目次
- ※1 厚生労働省 う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法 | e-ヘルスネット(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-013.html
- ※2 東和化成工業株式会社調査室 糖 ア ル コ ー ル の 特 性 と 利 用 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh1994/10/3/10_3_2/_pdf
1. 還元水飴の特徴

食品の原材料として見かけることがある還元水飴。実際にどのような原料と製造方法で作られているのか知らないことも多い。そんな還元水飴の特徴をチェックしてみよう。
原料と製造法
還元水飴とは、水飴に水素を加えて作る糖アルコールの一種だ。還元とは、水素と反応させることをいい、とうもろこしやじゃがいもなどの澱粉から作った水飴に水素を加えて製造される。
主な用途について
還元水飴は、甘味料として使われる。その用途は多岐に渡り、羊羹や惣菜パンやお菓子のほかに、ドレッシングなどの原材料として見かけることが多い。また、低カロリー低糖質のダイエットシュガーとしても活用されている。
食品への表示
還元水飴は、食品添加物ではなく、食品として表示されている。スーパーなどで購入した食品の原材料をチェックしてみると、還元水飴や還元澱粉糖化合物、還元オリゴ糖などと表示されているのだ。
2. 還元水飴の種類

還元水飴には、いくつかの種類がある。同じ還元水飴でも性質が異なるのでそれぞれの特徴を紹介する。
低糖化還元水飴
低糖化還元水飴とは、甘みを抑えた還元水飴の種類だ。通常の砂糖と比較すると甘みは10~20%と控えめで、素材の味を活かしたい料理に使われることが多い。還元水飴の中でも粘度や皮膜性も低いので、ドレッシングやタレなどの粘度を出すのに使われている。
高糖化還元水飴
高糖化還元水飴は、糖アルコールであるマルチトールが全体の75%以上を占めているのが特徴だ。砂糖よりも甘みがすっきりしており、低カロリーなので、ダイエット食品にもよく使われる。甘味度は、通常の砂糖の75%と低糖化還元水飴よりもしっかりとした甘みを感じることができる。
そのほかの種類
ほかにも低糖化還元水飴と高糖化還元水飴の中間の甘味度である中糖化還元水飴や、糖度が砂糖に近いマルチトールシラップなどがある。
3. 還元水飴の効果効能

還元水飴は、さまざまな効果効能が期待できる。どのような効果が期待できるのかチェックしてみよう。
虫歯予防
還元水飴は、虫歯になりにくい甘味料といわれている。虫歯は、細菌が口の中の糖質の一部を分解して酸を産生し、歯の表面を酸性にすることで発生する。しかし還元水飴はプラークによる酸産生性が低い。(※1)
ダイエット効果
還元水飴は、カロリーが低いので、ダイエット用甘味料としても使われている。ダイエット中はどうしてもカロリーを抑えるために糖分を摂らないようにすることが多いが、還元水飴なら低カロリーで甘みを感じることができるのでダイエットに活用しやすい。(※1)
糖尿病予防
還元水飴は、糖尿病でも安心して食べられる甘味料だ。還元水飴は食べても高血糖を生じることがないので、糖尿病の予防にも効果が期待できる。(※1)
4. 還元水飴の危険性とは

還元水飴が低カロリーだからといって、大量に摂取すると体調不良を起こす危険性がある。どのような危険性があるのか紹介する。
下痢の原因になる
還元水飴は、大量に摂取してしまうと下痢の原因になる危険性がある。還元水飴の1回の摂取量は、体重kgの0.2~0.6gほどにしておこう。(※2)
結論
さまざまな食品の原料として使われている還元水飴は、低カロリーで低糖質な甘味料として人気がある。また、虫歯予防やダイエット効果なども期待できるが、過剰摂取すると下痢を引き起こす危険性があるので、注意しよう。
(参考文献)