目次
- がん細胞の細胞死誘導
- 大腸上皮細胞のバリア機能向上
- 末梢組織でエネルギー源
- 肝臓で脂肪合成とコレステロールの前駆体
- 大腸炎・アレルギーの抑制
- 大腸上皮細胞の機能維持
- がん細胞の細胞死誘導
- イソマルトオリゴ糖:グルコース・グルコース・グルコース
- フラクトオリゴ糖:グルコース・フルクトース・フルクトース
- ガラクトオリゴ糖:ガラクトース・ガラクトース・グルコース
- キシロオリゴ糖:キシロース・キシロース・キシロース
- ※1※2出典:厚生労働省 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- ※3出典:医療法人社団 満岡内科・循環器クリニック「オリゴ糖とは」 https://www.mitsuoka-clinic.or.jp/jp/anti_aging/AAtip/AAtip81_90/AAtip87_oligosaccharide.html
1. オリゴ糖の危険性について

オリゴ糖という言葉を耳にしたことがあっても、どういった特徴があるのか知らないという人もいるだろう。最初にオリゴ糖の危険性について紹介しよう。
摂り過ぎには注意
オリゴ糖とは糖質のうち最小単位の単糖が2~10個ほど結びついたものだ。別名、少糖類といわれており、危険では無く低エネルギーで腸内細菌を増やす作用や整腸作用が知られている(※1)。市販のオリゴ糖製品の有効な摂取量は、1日あたりで2~10gだ。しかしオリゴ糖を急に摂り過ぎると、お腹が張ったり下痢を起こしたりする可能性がある。甘さが控えめなので摂取しやすいが、1回の量を2~3回に分けるか、1日の摂取量を減らして数日かけて推奨量まで増やすとよい。重要なのはオリゴ糖に対する腸内細菌の慣れを意識して摂取することだ(※2)。またオリゴ糖は特定保健用食品として市販されているものがあるが、オリゴ糖に対する腸内細菌の慣れを考慮して摂取することが重要だ(※2)。
2. オリゴ糖を知れば危険が無いことがわかる

オリゴ糖を知れば危険では無いことがわかるはずだ。ここではオリゴ糖の特徴と働きを紹介しよう。
特徴と働き
多くのオリゴ糖はブドウ糖よりカロリーが低い甘味料だ。おもな働きは腸内環境を整えるといわれており、注目を集めている。オリゴ糖は単糖が数個繋がったものの総称だが、おもな短鎖脂肪酸は酢酸と酪酸だ(※3)。それぞれの生理作用を紹介しよう。
酢酸の生理作用(※3)
酪酸酢酸と酪酸(※3)
ほかに短鎖脂肪酸などにより、大腸内のpHが下がるのでマグネシウムやカルシウムが吸収されやすくなるといわれているが詳細な機序は不明だ(※3)。
3. オリゴ糖は食材にも含まれている

最後にオリゴ糖の種類とオリゴ糖が含まれる食材を紹介しよう。
オリゴ糖の種類
オリゴ糖の種類や食材について紹介する。オリゴ糖は構成する単糖と2糖の種類が異なる。また、人の消化酵素で消化できる糖の可消化性と消化できない糖の難消化性が存在する。さらに難消化性オリゴ糖の一部は腸内細菌により利用される(※3)。
おもなオリゴ糖とおもな構成(※3)
腸内細菌がすべてのオリゴ糖を利用できるわけではない。もともとオリゴ糖はビフィズス菌増殖因子として発見された。基本的にビフィズス菌はほかの菌種と比較すると多種類のオリゴ糖を利用できる。先述した4種類のオリゴ糖は小腸で消化されず、大腸でビフィズス菌のエサになりやすいという。しかしイソマルトオリゴ糖は利用可能だが、フラクトオリゴ糖は利用しにくいという菌が存在する(※3)。
主な食材
オリゴ糖は生理的機能性に注目されているが、加工食品の品質の向上目的で利用されている。たとえばイソマルトオリゴ糖は、もともと味噌・みりん・清酒のような調味料に含まれる成分だ。耐熱性や耐酸性にすぐれており、まろやかで旨みのある甘みが特徴のひとつ。また煮くずれ低減効果を有するため冷凍食品に使われている。また、天然食物にオリゴ糖が含まれており、フラクトオリゴ糖は玉ねぎ・アスパラガス・にんにく・ごぼう・ハチミツに多く含まれている(※3)。
結論
紹介したようにオリゴ糖は危険性の無い甘味料だ。先述したようにブドウ糖より低カロリーで腸内環境を整える効果が期待できる。ただし摂取し過ぎると、お腹が張ったり下痢を起こしたりする可能性があるので摂取量に注意することが大切だ。
(参考文献)