- タンパク質
- ビタミンB群
- ビタミンD
- ビタミンA
- ビタミンE
- カルシウム
- カリウム
- 鉄 など
- ※1 文部科学省 食品成分データベース すけとうだら(生) https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10199_7
- ※2 文部科学省 脂肪酸第2章第1表魚介類(正誤表11反映1222) https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/1365491_3-0210-1r11.pdf
- ※3 農林水産省 特集1 だから、お魚を食べよう!(1) https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1401/spe1_01.html
- ※4 ※6※13※13 厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- ※5 ※9〜※14公益社団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/
- ※7※10 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 https://www.mhlw.go.jp/
- ※8 厚生労働省 eJIM ビタミンD https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html
- ※15 日本水産株式会社 スケソウダラのタンパク質 https://www.nissui.co.jp/corporate/rd/research/health/protein.html
1. スケトウダラの栄養素
スケトウダラは煮物やフライをはじめ、身をすりつぶしてカマボコにしたり、卵巣を塩漬けにしてタラコにしたりと、さまざまな料理で楽しめる魚だ。スケトウダラにはどんな栄養成分が含まれているのだろうか。
主な栄養成分
スケトウダラの主な栄養成分を以下にまとめた。
【スケトウダラの主な栄養成分】(※1)
ほかにも、スケトウダラの脂質の中にはIPA(イコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれている。(※2)IPAとDHAは、魚の脂質に多く含まれている高度不飽和脂肪酸のことだ。IPAは血栓や高血圧などの予防に一役買ってくれる。DHAは認知症や動脈硬化などの予防・改善につながるとして注目を集めている成分だ。(※3)
スケトウダラを食べることで、これらの栄養成分が摂取できる。各栄養成分について、次で詳しく説明しよう。
2. スケトウダラの栄養と効能
スケトウダラに含まれている栄養成分の詳細と、その効能について紹介していく。
タンパク質(※4)(※5)
タンパク質は、20種類のアミノ酸が結合した化合物だ。20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内で合成できない。そのため、食品から摂取しなければならないのだ。
タンパク質は三大栄養素の1つとして数えられ、筋肉や臓器をつくるために重要な役割を果たしている。ほかにも、ホルモンや抗体など身体の調節機能も担っており、人間にとって欠かせない栄養成分といえよう。タンパク質が欠乏すると、免疫機能の低下や成長障害などが懸念される。
ビタミンB群(※6)(※7)
ビタミンB群は、ビタミンB1やB2、ナイアシン、葉酸など8種類の成分を指す。水溶性のビタミンで、血液や体内に溶け込んでいる。
主にエネルギーや糖の代謝、免疫系の維持といった働きをし、身体の機能を調えるために不可欠な栄養成分だ。
ビタミンB群が足りていないと、脚気、口内炎、精神神経症状、手足のしびれなどさまざまな症状を引き起こす恐れがある。
ビタミンD(※8)(※9)
ビタミンDは、D2からD7まで6種類あるが、一般的にビタミンD2とD3の2つに分類されることが多い。食品に含まれているだけでなく、皮膚を直射日光に当てることで体内に生成されるのが特徴だ。ビタミンDは強い骨を維持し、筋肉の正常な収縮にも関与している。
ビタミンDが不足してしまうと、体内におけるカルシウムの吸収が低下し、骨粗しょう症やくる病などの一因となり得るだろう。
ビタミンAとビタミンE(※10)(※11)(※12)
ビタミンAとビタミンEは、脂溶性のビタミンだ。
ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の3つに分類される。とくに目と深い関わりがあり、目の粘膜の健康や薄暗い中での視力を保持する働きがあるのだ。欠乏すると、夜盲症や角膜の肥厚などのリスクが生じてしまう。
ビタミンEは、合計8種類の化合物から成る成分だ。細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用に優れ、老化防止の効果が期待できる。血中LDLコレステロールの酸化抑制や赤血球の損壊を防ぎ、血管の健康維持にも役立つ。ビタミンEが足りないと、冷えや肩こり、シミの発生といった要因になりかねない。
カルシウム(※13)(※14)
体内に含まれているミネラルのうち、最も多いのがカルシウムだ。カルシウムは、歯や骨を作るために欠かせない。99%は歯や骨のエナメル質に含まれているが、1%は筋肉内や血液内に存在し、出血の予防や心筋の収縮作用の増加などの働きをする。カルシウムの摂取量が不十分だと、歯や骨がもろくなりやすい。
3. スケトウダラの栄養は筋肉を作る?
冒頭で触れたように、スケトウダラは筋肉量の増加が望める食材として注目を集めている。これは、日本水産株式会社(ニッスイ)の研究発表で明らかになった。ここからは、スケトウダラの栄養が筋肉増加につながる秘密に迫っていこう。
筋肉量の増加が見込める(※15)
筋肉量増加の鍵を握るのは、栄養成分のひとつであるタンパク質だ。ニッスイの研究によると、スケトウダラのタンパク質は卵以上に良質とのこと。ラットのエサにスケトウダラを配合した実験では、腓腹筋(ひふくきん)の重量が増し、瞬発力に関わる速筋の増加が見られた。65歳以上の女性が3ヵ月間スケトウダラのタンパク質を4.5g食べ続けたところ、19名中15名に筋肉量が増加したという。この結果から、スケトウダラのタンパク質を摂取することで、筋肉量の増加が期待できることがわかった。
筋トレに励んでいる方は、スケトウダラを食事メニューに加えてみてはいかがだろうか。
結論
スケトウダラには、ビタミン類やカルシウムといった栄養成分が含まれている。スケトウダラのタンパク質は卵よりも良質で、筋肉量増加の効果が見込めることもわかった。筋トレに励む方は、魅力あふれるスケトウダラをぜひ食べてもらいたい。
(参考文献)