目次
- ※1出典:経済産業省「ケミカルワンダータウン」 https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/chemical_wondertown/bookstore/page01.html
- ※2出典:国立研究開発法人 科学技術振興機構 https://spc.jst.go.jp/news/180601/topic_3_01.html
- ※3出典:順天堂大学医学部付属 順天堂医院「肥満の食事療法」 https://www.juntendo.ac.jp/hospital/support/eiyo/patient/method/syokuji06.html
- ※4出典:運営元:厚生労働省「果物」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html
- ※5出典:厚生労働省「食物アレルギー」 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf
- ※6出典:農林水産省「果物と健康」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/attach/pdf/iyfv-53.pdf
- ※7出典:医療法人社団 福寿会 梅田診療所「パイナップルを食べよう」 https://www.fukujukaigr.or.jp/wp-content/uploads/2016/10/UmeshinH29_Eiyo.pdf
1. パイナップルを食べすぎた際の影響

生のまま食べるのはもちろん、酢豚のような料理に使ってもスイーツで味わっても美味しいパイナップルだが、食べすぎるとどのような影響を及ぼすのだろうか。
舌が痛くなる
パイナップルを食べると1切れめは、甘味や酸味が充分で美味しいと感じる人が多いようだ。しかし2切れ、3切れめと食べ続けると、ほんの少しだけザラザラと舌の先に違和感が出てくることがある。続けて4切れ、5切れめと食べすすめると、舌の上と横のほうまでザラザラが広がっていく。さらに食べすすめていくと唇の内側にまで違和感が出て、舌をこすると少し痛くなる。だいたい半分の量を食べ終えると舌を熱いお茶で軽くやけどしたような感じだ。これはプロメリンというタンパク質を分解する化学物質の働きである。プロメリンはパイナップルに豊富に含まれており、口の中の敏感なところが影響を受けるためだ。通常1度に半分も食べる人はいないので、普段は気づかないことが多いが、食べすぎには注意が必要だ(※1)。
痛みを無くす方法
プロメリンにとって快適な温度は55~60℃だ。温度が上昇すると酵素の加熱不活性化が強まって反応速度が低下する。パイナップルを60度以上で加熱するとブロメリンの活性を損ねることができる(※2)。痛みを無くす簡単な方法は、電子レンジで加熱することだ。具体的な方法はパイナップルを一口サイズにカットし、レンジで1~2分ほど温める。加熱するとパイナップル本来の風味は保ったまま、プロメリンを失活させることができる(※2)。あとは冷やせば、心ゆくまで美味しく味わえるというわけだ。
2. パイナップルの食べすぎによるデメリット

次にパイナップルの食べすぎによるデメリットを紹介しよう。
太る可能性
パイナップルやバナナ、りんごなどの単品ダイエット法が過去に流行したが、栄養バランスが大きく乱れやすい。しかも単品摂取なので飽きや反動でリバウンドして太る可能性がある(※3)。また、パイナップルのような果物を食べすぎると、糖質の過剰摂取で肥満や中性脂肪が増大するおそれがある(※4)。
口腔アレルギー
口腔アレルギー症候群とは近年報告が増えている新しい食物アレルギーだ。幼児や学童、成人に認められているが、とくに成人の女性に多いという。原因抗原としては果物のパイナップル・キウイ・桃・メロン・リンゴや野菜だ。口腔内の症状のみの場合が多いが、ショック症状を起こすこともある(※5)。
3. パイナップルの食べすぎ対策

最後にパイナップルの食べすぎを防ぐ方法を紹介しよう。
一日の摂取目安
農林水産省は果物を毎日の食生活で摂取するのに欠かせない品目として定着させようと、1人一日あたりの摂取目標量を可食部で200g以上とする「毎日果物200g運動」を推進している。(※6)パイナップル200gは0.3個分だ。ちなみにほかの果物では桃・りんご・柿・いよかん・グレープフルーツは1個、ぶどうは1房、キウイは2個、栗は12個である。
効果的な食べ合わせ
パイナップルは美味しいのはもちろん、さまざまな栄養素を含んでいる。たとえばビタミンA・B1・B2・B6・C、カリウム、食物繊維などだ(※6)。パイナップルの効果的な食べ合わせを紹介しよう。
効果的な食べ合わせ(※7)
パイナップル&イチゴ・キウイ・さくらんぼ・パセリ:疲労回復と美肌作り
パイナップル&ぶどう・アボカド:アンチエイジング
パイナップル& 酢・ナッツ類・ごま:血行促進
パイナップル&りんご・大根・山芋・三つ葉:胃腸の強化
パイナップル&牛乳・大豆・桃・干しぶどう:骨粗鬆症の予防
パイナップル&バナナ・マンゴー・いちぢく・レモン:高血圧と動脈硬化の予防
とくに疲労回復・便秘の解消・老化防止・ 美肌作り・美白・腸内環境の調整に効果が期待できるのがパイナップルの特徴だ(※7)。
結論
パイナップルを食べすぎるデメリットや1日の目安摂取量、おすすめの食べ方を紹介した。先述したようにパイナップルを食べすぎると舌が痛くなったり、口腔アレルギーや肥満につながる可能性がある。これからは果物の一日の目安摂取量である200gを目標に適量を美味しく味わってもらいたい。
(参考文献)