状やグルテン過敏症と呼ばれ、グルテンを含む食品を食べると腹痛や下痢などの症状が出る。また、セリアック病や小麦アレルギーなどが原因となるケースもあるため、パスタを食べると不調が起きやすい場合は、受診してみるのも一つの方法だ。(※7)
5. 胃腸に負担が少ない消化にいいパスタ

消化しやすい食品(※1、5)を組み合わせた、おすすめのパスタを紹介する。
結論
パスタは麺にグルテンが含まれており、油脂も多くなりがちなため、穀類のなかでは消化されにくい食品である。しかし、沸騰したお湯でやわらかめに茹でたり、消化にいい具材を組み合わせたりすることで、消化の悪さは軽減される。消化不良にならないよう気を付けながら、調理や食べ方を工夫してパスタを楽しもう。
(参考文献)