目次
- 1. 食用ひまわりの種の栄養素と効果効能
- 2. ひまわりの種の栄養価とカロリー
- 3. ひまわりの種とかぼちゃの種の栄養の違い
- 4. 栄養豊富なひまわりの種の食べ方
- 5. ひまわりの種には毒性があって危険?
1. 食用ひまわりの種の栄養素と効果効能

ハムスターやリスを飼っている人には馴染み深いかもしれない、ひまわりの種。実は食用のものも広く販売されている。一般的に種子類は、栄養豊富と言われることが多いが、ひまわりの種はどうなのだろうか。ここではまず含まれる栄養素を詳しくみていこう。
ビタミンE
食用ひまわりの種には、ビタミンEが含まれている。ビタミンEは、脂溶性ビタミンのひとつで強い抗酸化能があるといわれている。生殖機能や生体膜の機能を正常に保つ、赤血球の溶血を防ぐなどの作用がある。不足すると血行不良を起こし、肩こりや頭痛などを引き起こす可能性もある。
食用ひまわりの種には、ビタミンEの中でもα-トコフェロールが多く含まれている。これはビタミンEのなかでも最も体内に多く含まれているもので、生理作用が強いものだ。(※1、2)
リノール酸
食用ひまわりの種には、リノール酸が多く含まれている。リノール酸は脂肪酸のひとつだ。脂肪酸は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けることができるが、リノール酸は不飽和脂肪酸に分類される。不飽和脂肪には、コレステロールや血圧の抑制、血栓予防など、多くの効果が期待されているが、リノール酸においては、過剰摂取による弊害も懸念されている。(※1、3)
ビオチン
食用ひまわりの種には、ビオチンが多く含まれている。ビオチンはビタミンB群のひとつで、脂肪酸代謝やアミノ酸代謝の補酵素としての働きがあるほか、皮膚や粘膜、爪や髪の毛などを健康に保つことにも寄与している。不足するとアトピー性皮膚炎などの皮膚関連の疾患、さらにはうつなどの症状が現れることもあるといわれている。(※1、4)
セレン
食用ひまわりの種には、セレンが多く含まれている。セレンはミネラルのひとつで、抗酸化作用を有し、細胞が酸化するのを抑制する効果がある。またビタミンEとの同時摂取でより効果が発揮されるといわれている。(※1、5、6)
カリウム
食用ひまわりの種には、カリウムも少し含まれている。カリウムはナトリウムと相互作用しつつ、細胞の浸透圧、および水分保持に重要な役割を果たしている。(※1、7)
銅
食用ひまわりの種には、銅が多く含まれている。銅は貧血予防に必須の成分であるほか、免疫力を高めたり、動脈硬化予防にも寄与している。(※1、8)
葉酸
食用ひまわりの種には、葉酸が多く含まれている。葉酸は造血のビタミンの異名を取る存在で、その名の通りビタミンB12とともに赤血球を作る役割を担っている。胎児にとっても非常に重要な栄養素なので、妊娠中にも欠かせない栄養素とされている。また成長期にも不足しがちなので、積極的な摂取が求められる。(※1、9)
タンパク質
食用ひまわりの種には、タンパク質もわずかながら含まれている。タンパク質は三大栄養素のひとつで、筋肉や臓器など体の構成要素として欠かすことのできないものである。(※1、10)
そのほかの栄養素
そのほか、食用ひまわりの種には、ビタミンB群が多く含まれている。加えて、マグネシウムやマンガン、モリブデンなども豊富に含まれているといえるだろう。
2. ひまわりの種の栄養価とカロリー

食用ひまわりの種は、小さいながら非常に多くの栄養素を含む存在であることがお分かりいただけるだろう。ここでは栄養価とカロリーを詳しく数値でみていこう。
ひまわりの種の栄養成分
ここではわかりやすいよう、1食分およそ10gの量でその数値を確認していく。
ひまわりの種10g
エネルギー/61kcal
タンパク質/2.0g
脂質/5.6g
炭水化物/1.7g
ナトリウム/25mg
カリウム/75mg
カルシウム/8.1mg
マグネシウム/39mg
リン/83mg
鉄/0.36mg
亜鉛/0.5mg
銅/0.18mg
マンガン/0.23mg
セレン/9.5μg
モリブデン/2.8μg
ビタミンA/0.1μg
ビタミンE/1.2mg
ビタミンB1/0.17mg
ビタミンB2/0.03mg
ナイアシン/0.67mg
ビタミンB6/0.12mg
葉酸/28μg
パントテン酸/0.17mg
ビオチン/8.01μg
食塩相当量/0.06g(※1)
3. ひまわりの種とかぼちゃの種の栄養の違い

食用ひまわりの種と混同されがちなのが、かぼちゃの種である。かぼちゃの種の栄養を数値でみながらその違いについて解説をしていこう。
かぼちゃの種10g
エネルギー/57kcal
タンパク質/2.7g
脂質/5.2g
炭水化物/1.2g
ナトリウム/4.7mg
カリウム/84mg
カルシウム/4.4mg
マグネシウム/53mg
リン/110mg
鉄/0.65mg
亜鉛/0.77mg
銅/0.13mg
マンガン/0.44mg
セレン/0.5μg
モリブデン/4.2μg
ビタミンA/0.4μg
ビタミンE/0.06mg
ビタミンB1/0.02mg
ビタミンB2/0.02mg
ナイアシン/0.44mg
ビタミンB6/0.02mg
葉酸/7.9μg
パントテン酸/0.07mg
ビオチン/1.29μg
食塩相当量/0.01g(※11)
かぼちゃの種との比較
ビタミンEやビタミンB群、葉酸、ビオチンなどは、かぼちゃの種に比べて食用ひまわりの種の方に多く含まれていることがわかる。ただし、両者ともに脂質が非常に多い。
4. 栄養豊富なひまわりの種の食べ方

ビタミンEやビタミンB群、葉酸、ビオチンなど、多くの栄養素が含まれている食用ひまわりの種だが、食べ方には少し工夫が必要である。というのもカロリーが比較的高めなのだ。ここではおすすめの食べ方と目安となる摂取量をまとめていこう。
ひまわりの種のおすすめの食べ方
食用ひまわりの種は、食べるとナッツ特有のほのかな甘みが感じられる。そのまま食べるもよし、サラダのトッピングに散りばめると食感が加わり、新鮮な味わいを楽しむことができる。軽くローストするとより香ばしさが感じられるのでおすすめだ。そのほか、チョコレートがけにしたり、自家製グラノーラにするとより食べやすくなるだろう。
ひまわりの種の摂取量の目安
間食として食べるのなら、10g程度が適切であろう。サラダなどに加えるにあたってもそれくらいで充分だ。カロリーが割に高い食材なので、食べ過ぎに注意したい。
5. ひまわりの種には毒性があって危険?

ひまわりの種に毒性があるという記述はあまり見当たらない。注意すべきは食用のひまわりの種を選ぶこと。栽培用や観賞用も広く販売されているので、しっかりと見分けたい。
結論
ひまわりの種は、栄養素が豊富な食材である。同時にカロリーも高いので、大量摂取には向かない。少量を上手に料理やお菓子作りなどに取り入れるといいだろう。栽培用や観賞用も販売されているので、食用を選び、美味しくいただきたい。
(参考文献)
※1※11:株式会社 amaze
※2〜※5※7〜※10:公益財団法人長寿科学復興財団
※6:大塚製薬株式会社「セレン 」