いちごの種類と特徴！甘い品種やいろいろな食べ方を紹介

甘いフルーツの代表格であるいちごは、園芸学のカテゴリー分けでは野菜に属することをご存じだろうか。その理由について説明する。

園芸学における果物とは、木になるものを指す。草からなる実については、野菜に分類される。いちごは樹木ではなく、草本性であることから厳密には野菜に属するのである。農林水産省の分類も、これを踏襲している。しかし実際には果物として食されることから、果実的野菜と称されるのである。

いちごが日本に到来したのは江戸時代末期とされている。現在では日本各地で栽培の技術が進み、いちごの種類も非常に増えた。話題性に事欠かない斬新な品種も含めて、主ないちごの種類について紹介する。

農林水産省によれば、日本は世界に冠たる生食のいちご消費国であり、その品種は300種に及ぶという。甘い果物の中でも特に人気を誇るいちご、主な品種とその特徴について見てみよう。

・とちおとめ

いちごの生産量が日本一の栃木県を中心に、関東地方で栽培されている主要品種がとちおとめである。1996年に栃木県で誕生したとちおとめは、サイズが大きく形もよく日持ちがよいことから人気がある。酸味と甘みのバランスがよいことでも知られている。

・あまおう

いちごの生産量が栃木県に次いでさかんな福岡県には、あまおうという品種がある。あまおうは2005年に登場したもので、「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとって命名された。外観は赤が濃く艶やかである。甘みはたっぷり、ほどよい酸味が魅力的だ。

・紅ほっぺ

久能山の石垣いちごが有名な静岡県。静岡県産でよく知られた品種には、紅ほっぺがあげられる。2002年に、「章姫」と「さちのか」の交配から開発された。果実の中まで赤く、食味が良いいちごである。

・いちごさん

2018年に世に出た新しい品種いちごさん。福岡県と並び九州ではいちごの生産量が多い佐賀県で栽培される品種である。三角錐のような理想的な形状、果汁のみずみずしさで人気がある。

・スカイベリー

栃木県の高級品種といえば、2014年に誕生したスカイベリーである。サイズが大きく形もよいスカイベリーは、上品な甘さで高級品種の名に恥じないといわれている。

・ミルキーベリー

近年話題になった白いいちご。いちごの生産量日本一の栃木県では、ミルキーベリーという白いいちごが栽培されている。同じく栃木産のスカイベリーと双璧を成す高級いちごとして登場したものである。優しい芳香と滑らかな味わいが特徴である。

生で食べても充分に美味しいいちごであるが、ジャムやアイスクリーム、ケーキなどに使用されることも非常に多い。さらには、甘いいちごを野菜とみなして料理に活用する方法もある。いちごのさまざまな食べ方、いくつかのアイデアを紹介する。

いちごの酸味や甘みは、生食だけではなくお菓子にはもってこいの要素である。しかしその特徴は料理にも活用できるのである。たとえばいちごをスパイシーなカレーに合わせたり、ピザにトッピングしたりするレシピもある。海外に目を向けると、肉料理にいちごのソースを付け合わせたり、サラダに加えたりするところもある。ワインビネガーやレモンにも、いちごの風味はよくマッチするという。またバターとの相性も悪くないため、日本ではいちごとバターのペーストが商品化されているほか、海外ではいちご風味のリゾットも存在する。

外観も味も最上級の果物として人気のいちごは、園芸学では野菜に属している。日本は特にいちごを愛する国であり、その種類も非常に多い。各地で品種改良されたいちごは、さらに甘くさらに美しくなってわれわれの視覚や味覚を楽しませてくれる。こうした種類の多いいちごの特徴をいかして、ぜひさまざまな料理にも挑戦してみてほしい。