目次
1. 焼き菓子は種類が豊富

よく知っているようで実は明確ではないのが、焼き菓子の定義である。まずは焼き菓子の定義とその特徴を紹介する。
定義と特徴
焼き菓子を辞書で引くと、ごくシンプルに「焼いて作った菓子」と記されている。焼き菓子と聞いて想像するクッキーやケーキだけではなく、和菓子にも焼き菓子のカテゴリーがあるとされている。焼き菓子の特徴は、水分が少ないために日持ちをするものが多い点があげられる。焼いた生地に生クリームなどを加えるために賞味期限が短い焼き菓子もあるが、種類によっては1か月以上日持ちすることも珍しくない。これが贈答品によく使われる理由の一つかもしれない。
2. 世界の焼き菓子の種類

焼き菓子と聞いて頭に浮かべるのは、フランスをはじめとする欧米に起源をもつ洋菓子ではないだろうか。クッキーは最も身近にある焼き菓子といえるだろう。そのほかに、世界にはどんな焼き菓子があるのか。そのいくつかを紹介する。
人気の洋菓子
焼き菓子のなかでも洋菓子に分類されるものを見てみよう。美食大国フランスを筆頭に、各国の洋菓子が日本でも普及していることがわかる。
・クッキー(アメリカ)
焼き菓子の中でも最もよく知られているのがクッキーである。一説によれば、アメリカに移住したオランダ人が生み出したものであるという。チョコレートやナッツ類、ドライフルーツなどを使用したさまざまなバリエーションがある。
・マドレーヌ(フランス)
貝殻型の焼き菓子として有名なマドレーヌ。フランスのロレーヌ地方に起源があるといわれ、その上品な味わいが焼き菓子の定番として定着した理由だろう。ロレーヌの城に仕えていたメイドが発案者であるため、彼女の名がついたという口承もある。
・マカロン(フランス)
近年とくに人気の焼き菓子マカロン。マカロンの主原料はアーモンドと卵白、そして砂糖である。起源はイタリアにあるがフランスで人気を博し、17世紀頃から愛され続けているベストセラー。2枚の生地からなる鈴形の愛らしさが特徴である。
・バウムクーヘン(ドイツ)
日本にも専門店があるほど人気のあるバウムクーヘンは、ドイツの焼き菓子である。「木の菓子」の意であり、ドイツでは祝祭用の焼き菓子として発展した。木の年輪のように15層前後の層から成る独特の形状である。
・スコーン(イギリス)
イギリスのティータイムに欠かせないのがスコーンである。小麦粉にバター、卵、牛乳が主原料であり、素朴な味わいである。イギリスではジャムなどをつけて紅茶のお供として食べる焼き菓子である。
・ビスコッティ(イタリア)
ビスコッティは、フィレンツェを州都とするトスカーナ地方の焼き菓子である。イタリア語で「2度焼きされた」の意があり、アーモンド風味のカリッとした硬い食感が特徴だ。それだけでは食べにくいため、カプチーノやミルク、食後用のワインに浸けて食べることが多い。
3. 日本の焼き菓子の種類

焼き菓子は洋菓子ばかりではない。和菓子にも焼き菓子と呼ばれるものがあるほか、西洋の影響を受けて日本で独自に発展したタイプもある。日本の焼き菓子について見てみよう。
歴史のある和菓子
和菓子の多くは、江戸時代までに欧州や中国から伝わり日本化したものが多い。和菓子の焼き菓子には、平鍋を使って焼いたタイプとオーブンで焼いたタイプがある。前者の代表がどら焼きであり、後者のタイプはカステラが有名である。
・どら焼き
老若男女に人気の焼き菓子どら焼きは、形が銅鑼に似ていることからこの名称がある。どら焼きが生まれたのは明治時代、日本橋の老舗が発祥といわれている。中央部分がふっくらと膨らんだ形から三笠山の別名もある。
・カステラ
西洋の影響を受けて発展した和菓子のひとつカステラ。16世紀にポルトガルから伝えられた南蛮菓子のひとつである。現在のスペインを治めていたカスティーリャ王国がその名の由来となっている。小麦粉や卵、はちみつを使用するカステラは、出島のあった長崎から全国に普及し現代でも愛されている焼き菓子である。
・栗饅頭
栗の入った白あんを包んだ焼き菓子、栗饅頭。栗饅頭の歴史も古く、誕生したのは明治から大正にかけてのことである。小判型の栗饅頭は、表面が卵黄の塗布によってつやつやとしているのが特徴である。この艶が栗の皮に似ていることから、栗饅頭と名付けられたという。東京や埼玉県には、栗饅頭の老舗が多い。
結論
一口に焼き菓子といっても、その種類は非常に多い。フランスをはじめとする欧米から伝えられた焼き菓子は、日本でも定着しわれわれの口を悦ばせてくれる。また日常的に食べられているどら焼きやカステラなどの和菓子も、焼き菓子である。幸福感を感じさせてくれる数々の焼き菓子、その起源や特徴に思いを馳せるのも一興である。