目次
1. ベリーの種類に定義はある?

ベリーという言葉は日常生活に浸透しているとはいえ、実際にはどのような果物を指すのだろうか。まずはベリーの定義から見ていこう。
意味と定義
世界大百科事典によれば、ベリーとは本来「水分の多い肉質の柔らかい組織となり、熟しても裂けず、やや堅い種子をもつもの」を指すという。園芸学的に見れば、ぶどうやリンゴもベリーに属しているが、一般的には液果と呼ばれる果肉の柔らかい水分の多い果実の呼称となっている。一方で、集合果のキイチゴや偽果のいちごのように、正確には液果に属さない果物もベリーと呼ばれることがある。ベリーは元をたどれば英語で「Berry」と表記する。英和辞典には「液果」「漿果」と説明されている。日本の農林水産省はベリーについて「多年生植物あるいは低木になる小粒果実類」としている。
2. ベリーの主な種類

一般的にベリーと呼ばれるものは低木で、栽培も難しくないものが多い。小粒で愛らしいベリー類は生食だけではなく、お菓子にもよく使用される。ただし、保存がきかないというデメリットもある。そのベリー類にはどのような種類があるのか、具体的に見ていこう。
種類と特徴
ベリー類は北ヨーロッパや北アメリカでの栽培が盛んであり、日本では北海道や秋田県、長野県などで生産されるものが多い。ベリー類の主な品種を特徴とともに紹介する。親しみのある名前も多い一方、あまり馴染みのない種類も多いかもしれない。
・ラズベリー
紅色や紫色の集合果。生食が可能。リキュールやジャム、ジュースに加工される。
・ブラックベリー
ヨーロッパやアメリカで野生種が多く栽培が簡単である。6g前後の集合果で紅色や紫色をしている。生食のほか、ジャムやジュースに加工される。
・グーズベリー
日本ではスグリと呼ばれることもある。球形で3gほどの小粒である。緑白色と赤色のものがある。
・レッド・カラント
北海道や東北で栽培される赤いスグリで、生食のほかジュース、ジャム、ゼリーに加工される。
・ブルーベリー
北アメリカ原産のブルーベリーは、近代において産業的な生産が発展した果樹とされている。濃紫色の球形の果実は甘酸っぱく、ジュースやジャム、お菓子に使用される。
・クランベリー
やや長めの赤い液果であるクランベリーは、アメリカ北部の湿地帯が原産である。酸味が強いため加工されることが多い。ジャムのほか肉料理のソースに調理されることも。
・いちご
ベリー類で最も普及しているのはいちごだろう。いちごの原産地は南アメリカで、日本での栽培は明治時代以降に本格化した。いちごは花が終わった後に花托が肥大してできる偽果である。生食はもちろん、ジャムやアイスクリームをはじめその加工品は多い。
3. ベリーと食べ方の種類

生食でもじゅうぶんに美味しい種類が多いベリー類であるが、美しい色や甘酸っぱさを活用してお菓子や料理にも出番が多い。はたしてどんな活用法があるのか。いくつかの例を紹介しよう。
おすすめの楽しみ方
ベリー類の加工法として最もメジャーなのはジャムである。酸味がよいアクセントとなるベリー類は、ジャムをさらにお菓子に使用できるのが嬉しい。またスムージーやリキュールなど、飲み物にしてもその色の美しさで映えるだろう。リキュール類は炭酸で割れば夏のオシャレなアペリティフとなる。ベリー類はまた、肉料理やサラダに合わせることもできる。オリーブオイルや香草と合わせて、ベリー類をトッピングしたりフードプロセッサーでソースにしたりして、洗練された一品を楽しんでほしい。
結論
ベリー類は生食よりもお菓子やアイスクリームのフレーバーとして馴染み深い。実際のベリー類の定義は、園芸学の分野と一般論で多少の相違がある。みずみずしく小粒の液果や集合果実、偽果の一部がベリーと総称されている。ブルーベリーやいちごなど、よく知られたフルーツ以外にもその種類は多く、生食やお菓子、リキュールとしても楽しめる。ぜひさまざまな料理に応用してほしい。