- ごま油(100g) 890kcal(※1)
- オリーブオイル(100g) 894kcal(※2)
- サラダ油(100g) 886kcal(※3)
- えごま油(100g) 897kcal(※4)
- (※1)〜(※4)文部科学省 https://fooddb.mext.go.jp/
- (※5)(※8公益社団法人 日本ビタミン学会 https://www.jstage.jst.go.jp/
- (※6)国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「ゴマリグナンの脂質代謝改善作用」 https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/nfri/1998/nfri98-06.html
- (※7)一般社団法人日本植物油協会「第1回 チャーハン(ごま油・アマニ油)」 https://www.oil.or.jp/recipe/jitan/vol1/
- (※9)公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンEの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-e.html
- (※10)一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンE」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_e/
- (※11)医療法人幸純会小杉中央クリニック「オリーブオイルはを摂りましょう。」 https://kosugi-clinic.net/
- (※12)農林水産省「脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/
1. ごま油は太るのか知りたい!
ごま油は風味づけとしても使われる油で、炒め油としてだけではなく料理の最後にちょっと加えるのもおすすめだ。しかし、ごま油を摂りすぎると太る可能性が高くなる。ここでは、ごま油が太るといわれる理由を紹介する。
ごま油は高カロリー!摂りすぎると太る
ごま油が太るといわれる最大の理由はカロリーの高さにある。ごま油100gあたりのカロリーは890kcalと非常に高い(※1)。とはいっても、ごま油を一度に100g使うことはないため、実際に使う量でカロリーを考えてみよう。たとえば、ごま油小さじ1杯(4g)だと約36kcal、大さじ1杯(12g)だと約107kcalとなる。大さじ1杯はそれほど多くない量に思えるが、実際は100kcal以上となるため摂りすぎると当然ながらカロリーオーバーになりやすい。ちなみに、ほかの油のカロリーとも比較してみよう。それぞれ以下のようになる。
比較すると多少の前後はあるものの油は総じてカロリーが高いことが分かる。そのため、ほかの油と一緒にごま油を使うときは注意したい。
ごま油の糖質は低い
太る要因はカロリーだけではない。最近では糖質にも注目が集まっており、糖質制限をしている人にとっては、ごま油にどれくらい糖質が含まれているか気になるだろう。結論からいってしまうと、ごま油には糖質がまったく含まれていない(※1)。そのため、糖質に関しては心配することはない。
2. ごま油には太るのではなく痩せる成分が入っている?
ごま油にはさまざまな成分が含まれており、なかには痩せる効果があるといわれる成分も含まれている。そのため、ごま油を摂取すればダイエットがしやすくなると思われがちだが、カロリーが高いため(※1)、摂取量が増えると太る原因になってしまう。ただし、ごま油には健康に役立つ成分も含まれており、必ずしもデメリットばかりではない。ここでは、ごま油に含まれる成分を紹介する。
ごま油の成分:セサミン
セサミンにはさまざまな効能がある。抗酸化作用や血圧の低下作用、コレステロール低下作用、さらには肝臓保護作用などその働きは多岐にわたる(※5)。また、血中の脂質濃度を下げる働きもあるといわれており(※6)、健康食品として注目を集めている。
ごま油の成分:オレイン酸
脂質を構成する成分は脂肪酸と呼ばれる。含まれる脂肪酸の種類や量によって脂質の性質は変わるが、ごま油の場合はオレイン酸が多く含まれている(※7)。オレイン酸は人の体内でも合成できる脂肪酸で、必ずしも食品から摂るべき栄養素ではない(※8)。しかし、オレイン酸には悪玉コレステロールと呼ばれる、LDL‐コレステロールを減少させる働きがあることが分かっている(※8)。
ごま油の成分:ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用が強いビタミンだ。その働きによって血管を健康に保ったり、血中のLDL‐コレステロールの酸化を抑制したりすることができる(※9)。また、ビタミンEは細胞の酸化も防いでくれるため、老化防止にも効果があるといわれている(※9)。
ごま油の成分:γ-トコフェロール
ビタミンEはα‐トコフェロール、β‐トコフェロール、γ-トコフェロール、δ‐トコフェロールの4つに大別される。それぞれ異なる働きを持っているのだが、ごま油にはγ‐トコフェロールが多く含まれており(※1)、γ‐トコフェロールの恩恵を受けることができる。γ‐トコフェロールにはナトリウム利尿作用があり(※10)、体内の余分なナトリウムを排出してくれる。そのため、むくみが気になる人には嬉しい成分だといえる。
3. ごま油で太るのを防ぐ方法
ごま油は摂取量に気を付けないと太る原因になってしまう。しかし、ごま油を使わないと味気がなくなってしまう料理もある。ここでは、太るのを防げるごま油の使い方について紹介する。
一日に大さじ1を目安にする
太るのを防ぐためには使用量を決めるのがよい。一日に使えるごま油の量を大さじ1杯と決めれば、ごま油による摂取カロリーを約100kcalに抑えることができる(※1)。わざわざ計量するのは面倒と思うかもしれないが、計量することで調味料から摂取するカロリーも分かりやすくなるため、ぜひ習慣に取り入れてみよう。
香りづけに少量使う
ごま油は香りづけにもよく使われるが、ついつい使いすぎてしまう原因にもなる。ごま油の使いすぎを防ぐためにも、香りの強いごま油を選ぶようにしよう。香りの強いごま油であれば少量でもしっかりと香りづけされるため、料理の満足感をそのままに摂取カロリーを減らすことができる。
食事の前に摂取する
ごま油に含まれるオレイン酸には満腹中枢を刺激する働きがある(※11)。そのため、食事前にごま油を摂取すれば、満腹中枢が刺激されるため食べ過ぎを防ぐことができる。ただし、満腹中枢が刺激されるのは摂取してから1時間後であるため、食事の1時間前に摂取しないと意味がない。また、ごま油を多く摂りすぎるとカロリーオーバーになってしまうため、摂取量には注意が必要だ。
動物性脂肪の代わりに使う
バターやラードといった動物性脂肪は美味しいが、摂りすぎるとLDL‐コレステロールが増加し、循環器疾患のリスクを増加させることが知られている(※12)。動物性油脂の代わりにごま油を使えば、LDL-コレステロールの増加を防ぐことができる。
結論
ごま油にはセサミンやビタミンEなどダイエットに向いている成分が含まれているが、ごま油自体のカロリーが高いため、摂りすぎると太る原因になる。しかし、ごま油の使用量を決める、香りづけでしか使わないといったようにルールを決めれば普段の料理に使うことができる。ごま油と上手に付き合って食生活を楽しもう。
(参考文献)