目次
- 尋常品:家庭料理
- 通品:一般的に販売される料理
- 佳品:見た目も美しく風味が優れた料理
- 奇品:一風変わった調理法による料理
- 妙品:形容や模様が変わっていて奇品にまさる料理
- 絶品:豆腐の真の味と絶妙の調和による、妙品にまさる料理
- ※1出典:農林水産省総合食料局食品産業振興課「豆腐・納豆の現状」(平成18年3月)p16豆腐・納豆の歴史 https://www.maff.go.jp/j/study/daizu_gensanti/01/pdf/data1.pdf
- ※2出典:富山県豆富商工組合「豆腐百珍」 http://www.toyama-smenet.or.jp/~tohfu/tofuhyakutin.html
- ※3出典:株式会社 新潮社「豆腐百珍」 https://www.shinchosha.co.jp/book/602167/
1. 豆腐を大量消費する方法

豆腐の食べ方については、かなり古くから研究されてきている。江戸時代には豆腐料理の専門書も出版されている。歴史の長い豆腐は、昔からさまざまな調理で親しまれてきたのである。
歴史と豆腐百珍
豆腐は中国から日本に伝わった食品で、奈良時代に遣唐使によりもたらされたといわれている。中国で最初に豆腐が作られたのは、約2000年も前のことだという。(※1)
日本では主に仏教僧の食事に用いられてきたが、やがて庶民のたんぱく源として食されるようになっていった。江戸時代(天明二年、1782年)に出版され現在も受け継がれている「豆腐百珍」(※2、3)という豆腐料理専門書では、下記のようなランクに分けて豆腐料理のレシピが100品分記されている。
豆腐百珍に掲載されているレシピには、豆腐を切る、つぶす、茹でる、焼く、揚げる、蒸す、紐状にする、ほかの食材と組み合わせるなど、多様な調理法が用いられている。豆腐は、工夫次第でまったく異なる料理をいくつも生み出すことができる食材なのだ。
2. 豆腐の大量消費の定番

豆腐を大量消費したいなら、メイン料理への使用がおすすめだ。定番は、肉と組み合わせた料理や肉の代わりに豆腐を使用した代替え料理である。夕食のおかずにも向く代表的な料理を紹介しよう。
肉料理と代替え料理
麻婆豆腐
中華料理の定番で、豚ひき肉とネギ、角切りにした豆腐を炒め合わせ、豆板醤や甜面醤で甘辛く味付けする。ごはんにかけて食べても美味しい。
肉豆腐
豚や牛の薄切り肉と大きめに切った豆腐を煮込む、優しい味の家庭料理だ。ネギやきのこを一緒に煮ることが多い。肉の旨みが豆腐にしみて食べやすく、大量消費しやすい。
豆腐ステーキ
豆腐をステーキのように焼き、好みの調味料や薬味を添えて食べるシンプルな料理だ。絹ごし豆腐ではなく木綿豆腐を使い、水切りをしてから焼くとよい。肉味噌をトッピングするなど、さまざまなアレンジができる。
豆腐ハンバーグ
豆腐のみで作るレシピもあるが、豚や鶏のひき肉と豆腐を混ぜ込んで焼くのが一般的だ。大量消費したい場合は豆腐の割合を多めにするとよい。優しい味のハンバーグに仕上がるため、さっぱりとした和風ソースが合う。小さめに作ればつくねに、さらに片栗粉をまぶして揚げ焼きにすれば豆腐ナゲットにアレンジも可能だ。
3. 豆腐の大量消費とヘルシー料理

野菜など植物性の食材で作るヘルシーな副菜も、豆腐が入ればボリュームが出る。大量消費におすすめな料理を紹介する。
サラダなどの副菜
豆腐サラダ
レタスやきゅうり、トマトなどのシンプルなサラダに豆腐を加えるだけで、満足感の高いサラダになる。和風ドレッシングやごまドレッシングで食べると美味しい。
豆腐あんかけ
電子レンジで水切りした豆腐に、きのこや青菜、もやしなどの食材と鶏がらスープの素、生姜などを合わせて作ったあんかけをかけた料理だ。あんかけも電子レンジのみで作れる。
ネバネバ豆腐
豆腐にすりおろした長芋と納豆を混ぜ合わせたものをかけた、簡単な料理だ。醤油やポン酢、辛子など好みの味付けで食べよう。小ねぎをトッピングすると見栄えがよくなる。
白和え
水切りして崩した豆腐と、ほうれん草や人参などを和えた副菜だ。豆腐ときゅうりのみで作るさっぱりとした和え物も簡単にできておすすめである。
4. 豆腐の大量消費で人気の料理

豆腐は味噌汁の定番具材でもある。大量消費したいときは豆腐メインの鍋料理やスープもおすすめだ。代表的なものを見ていこう。
鍋や汁物
湯豆腐
豆腐を使った鍋料理の定番で、具材を工夫すればメイン料理としても楽しめる。ポン酢やごまダレで食べることが多いが、さまざまな種類のタレや薬味を用意すると、大量消費しやすい。
豆腐ポタージュ
豆腐と牛乳を炒めた玉ねぎと一緒にミキサーにかけて、なめらかにしたスープだ。冷やして食べるとさっぱりとして美味しい。口あたりのよい絹ごし豆腐で作るのがおすすめだ。
野菜と豆腐のとろみスープ
豆腐と旬の野菜を一緒に煮込み、水溶き片栗粉でとろみを出して仕上げる。和風だしベースの優しい味付けが合う。溶き卵を加えても美味しい。
豆腐団子鍋
豆腐ハンバーグのタネで作った肉団子と、大きめに切った豆腐を一緒に煮込む。豆腐団子にも豆腐を使用し、具材として豆腐そのものも使うため、一度に大量消費できる。ほかの具材には、一般的な鍋料理に使われる野菜やきのこを使用するとよい。
結論
シンプルな冷奴なども美味しいが、豆腐にはさまざまな食べ方がある。調理次第でメイン料理にも、副菜にも、汁物にも使える食材のため、意外と簡単に大量消費できるのだ。クセがなく、ほかの食材や多様な調味料と合わせやすいのも豆腐の魅力である。大量消費したいときには、新しい料理にもぜひ挑戦してみてほしい。
(参考文献)