目次
- ※1〜※4出典:農林水産省 https://www.maff.go.jp/
1. 新じゃがの芽は食べて大丈夫?

丸ごと蒸したりカットして肉じゃがで味わったり、ポテトサラダにしたり、いろいろな調理法で味わえる新じゃがだが、芽は食べて大丈夫なのかと気になっている人もいるだろう。結論をいうと新じゃがの芽は、しっかりと取り除くことが大切だ。
しっかりと取り除く
新じゃがの芽や根元、皮の緑色になった部分には、天然毒素のチャコニンやソラニンが多く含まれている。新じゃがを調理するときは、この部分を十分に取り除くことが大切だ。また、家庭菜園で栽培される未熟で小さな新じゃがは、チャコニンとソラニンを多く含んでいることがあるため注意すること。これらを多く含む新じゃがを食べると、下痢・吐き気・おう吐・頭痛・腹痛・めまいのような症状が出ることがある。もし食べて症状が出たら、急いで医者にみてもらうこと(※1)。
じゃがいもと新じゃがの違い
ちなみに皆さんは一般的なじゃがいもと新じゃがの違いを知っているだろうか。一般的なじゃがいもは秋に収穫されている。じゃがいもは保存がきくため収穫して貯蔵されてから、年間を通して市場に出まわる。これに対して新じゃがは収穫後に貯蔵せず、すぐに出荷されており、旬は5~6月頃だ。
2. 新じゃがの芽を取り除く方法

新じゃがから芽が出ているものや、皮が緑色になった部分があるものは購入しないこと。長期保存を避けるため、新じゃがはその都度必要な分を購入することも大切だ。ここでは新じゃがの芽を取り除く方法を紹介しよう。
芽取り方法
新じゃがに芽があれば、そのまわりも含めて包丁の根元などを使い、深いところまでしっかり取り除くこと。緑色の部分があれば、緑色がなくなるまで皮をむいて、まわりもしっかりと皮をむく。芽や皮に緑の部分がなく、適当な大きさに成熟した新じゃがでも、微量だがチャコニンやソラニンが含まれている。皮をむけばチャコニンやソラニンを摂取する量を減らせる。また未熟な新じゃがは食べないことも大切だ。とくに皮ごと食べないこと。じゃがいもは品種によっては成熟しても小さいものがある。大きさだけで未熟かと判断することはできない。同じ品種のほかのものと比較して、あきらかに小さければ食べないこと。苦味やえぐみを感じるようであれば、じゃがいもと一緒に調理したほかの食材も含めて、それ以上は食べないこと(※2)。
3. 新じゃがの発芽をしにくくする保存方法

最後に新じゃがの発芽をしにくくする保存方法を紹介しよう。
保存の仕方
新じゃがは暗くて涼しく、通気性がよい場所で保存すること。冷蔵庫に入れて保存する必要はない。新じゃがは通気性がよくなるよう、穴を開けたポリ袋かカゴに入れて保存すること。温度が20℃以上になると発芽や腐敗しやすくなる。温度は10℃くらいの涼しい所が好ましい。また新じゃがに傷をつけずに保存すること。調理するまで水洗いはNG。新じゃがをカットしたら、ラップで包みジッパーつきの保存袋に入れて冷蔵庫へ。保存したら、できるだけ早く使い切ること。ちなみにチャコニンやソラニン自体は、170℃以上で分解をはじめるという報告があるが、加熱によって新じゃがに含まれる量が確実に減ることは期待できない(※3)。皮むきによって毒素は25~75%ほど取り除けるという報告があるが、これは工場で水酸化ナトリウムを使った皮むき方法を含めたものだ。家庭で包丁やピーラーを使用して皮むきすると毒素の低減は30~70%ほどといわれている(※4)。
結論
先述したように新じゃがの芽は必ず取り除いて調理することが大切だ。加えて皮の緑色の部分は、なくなるまでしっかりむくこと。これまで新じゃがをカットして皮ごとフライドポテトに調理していた人もいるだろう。今後は芽を取り除き、皮をむいて調理してもらいたい。
(参考文献)