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調味料

調味料の「さしすせそ」の意味とは|役割や加える順番の理由

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2022年8月 1日

調味料の「さしすせそ」は普段料理をしない人でも聞いたことがあるだろう。しかし、いざ意味を聞かれると分からないという人も多い。調味料の「さしすせそ」を知らなくても料理はできるが、ぜひ豆知識として知っておきたい。ここでは、それぞれの意味と入れるタイミングなどについて紹介する。

  

1. 調味料の「さしすせそ」の意味と役割

調味料
誰もが一度は聞いたことがある、調味料の「さしすせそ」。それぞれ調味料の頭文字(一部を除く)を指すが、意外と間違える人も多い。ここでは、「さしすせそ」が指す調味料とそれぞれの役割を紹介する。

「さ」は砂糖の意味

「さ」は砂糖を表す。砂糖は菓子作りだけでなく、料理でも欠かすことができない調味料だ。砂糖は甘みを加えるために使われるが、料理にコクを出したり、ツヤを出したりしたいときにも使われる。また、砂糖は親水性があるため、料理の水分をキープしやすく乾燥を防いでくれる。ちなみに、砂糖と一口にいっても上白糖やざらめ糖、黒砂糖などの種類があり、使う砂糖によって甘みの種類が異なる。

「し」は塩の意味

「し」は塩を表す。塩は料理には欠かすことができない調味料で、塩を加えることで旨みが引き立つなど、料理の仕上がりに大きく関係してくる。同様に汁粉に塩を加えて甘みを引き立てたり、逆に酢に加えれば酸味をおさえたりなど、ほかの調味料のバランスを取る役割も担う。また、塩は微生物の繁殖を防ぐ働きもあり(※1)、食材の保存性を高めてくれる。ちなみに、塩は海水から作られる天然塩と加工して作られる精製塩の2つがある。

「す」は酢の意味

「す」は酢を表す。酢は酸味を加える調味料で、酢の物のようなさっぱりとした料理を作るときに使う。また、酢を使うと塩味が引き立つため減塩効果も期待できる(※2)。酢の主成分である酢酸には細菌の増殖をおさえる働きがあり(※2)、ピクルスやしめサバといった保存食づくりにも使われる。ちなみに、酢は穀物酢と果実酢の2つに大別することができ、前者は米酢や大麦黒酢など、後者はリンゴ酢やぶどう酢があてはまる。

「せ」は醤油の意味

「せ」は醤油を表す。醤油は和食に欠かすことができない調味料で、大豆と小麦を麹菌で発酵させて作られる。料理の味を調えるだけでなく、色付けや香り付けにも使われる。また、醤油には静菌(殺菌)効果もあり、醤油漬けや佃煮といった保存食を作るときにも使われる(※3)。醤油は色の違いによって濃口醤油や淡口醤油などに分類される。

醤油が「せ」なのはなぜ?

「せ」が醤油を指すようになったのは歴史的仮名遣いが関係している。現在は「しょうゆ」と仮名がふられるが、歴史的仮名遣いでは「せうゆ」と表記されていた。ちなみに、正式な歴史的仮名遣いは「しやうゆ」だそうだが、「せうゆ」が一般的に使われていたそうだ(※4)。そのため、「せ」には醤油が割りふられた。

「そ」は「味噌」の意味

「そ」はソースといいたいところだが、実は味噌を表す。味噌は醤油と同じく和食に欠かすことができない調味料だ。味噌は地域によってさまざまで、米や大豆、小麦など使う原材料によって風味が大きく異なる。味噌にはアミノ酸が多く含まれており、旨み成分であるグルタミン酸も豊富だ(※5)。そのため、味噌を加えると料理に旨みを付与できる。味噌の分類はさまざまで、色で分けることもあれば、味(甘口、辛口)で分けることもできる。

味噌が「そ」なのはなぜ?

