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蛇口・キッチン

流水解凍とは?もったいないのに流水を使う理由や正しいやり方

投稿者:ライター 麻生 実希(あそう みき)

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2022年8月18日

冷凍庫にある食材を急に使用しなければならなくなった場合、どのように解凍しているだろうか。冷蔵庫で解凍する時間はない。その状況においては「流水解凍」を試みた方もいるのではないか。一方で、流水解凍は水を多く使い、もったいないという認識もあるだろう。そこで、今回は流水解凍のやり方をおさらいし、効率よく解凍できるコツをお伝えしていく。流水解凍に向いている食材についても紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

  

1. 流水解凍とはどんな解凍方法?

純粋で透明な飲料水
流水解凍を実際に行った経験がある方も、正しい方法でできているだろうか。以下を読み、改めて解凍方法を確認してほしい。流水解凍を試した経験がない方も、正しいやり方を習得し、料理に役立てみてはいかがだろうか。

流れる水に浸す解凍方法

流水解凍の大きなメリットは解凍スピードの速さ。流水解凍は、名前の通り水を流しながら行う解凍方法だ。ただし、流れる水に食材をあてるだけではない。食材は水を張ったバットやボウルに入れたうえで、水を流すのだ。食材はきちんと保存袋などに入れよう。
なお、食材の袋に入れる際のポイントは後に詳しく解説するので、読み進めてほしい。

水道代がもったいない!流水を使うのはなぜ?

流水解凍は解凍時間が短縮できるとはいえ、水を出しながらの作業は水道代も気になるだろう。なぜ流水がよいのだろうか。
液体は空気に比べて熱伝導率が高いため、水に浸す解凍方法は冷蔵庫での解凍よりも短時間で済む。さらに、流水の勢いで食材が動くことにより熱伝導率は上昇し、解凍が早く進むというわけだ。

2. 流水解凍のやり方

真空パックされた新鮮な豚肉の一部
流水解凍は短時間でできる解凍方法だということをお伝えした。では詳しく手順を見てみよう。

手順1:冷凍食材を袋に入れる

大前提として、食材には水を直接かけないこと。パウチされている食材であれば、そのまま流水解凍を行えばよい。しかし、水が入り込んでしまう形状のパッケージの場合は、チャック付き保存袋のように密閉できる袋に移しておこう。食材の周りに空間があるなど、水に接しない形状の場合も袋に移し替えるのがよい。水に接しなければ熱伝導率が悪くなるからだ。

手順2:水を張った容器に食材を沈める

解説したとおり、食材は水を張った容器に入れる必要がある。バットやボウルに水を張り、食材がしっかりと水に浸るようにするのがポイントだ。食材がまんべんなく浸かるための広さ、深さのある容器を準備しよう。

手順3:解凍されるのを待つ

あとは食材が解凍されるまで待つ。水に浸かった食材は浮いてきてしまう場合もある。その際は皿などで上から押さえ、必ず食材が水に浸かることを心がけよう。食材全体が浸かっていないと水から出ている部分の解凍が進まず、ムラが生じたり解凍に時間がかかったりするからだ。

流水解凍の時間の目安

食材のサイズにより差はあるが、100gであれば5~7分が目安となるだろう。冷蔵庫での解凍に比べ、解凍時間は大幅に短縮できるのがよくわかる。

3. 食材別の流水解凍のコツ

解凍中のズワイガニの足
ここまでは流水解凍の基本的な方法について解説してきたが、食材によって上手に解凍できるコツがある。代表的な食材について詳しく紹介していこう。

カニの流水解凍のコツ

ご馳走ともいえるカニは、せっかくなら美味しくいただきたい。カニは生のままの冷凍か、茹でてからの冷凍かで解凍方法が異なる。
生の場合は短時間での解凍が向いているため、流水解凍がぴったりだ。直接水が触れないよう必ず袋に入れて密閉し、水を張ったボウルなどに浸して上から水を流そう。ポイントは、完全に解凍させないこと。6~8割程度の解凍に留めるのが美味しく食べられるコツだ。解凍後は必ず加熱料理していただこう。
茹でたカニを解凍する場合は、流水解凍ではなく冷蔵庫で時間をかけた解凍がおすすめ。急激な解凍はドリップが流出する原因になってしまい、旨みが逃げてしまうからだ。

エビの流水解凍のコツ

エビは流水解凍がおすすめだ。時間が経つと黒く変色してしまうため、急速な解凍が向いている。むきえびのようにさっと解凍できるものはザルに入れ、直接流水をあてて構わない。ただし、長時間水にあてると旨みが流れ出てしまう。時間がかかりそうな場合は冷凍のままのエビをビニール袋に入れて口を縛り、流水解凍しよう。

肉の流水解凍のコツ

肉の流水解凍も基本的な流れと同様だ。肉がしっかりと浸かるボウルなどに水を張って入れる。肉は必ず保存袋などに入れて密閉しておこう。浮いてこないように、重しをするのも忘れずに。
完全に解凍させるのではなく、半解凍の状態にするのがコツだ。ドリップが発生しにくく、調理にも適している。

4. 水だけでなくお湯でも流水解凍できる

お湯
流水解凍を活用すれば短時間で解凍でき、調理がスムーズに進む。さらに解凍時間を早めたい場合は、お湯を使う手段もある。
お湯で解凍する場合はボウルやバットなどに食材を入れ、ぬるま湯を入れる。お湯は35~40℃ぐらいが適温だ。解凍時間は100gで3~4分が適当。ぬるま湯を流しながら、ときどき食材の表裏を入れ替えて解凍を進めよう。
水よりも早く解凍できるが、肉の場合はドリップが流出するというデメリットもある。早急に調理に移りたいときなど、やむを得ない場合に行う程度がよいだろう。

5. 流水解凍に適した食材とは

冷凍した焼き鳥
流水解凍には、すでに加熱や味付け済みの食材が適している。流水解凍は解凍時間が早いのがメリットだが、表面から順に変色が見られる場合もある。また、食感の変化が起こり、味が損なわれる恐れもあるのだ。
これらは酵素の反応によって起こる変化なのだが、加熱や味付けが済んでいる食材であれば、この変化は起こりにくい。流水解凍に適した食材の例を挙げるとすれば、下味を付けた半調理のもの、下茹で済みの冷凍野菜などである。半解凍の状態で調理に進むなら、肉のかたまりやローストチキンも適しているので参考にしてほしい。

結論

流水解凍のメリットは、何といっても解凍時間の速さ。急いでいるときに役立つ解凍方法だろう。ただ水道水を流して食材をあてるのではなく、水を張った容器に食材をしっかりと浸して流水をかけるのがポイント。向いている食材も考慮しつつ、正しい流水解凍の方法で調理に活用してほしい。
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  • 更新日:

    2022年8月18日

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