目次
- ※1※2出典:文部科学省 https://fooddb.mext.go.jp/
- ※3※9出典:一般社団法人日本ヘルスケアサプリメント協会 https://www.jhcsa.jp/
- ※4出典:医療法人社団 優医会 有楽町皮膚科「ビタミンCとは?」 https://my-hifuka.com/products/vitaminc/
- ※5出典:一般社団法人日本ヘルスケアサプリメント協会「食物繊維」 https://www.jhcsa.jp/seibun-search/sa/dietary-fiber/
- ※6〜※8出典:一般社団法人青森県りんご対策協議会 https://www.aomori-ringo.or.jp/
- ※10出典:農林水産省「果物と健康」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/attach/pdf/iyfv-53.pdf
1. りんごの栄養素

最初にりんごに含まれる100gあたりの栄養素を皮なしと皮付きで解説する。
100gあたりの栄養素
皮なしりんご100gあたりに含まれる栄養素(※1)
タンパク質:0.1g
炭水化物:15.5g
カリウム:120mg
リン:12mg
葉酸:2μg
ビタミンC:4mg
食物繊維:1.4g
糖質:14.1g
皮付きりんご100gあたりに含まれる栄養素(※1)
タンパク質:0.2g
炭水化物:16.2g
カリウム:120mg
リン:12mg
葉酸:3μg
ビタミンC:6mg
食物繊維:1.9g
糖質:14.3g
皮なしより皮付きのほうが、栄養素の量が多いものがあることがわかるだろう。
2. りんごの栄養と効果効能

イギリスに1日1個のりんごは医者を遠ざけるということわざがあるほどだ。りんごは身体によいといわれているが、含まれる栄養素を食べると、どういった効果が期待できるのだろうか。
カリウム
りんごに含まれる栄養素のひとつがカリウムだ(※1、2)。摂取することでナトリウムの排出を促進する効果が期待できる。食事から摂ることはむずかしくない成分だが、食生活の変化とナトリウム摂取量の増加が原因で、近年不足しがちなミネラルである。ほかに期待できる効果はむくみを予防したり改善したり、筋肉を正常に保つ働きがある(※3)。
ビタミンC
りんごに含まれる栄養素のビタミンCは美肌成分の代表といわれており、体内では作れない成分だ。摂取することで期待できる効果はメラニンの生成抑制をはじめ、コラーゲンの産生の促進や、シミ・シワの改善など。とくに紫外線が影響する光老化の予防・改善効果を示すと報告されている。 ほかにメラニン色素の沈着を防ぐため。ニキビやニキビ跡の改善が期待できる(※1、2、4)。
食物繊維
りんごに含まれる食物繊維は第6の栄養素と呼ばれる成分だ。摂取することで期待できる効果は腸内環境を整えたり、コレステロール値を下げたり、糖尿病を予防したり、高血圧を予防する(※1、2、5)。
ポリフェノール
りんごに含まれる成分のひとつがポリフェノールだ。リンゴポリフェノールは、さまざまなポリフェノール類で構成されているが、全体の半分以上をプロシアニジンが占めている。プロシアニジンの特徴は高い抗酸化力だ(※6)。摂取すると色素沈着抑制や炎症で肌が赤くなる症状に対して効果が認められている(※7)。
りんご酸
りんごの中にはリンゴ酸のような有機酸が含まれており、貧血の予防に効果が期待できる(※8)。
ペクチン
ペクチンとは、りんごに含まれる食物繊維の一種だ。水溶性と不溶性があり、コレステロール値や血糖値の低下、便秘・下痢を解消する効果が期待できる(※9)。
3. 甘いりんごは太る?

先述したようにりんごには糖質が約14g含まれており、食べ過ぎると太るのでは?と思う人もいるかもしれない。甘いりんごを食べると太ってしまうのだろうか。
果糖と肥満の関係
りんごのような果物は甘いため、糖分が多くて高エネルギーと思われがちだ。果物を食べると太ると思っている人がいるようだが、これは大きな誤解である。果物は糖質を含んでおり、摂取量が増えるとエネルギー増加と関連する。そのため肥満と関係する可能性も考えられるが、基本的にデンプンも砂糖も同じ炭水化物で、同量ならエネルギーに大きな差はない。したがって食事全体の総エネルギーの摂取量に変化がなければ、りんごのような果物の摂取量を増やしても肥満につながることはない(※10)。
1日の摂取量について
りんごのような果物は生活習慣病に対して高い予防効果があると、国内外の研究で明らかになっている。生産・流通・消費の関係団体をはじめ医学・農学・栄養学・食生活指導・料理の関係者から構成されている果物のある食生活推進協議会は「毎日くだもの200グラム運動」を推進している。りんごは1個が200gだ。1日にりんごを1個食べるのがおすすめ。ちなみに日本糖尿病学会は糖尿病を患っている人のりんごの摂取量について150g(中1/2個)を勧めている(※10)。
結論
りんごに含まれる栄養素と食べることで期待できる効能効果を紹介した。先述したようにりんごにはカリウムやビタミンC、食物繊維、ポリフェノールといった栄養素を含んでおり、食べることでさまざまな効能効果が期待できるのだ。
(参考文献)