目次
- 活けもの:元気なものがよい。甲羅や歩脚の色が濃いものは、身が詰まっていることが多い
- ボイルされたもの:浜茹でされたものがよい(漁港近くで水揚げ後すぐに茹でたもの)
1. 花咲ガニの旬の時期

花咲ガニの旬はいつなのだろうか。また、どのようなカニなのだろうか。特徴や漁期について見ていこう。
特徴と名前の由来
花咲ガニはタラバガニ科に属するカニである。厳密にはタラバガニと同様にヤドカリの仲間で、一般的なカニ類とは異なりハサミのほか歩脚が左右3対しかない。甲羅は15cm幅ほどしかなく小ぶりで、ハートを逆さにしたような形状である。全身が角状の突起で覆われており、脚は短く太い。
花咲ガニという名称の由来には諸説ある。有名なのが、花咲半島(根室半島)で多く水揚げされていたという説や、茹でると真っ赤になるさまが花が咲く姿にたとえられたという説だ。
漁期について
花咲ガニの漁期は産地によって異なるが、全体的には4~9月である。とくに7~9月は最も花咲ガニが出回る旬の時期となり、活けものや生鮮品を入手することができる。
2. 花咲ガニの主な産地
花咲ガニの主な産地は北海道である。資源保護対策により漁獲期や漁獲量、さらに漁獲できるサイズが限られているため、ほとんどが漁獲地付近や道内の都市で消費されるという。
生息区域の狭いカニ
花咲ガニは主に釧路港や花咲港で水揚げされる。太平洋沿岸(襟裳~根室)と根室半島のオホーツク海と、生息区域は狭い。そもそも限られた区域にしか生息しないうえに漁獲に制限が設けられているため、幻のカニと呼ばれるほど希少なカニとなっている。
3. 花咲ガニの旬の値段相場

花咲ガニの値段の相場は、水揚げ量によっても変わる。だいたいの目安はいくらなのだろうか。
1kgあたりの値段
花咲ガニの値段の相場は、1kgあたり6000~8000円程度とされている。ほかの有名なカニと比較すると、ズワイガニは2000~10000円、タラバガニや毛ガニは4000~10000円のため、高くも安くもない。また、ほかのカニは大きさの影響で個体によってかなり価格差がある。花咲ガニも大きなものほど高いが、ほかのカニほどの差はないのが特徴的だ。
4. 花咲ガニを旬の時期に楽しむために

花咲ガニの身は濃厚な味で、弾力がありプリっとした食感を楽しめる。より美味しい花咲ガニを選ぶポイントやおすすめの食べ方を紹介する。
選び方のポイント
花咲ガニを選ぶ際は、活けものかボイルされたものがおすすめだ。いずれの場合も、甲羅が硬く、ずっしりと重いものを選ぼう。また、下記のポイントもおさえておこう。
さらに大きさにも差があるため、人数に合わせてちょうどよいものを選ぶとよいだろう。1人前なら400~600gほどの小さなもの、2~3人前なら1kgほどのものが目安となる。
おすすめの食べ方
花咲ガニは茹でる、蒸す、焼くなどシンプルな加熱調理で食べるのが一般的である。また、出汁も美味しいため、鍋ものや鉄砲汁という郷土料理を作るのもおすすめだ。それぞれの詳しい食べ方を見ていこう。
茹でガニ
水と塩を入れた鍋のなかに、甲羅を下にした花咲ガニを入れて15~20分ほど茹でる。茹で上がったら氷水で締めると、身が締まり殻が外れやすくなる。歩脚の甲羅はキッチンバサミで開くと食べやすい。
焼きガニ
ホットプレート、オーブン、七輪などで焼いても美味しい。身が硬くなってしまうため、焼き過ぎないよう注意が必要だ。
鉄砲汁
カニ入りの味噌汁のことで、花咲ガニの産地である根室地方の漁師料理である。現在も北海道(道東地域)の郷土料理として親しまれている。昆布出汁でカニと好みの野菜を煮込み、味噌、豆腐、長ねぎを加えた料理だ。
結論
トゲトゲとした外見が特徴的な花咲ガニは、4~9月に漁期が限られ、7~9月が旬のピークとなる。生息域が狭く、漁獲量や漁獲サイズにも決まりがあり自由に漁獲できないことから、幻のカニとも称される貴重な食材だ。しかし値段はほかのカニと比べても決して高くない。茹でる、焼くなどのシンプルな調理や鉄砲汁などで、旬の花咲ガニを美味しくいただこう。