目次
- 春子:身が締まっている、旨みがある
- 秋子:香り高い、とくに鍋物用として多く出回る
- 原木栽培:群馬県、茨城県、栃木県など
- 菌床栽培:徳島県、岩手県、北海道など
- カサの形状:肉厚でまるっこく、開ききっていないもの
- カサの色:表面が薄茶色でムラやシミがないもの
- カサの裏側:ヒダが白くハリがあり、変色や傷がないもの
- 軸:太いもの
- そのほか:水っぽくなく乾燥しているもの(袋やパック入りの場合は水滴がついていないもの)
- ※1出典:独立行政法人農畜産業振興機構 「今月の野菜 生しいたけ」 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0910_yasai1.html
- ※2出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンDの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-d.html
1. しいたけの旬の時期

通年出回るしいたけだが、本来は年に2回旬が訪れる。天然ものや露地栽培で育てられたしいたけの旬は、3~5月頃の春と、9~11月頃の秋である。
春子と秋子
春に収穫されるしいたけは「春子」、秋に収穫されるしいたけは「秋子」と呼ばれる。それぞれの季節により、下記のように違った特徴をもつ。
いずれのしいたけも北海道から九州地方まで広く栽培されており、細かい収穫時期は地域によっても異なる。
2. しいたけの主な産地

しいたけは全国で栽培されている。主な産地は栽培方法やしいたけの種類によっても異なる。詳しく見ていこう。
栽培方法と産地
しいたけの栽培方法は主に「原木栽培」と「菌床栽培」の2種類である。
原木栽培
原木に自生するしいたけの生態に合わせ、伐採した原木に人工的に菌を植え付ける栽培方法である。野生に近い方法で育つためしいたけの食味は優れるが、効率面は菌床栽培に劣る。
菌床栽培
おがくずと米ぬかなどを合わせた培地に菌を植え付ける栽培方法である。原木栽培よりも効率よく栽培できるため、現在はしいたけ栽培の8割近くを占めるといわれる。
菌床栽培は、さらに自然栽培型(露地のような自然条件下で発生させる)と施設栽培型(空調施設内で培養し発生させる)に大きく分けられる。
主な産地
干ししいたけの産地
生しいたけはさまざまな地域で栽培されており、生産量も特定の地域に偏っているわけではない。一方、しいたけを乾燥させた干ししいたけは、大分県と宮崎県の2県でとくに多く生産される。
3. しいたけが旬の時期に選ぶ方法

より美味しいしいたけを食べるには、旬のもののなかでもとくに鮮度のよいものを選びたい。そこで、新鮮で質のよいしいたけの選び方を紹介する。
選び方のポイント
鮮度のよいしいたけの特徴は、下記の通りだ。
しいたけは鮮度が落ちるとカサが開いてくる。カサが開ききったものは、傷みやすく食感も悪いため避けたほうがよい。カサの裏側が赤みがかった色になったものも、鮮度が落ちている。また、しいたけは水分に弱く、傷みの原因になるため、水滴が付いているものや湿っぽいものは避けよう。袋やパック入りのものは購入後容器から取り出して、新聞紙やキッチンペーパーで包み、袋に入れて冷蔵保存すると長持ちする。
4. 旬のしいたけを調理するポイント

旬のしいたけは味がよく、焼き物や炒め物、炊き込みごはん、汁物、鍋料理などさまざまな食べ方を楽しめる。また、少しの工夫でしいたけの栄養素をより効率的に摂取することができる。
ビタミンDの含有量を上げる
ビタミンDは、しいたけに含まれる代表的な栄養素である。カルシウムと併せて摂取すると、カルシウムの吸収を促し骨や歯の健康維持に役立つ。このビタミンDは、しいたけを天日干しすることで含有量が上がる。さらに、旨み成分が生じ風味もよくなる。しいたけを30分~1時間程度天日干してから調理するのがおすすめだ。カサを下にして裏側のヒダの部分に日光が当たるようにするのがポイントである。(※1、2)
吸収もアップ
さらに、ビタミンDは脂溶性の栄養素のため、油とともに摂取すると吸収されやすくなる。そこで、炒め物や揚げ物など油を使った調理でしいたけを食べると、ビタミンDを効率よく利用することができる。(※1、2)
結論
しいたけは通年出回るが、原木栽培や自然栽培型の菌床栽培(露地栽培)で育つものは、主に春と秋の年2回が旬となる。季節によりしいたけの特徴にも違いがあり、春採れの春子は身の締まりがよく、秋採れの秋子は香り高い。鮮度のよいしいたけを選んだら、なるべく早く食べよう。軽く天日干ししてから調理すれば、栄養もより多く摂取できる。
(参考文献)