目次
1. カレーの炒める順番で美味しさが変わる!

家でカレーを作るとき、具材を炒める順番を意識したことはあるだろうか。カレーは具材を炒める順番によって美味しさが変わってくる。カレーの具材を炒めるメリットもあるので紹介しよう。
具材を炒める理由とは?
・カレーが水っぽくなるのを防ぐ
野菜は水分を多く含んでいるものもあり、事前に炒めることで水分を蒸発させることができる。
・煮崩れを防げる
野菜を炒めることで、油がコーティング剤となり煮崩れを防いでくれる。じゃがいもやなすなどの煮崩れしやすい野菜には効果的だ。
・具材の旨みを閉じ込め、甘みを引き出す
肉や野菜などを炒めると表面が硬くなり、旨みが逃げ出しにくい。肉汁とともに旨みも逃げやすい肉は、しっかりと炒めることでひときわ美味しくなる。
・栄養が効率よく摂れる
にんじんに含まれるβカロテン(※1)(※2)は、脂溶性ビタミンなので油で炒めると吸収率がよくなる。
カレーを作るときは、炒める順番だけでなくしっかり具材を炒めることも必要だ。
2. カレーの具材を炒める順番:基本編

ここからはカレーの基本の作り方、炒める時間や順番について解説しよう。材料は、肉(牛肉や鶏肉など好みのもの)、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、カレールー(市販のもの)を使用する。カレーの具材を炒める順番によって、美味しさもアップするので試してほしい。
1. 野菜の前に肉を炒める
はじめは肉から。肉を最初に炒めることで、肉の風味が残った油で野菜を炒めることができ、野菜の旨みもアップする。肉は加熱しすぎると硬くなるため、8割ほど焼き表面に焦げ目が付いたらいったん取り出そう。
2. 玉ねぎを炒める
肉を炒めた鍋は洗わずにそのままで、薄くスライスした玉ねぎを弱火でじっくり炒めよう。肉の次に玉ねぎを炒めることで、肉の旨みがしっかりと玉ねぎに加わるのだ。玉ねぎの甘みを出すため飴色になるまで(30~40分)炒めるのが理想だが、時間がないときは20分程度でもOKだ。
3. にんじんを炒める
玉ねぎは取り出さず、そのまま一口大に切ったにんじんを加えて5分ほど炒めよう。にんじんは硬いので事前に電子レンジで加熱しておくと、炒める時間を短縮できる。
4. じゃがいもを炒める
煮崩れしやすいじゃがいもは、最後に炒めよう。1~2分程度炒めて、薄く焼き色が付く程度でOK。
その後、水を入れてやわらかくなるまで煮込んだら、ルーを入れて完成だ。
そのほかの野菜を炒める場合
上記の野菜以外でカレーを作る際の炒める順番も紹介しよう。肉から油が出たタイミングでナスを入れると、油を吸収し美味しくなる。またズッキーニは、事前に強火でサッと炒めておく。カレールーを入れた後、できあがる直前に入れてカレーと絡ませるぐらいがちょうどよい。
3. カレーの具材を炒める順番:スパイス編

カレーは具材を炒める順番によって、美味しさも変化する。さらにスパイスを入れると、より本格的な味わいになるのでおすすめだ。カレーの具材を炒める順番とともに、スパイスを効果的に入れるタイミングも覚えよう。
最初に炒めるスパイス
・クミンシード
カレーの具材を入れる前に焦げないよう炒める、香りが立ってきたら順番に具材を入れて炒めよう。クミンを加えることで本格的なカレーに変身する。
・唐辛子
油があたたまる前に加えて、焦がさないようにじっくり炒める。唐辛子を加えることで、カレーに辛さをプラスするだけでなく、具材の臭みを消す効果も。
・にんにく
油が冷たいうちに加え、香りが立つまで焦げないように炒めよう。にんにくは香りだけでなく、味に旨みや深みが出る。
・しょうが
油を熱する前に加え、焦げない程度にじっくり炒める。具材の臭みを抑制させる効果がある。
途中で加えるスパイス
・ターメリック
カレーの具材を炒めている途中に加えて、油と具材になじませよう。油を利用すればムラなく黄色く色付けでき、見た目も本格的になる。
・ローレル
葉をちぎって軽く切れ目を入れたら、煮込みはじめたタイミングで入れよう。ローリエのさわやかな香りが、具材の臭みを和らげてくれる。
・シナモンスティック
半分に折って、煮込みはじめたら加える。少量でほんのりと、多めで濃厚な香りづけになる。
・クローブ
具材に切り込みを入れ、直接切り込みにクローブを刺し一緒に煮込む。食べる前には取り除こう。具材の臭みを消し、カレーが深みのある味わいになる。
最後に加えるスパイス
・パセリ
ごはんの上にふりかけると、鮮やかな緑色のパセリが見た目にもよいアクセントになる。
・ガラムマサラ
食べる直前に好みの量をカレーの上へふりかけると、辛さと香りが引き立つカレーになる。かけすぎると辛いので注意しよう。
結論
普段何気なく作っているカレーを美味しく変身させるには、具材を炒める順番がポイントになる。またスパイスを使えば、いつもとひと味違った本格的なカレーを楽しむこともできるのでおすすめだ。カレーを作る際は、ぜひ今回の作り方を試してほしい。
(参考文献)
(※1)出典:日本食品分析センター「関連資料カロテノイド類」
(※2)出典:J-STAGE「食事中の脂質は脂溶性ビタミンの吸収を増加させる」