「そ」が味噌になった理由は定かになっていない。日本では昔、味噌のことを「噌(そ)」と一文字で呼んでいたという説や、中国の「蘇(そ)」が元になったという説がある。しかし、後者に関してはカッテージチーズのようなもので現在の味噌とはまったく異なるため、前者のほうがしっくりくるだろう。

2. 調味料を「さしすせそ」順に加える理由

煮物を醤油で調味
調味料の「さしすせそ」はその順に入れるとよいといわれる。実はこの順番には明確な理由がある。ここでは、その理由を解説する。

砂糖が一番最初の理由

調味料を入れる順番で大きなポイントとなるのが分子の大きさと浸透圧だ。食材に味がしみ込むのは、食材から水分が抜けると同時に調味料が食材の中へ入っているからだ。このときの水が移動しようとする力を浸透圧という(※6)。砂糖や塩を加えると浸透圧が高まるため、調味料は食材にしみ込みやすくなる。しかし、しみ込むスピードは分子の大きさによって異なり、分子が大きいほどしみ込みにくい。砂糖の分子は塩の6倍ほどの大きさであるため、しみ込むのに時間がかかる。そのため、食材にしっかりとしみ込むように最初に加える。

塩が二番目の理由

塩は砂糖よりも分子の大きさが小さいため、砂糖と一緒に加えてしまうと塩が先にしみ込み、甘みがしみ込みにくくなってしまう。そのため、塩は二番目に加える。

酢や醤油・味噌がその後の理由

三番目以降の酢と醤油、味噌は味だけでなく風味や香りも関係してくる。これらの調味料は加熱によって風味や香りが飛びやすい。味噌汁は煮立てると風味がなくなるといわれていることからも分かる通り、なるべく加熱時間が短いほうがよい。そのため、砂糖と塩を加えた後、最後のほうに加える。

3. 調味料の「さしすせそ」を守らないとどうなる?

料理のさしすせそ
調味料の「さしすせそ」の順番は知っておいて損はない。しかし、この順番を守らなくても美味しい料理を作ることはできるため、厳守しなくてもよい。また、料理によっては順番を変えたほうがよい場合もある。たとえば、酢の酸味が苦手なら最初のほうに酢を加えて酸味を飛ばしたほうがよい。また、下味として使う場合や調味料をすべて混ぜ合わせてから使う場合など料理によって調味料の使い方は異なるので、臨機応変に対応しよう。

4. 「さしすせそ」以外の調味料を加えるタイミング

味醂
調味料の「さしすせそ」で出てくる調味料は使用頻度が高い調味料だが、それ以外にもさまざまな調味料がある。そこで疑問になるのが、「さしすせそ」以外の調味料をいつ加えるかだ。ここでは、よく使われる酒とみりんを加えるタイミングを紹介する。

酒を加えるタイミング

酒は砂糖の前に加えるのがおすすめだ。酒を最初に加えることで食材の臭みを消すことができる。また、味をしみ込みやすくする働きもあるため、ほかの調味料がしっかりとしみ込むようになる。

みりんを加えるタイミング

みりんは「本みりん」か「みりん風調味料」かで入れるタイミングが異なる。本みりんはアルコールが14%ほど含まれているため(※7)、酒と同じく食材の臭み消しとして使える。そのため、本みりんは最初に加えるとよい。ちなみに、本みりんのアルコールを飛ばす意味でも最初に加えるのがおすすめだ。一方、みりん風調味料はアルコールが1%未満で、糖分が多く含まれている(※7)。そのため、本みりんのように食材の臭み消しには使えない。しかし、糖分が多く含まれているため料理にツヤや照りを出すことができる。そのため、みりん風調味料は最後に加えるのがおすすめだ。

結論

調味料の「さしすせそ」は砂糖と塩、酢、醤油、味噌を表す。それぞれの頭文字を取っただけのようにも思えるが、実は調味料の加える順番にも関係しており、科学的根拠もある。ただし、料理によっては加える調味料の順番が変わるため、あくまで豆知識として知っておくとよい。
(参考文献)
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  • 更新日:

    2022年8月 1日

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