目次
- ヘモグロビンの構成成分となり酸素を運搬する
- ミオグロビンの構成成分となり筋肉に酸素を蓄える
- 鉄欠乏性貧血を予防する
- 赤血球がつくられるのを助ける
- 胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低下させる
- 身体の発育を助ける
- コラーゲンを生成する
- 軟骨・歯・毛細血管を正常に保つ
- メラニン色素がつくられるのを抑制する
- 抵抗力を強める
- 代謝や身体の機能を調節する
- 免疫力を強める
- 便容量を増やして排便を促す
- 有害物質を便とともに身体の外に排出する
- 善玉菌を増やして腸内環境を改善する
- ※1〜※7※11出典:文部科学省 食品成分データベース「野菜類/ブロッコリー/花序/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06263_7
- ※8※12〜※16出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/
- ※9出典:大塚製薬株式会社 ADPKD.JP「カリウム | 栄養素から見た腎臓~腎由来のさまざまな血液中の成分の異常」 https://www.adpkd.jp
1. ブロッコリーのカリウム量は多い?

ブロッコリーには、カリウムが多いのだろうか。ブロッコリーのカリウム含有量を、文部科学省の食品成分データベースを参考に見てみよう。
ブロッコリーのカリウム含有量
生のブロッコリー100gには、460mgのカリウムが含まれている。(※1)なお、ブロッコリー1個の重さは200g程度。ブロッコリーを1個まるごと食べると、920mgのカリウムを摂取できる計算だ。
ほかの野菜や果物と比較
ほかの野菜や果物のカリウム含有量も気になるところ。ほかの野菜と果物のカリウム含有量は、以下のとおりだ。
ほうれん草に含まれるカリウム量は、690mg。(※2)そして、カリフラワーには410mg(※3)、トマトには210mg(※4)のカリウムが含まれている。また、果物に含まれるカリウム量は、バナナで360mg(※5)、果肉が緑色のキウイフルーツで300mgだ。(※6)
これは、どれも生の状態で100gを食べたときに摂取できるカリウム量である。ほうれん草には多くのカリウムが含まれているが、ブロッコリーもカリウムが豊富な野菜であるといえるだろう。
2. ブロッコリーのカリウム量は調理法で変化する

野菜のなかには、調理法によってカリウム量が大幅に変化するものがある。ブロッコリーはその一例だ。どれだけ変化するのかについて、以下にまとめた。
茹でるとカリウムは半減する
100gのブロッコリーを茹でたときのカリウム量は、210mg。(※7)計算してみると、生の状態の約46%になっていることがわかる。ブロッコリーを茹でるとカリウムが半減するのは、カリウムが水溶性であるから。(※8)水に溶け出してしまうため、減ってしまうというわけだ。
蒸し焼きやレンジ加熱では大きく変わらない
ブロッコリーを茹でずに加熱する場合は、カリウムが水に溶けださないので多く残りやすい。ブロッコリーのカリウム残存率は、蒸し焼きでは約91%、レンジ加熱では約95%となっている。そのため、カリウムをしっかり摂取したいときは、蒸し焼きやレンジ加熱がおすすめだ。
冷凍ブロッコリーもカリウムは少ない
100gの冷凍ブロッコリーに含まれるカリウム量は、210mg。茹でた場合と同様、カリウム残存率が約46%程度になっていることがわかる。その理由は、冷凍ブロッコリーが短時間ながらも熱湯や蒸気により下茹でされているから。そのため、茹でたときのカリウム量と変わらない値となっている。
3. ブロッコリーのカリウムの摂取量の目安

ブロッコリーに多く含まれるカリウムの、摂取量の目安について説明する。
1日の摂取量の目安
18歳以上における1日のカリウム摂取量の目安は、男性2,500mg、女性2,000mg。(※8)蒸し焼きやレンジで加熱したブロッコリーを100g(半分程度)食べると、目安の17%前後が摂取できる。
カリウムの働きは、ナトリウムの排出を促進して血圧を下げること。また、神経刺激の伝達、心臓・筋肉機能の調節にも深く関わっている。そのためカリウム不足は、脱力感や筋力低下、骨格筋の麻痺、食欲不振などにつながってしまう。(※8)
ブロッコリーはカリウムが豊富だ。健康維持のために食事に取り入れることをおすすめしたい。
腎臓病の場合の目安
腎臓病の場合、カリウム摂取量の目安は2,500mg/日ではない。というのも、腎機能が低下していると、カリウムを尿中に排出しにくくなるからだ。血中のカリウム濃度が上昇すると、突然死につながるような不整脈が起こることも。そのため、腎臓病がある方はカリウムの過剰摂取に注意が必要である。(※9)
腎臓病の方は、50gが1日のブロッコリー摂取量の目安になる。(※10)カリウムを摂り過ぎないために、茹でて食べるのがポイントだ。
4. カリウム以外のブロッコリーの栄養素

ブロッコリーには、カリウム以外にも多くの栄養素が含まれている。ブロッコリーに含まれるカリウム以外の栄養素(※11、※16)と、その働きを見てみよう。
【鉄】(※12)
【葉酸】(※13)
【ビタミンC】(※14)
【タンパク質】(※15)
【不溶性食物繊維】(※16)
ブロッコリーは、細胞の浸透圧を維持してくれるカリウムなどのほかに、貧血を予防したり腸内環境を整えたりしてくれる栄養素も含んだ野菜なのだ。
結論
ブロッコリーに含まれているカリウムや、そのほかの栄養素について紹介した。ブロッコリーのカリウム量は、調理方法によって異なる。そのため、カリウムを効果的に摂取したい場合には、蒸し焼きやレンジ加熱がおすすめだ。カリウムの摂取量の目安を参考にして、健康のためにぜひブロッコリーを食事に取り入れてほしい。
(参考文献)