1. ぶどうの黄緑系品種
まず、紹介するのは黄緑色系のぶどうの品種だ。ぶどうといえば紫のイメージが強いが、最近は新しい品種の登場もあり人気が高まっている。黄緑色系のぶどうにはどんな特徴があるのか、またどんな種類があるのかを紹介する。
爽やかさがある品種
黄緑色系の品種は爽やかな香りが特徴的だ。渋みが少なくさっぱりとした味わいを楽しめる。
・シャインマスカット
皮ごと食べられるぶどうとして人気を得た品種だ。シャインマスカットの粒は大きく、瑞々しさをしっかりと堪能できる。また、糖度も高いので甘みもしっかりと感じられる。種なしで食べやすい点も嬉しい。
・ナイアガラ
ナイアガラはその名の通り、アメリカ生まれのぶどうだ。日本では北海道や長野県で栽培されている。種周辺は酸味があるが、糖度が高いためしっかりと甘みを感じられる。皮が厚いため、剥いて食べなければならないがツルンと剥けるため食べやすい。
・ロザリオ・ビアンコ
山梨県生まれの品種で、現在も山梨県が主産地となっている。種があるが、皮が薄いためそのまま食べられる。爽やかな香りとまろやかな甘みが特徴的で、シャインマスカットと同じく人気のある品種だ。
・マスカット・オブ・アレキサンドリア
黄緑色系のぶどうはマスカットとも呼ばれるが、日本でマスカットといえばこの品種を指すのが一般的だ。種が入っているものの、皮が薄めのため皮ごと食べることもできる。酸味と甘みのバランスがよく、上品な味わいを楽しめる。
2. ぶどうの赤系品種
次に紹介するのは赤系のぶどうの品種だ。どちらかというと紫色にも見えるが、赤系品種とされている。ぶどうと聞くと赤系品種を思い浮かべる人も多いだろう。ここでは、赤系のぶどうの特徴と種類について紹介する。
酸味が程よい品種
赤系ぶどうの最大の特徴は酸味が少ないことだ。だからといって酸味がまったくないわけではなく、甘みと程よい酸味の両方を楽しめる。
・デラウェア
赤系のぶどうの代表格といえばデラウェアだろう。粒は小さいが、強い甘みと程よい酸味で後味がさっぱりとしている。種がないため、皮から出せばそのまま一口で食べられる。さまざまな品種のぶどうが出ているが、定番のぶどうとして今も親しまれている。
・赤嶺(せきれい)
山梨県で発見された品種で、鮮やかな赤色の皮が特徴的だ。しっかりとした甘みと程よい酸味のバランスがよく、ついつい手がのびてしまう。皮は薄めなのでそのまま食べることもできるが、口に残るため気になる人は剥いて食べたほうがよい。
・クイーンニーナ
大粒の実が特徴的なぶどうだ。実が硬く引き締まっているため、食べごたえがある。ほかの赤系品種のぶどうよりも酸味が少ないため、甘みを強く感じる。皮は薄いので、そのままでも食べることができる。
・ルビーロマン
石川県で誕生した品種で、現在も石川県でしか栽培されていない。実はとくに大粒で、大きいものだとピンポン玉くらいの大きさになる。酸味がほとんどなく、濃厚な甘みを堪能できる。種ありと種なしの2種類がある。
3. ぶどうの黒系品種
ぶどうといえば、黒系品種を思い浮かべる人も多いだろう。黒い食材は食欲がそそられないように思えるが、黒いぶどうは見ているだけで食べたくなる。ここでは、黒系ぶどうのもつ特徴とその種類について紹介する。
コクのある品種
黒系ぶどうはコクと味わい深さがある。一般的に黒系ぶどうは暖かい地域だと着色不良を起こしやすくなるため、栽培が難しい。しかし、近年の品種改良によって高温下でも黒くなるぶどうが誕生している。
・巨峰
黒系ぶどうの代表格といえば巨峰だ。その名の通り、大きい実が特徴でジューシーな味わいを楽しめる。日本人に好まれる味で、その人気は衰えない。もともとは種があったが、最近の巨峰は種なし処理をされていることが多い。
・ピオーネ
巨峰とマスカットの交配によって誕生した品種で、上品な味わいが特徴的だ。実は大きく一見すると巨峰のようだが、マスカットのような爽やかな香りが漂う。巨峰と同じく種ありが一般的だったが、最近は種なし処理されているものも流通している。
・キャンベル・アーリー
アメリカ生まれの品種で、実はやや小粒だ。ほかの黒系ぶどうと比べると酸味がしっかりとあり、さっぱりとした味わいだ。そのまま食べるのはもちろん、ジュースやワインの原料としても使われる。
・藤稔(ふじみのり)
大きな実が特徴的で、大きいものはピンポン玉ほどの大きさになる。果汁が多く甘みも強いため、濃厚な味わいを楽しめる。皮が厚いため剥いて食べる必要があるが、簡単に剥けるため食べやすい。
4. ワインに使われるぶどうの品種
ワインといえば海外のイメージが強いかもしれないが、日本国内でも山梨県や長野県でワイン造りが行われている。日本ワインとして売られているものは国産ぶどうを使い、国内で製造されたものに限られる。ここでは、ワイン造りに使われるぶどうの種類について紹介する。
ワイン原料用のぶどう
日本国内でワイン用に栽培されているぶどうはわずか1割しかない。ワイン用に作られているぶどうは少ないが、なかには生食用とワイン用の両方で作られているものもある。
・甲州
白ワインの原料として使われることが多い品種だ。生食としても栽培されているが、ほとんどはワイン造りに使われている。甲州は歴史が古く、鎌倉時代に栽培が始まったといわれている。2013年にDNA解析が行われ、ヨーロッパ系の品種と中国の野生種の交雑で誕生したものであることが判明した。甲州から造られたワインは軽やかな辛口ワインとなる。
・シャルドネ
白ワイン用のぶどうとして世界で愛されている品種だ。日本でも北海道や長野県で栽培されている。果実味と酸味のバランスがよいため、シャルドネで造ったワインはフルーティーな味わいが楽しめる。
・メルロー
赤ワインの原料として使われる品種だ。メルローで造られたワインは果実の香りや甘みを楽しむことができ、まろやかな味わいを堪能できる。渋みがあるが、果実味が中心となっているのでワイン初心者でも飲みやすい。
結論
爽やかな香りを楽しみたいなら黄緑系、程よい酸味を楽しみたいなら赤系、コクを楽しみたいなら黒系品種のぶどうを選ぶとよい。ただし、ここで出した特徴はあくまでぶどうの一側面なので、実際に食べてお気に入りのぶどうを見つけてみよう。