目次
- 酒粕
- 米麹
1. 甘酒ダイエットで得られる効果

古い文献から、日本では平安時代から存在したといわれる甘酒。(※1)甘酒には、米麹を使うタイプと酒粕から作るものがある。それぞれの甘酒がもつ栄養素は異なるため、期待できる効果も変わってくる。しかし、いずれの甘酒も豊富な栄養素が含まれていることには変わりない。その効果を見てみよう。(※2)
便通の改善
甘酒は便通の改善につながる可能性がある。(※3)米麹の甘酒にはオリゴ糖が、酒粕から作るタイプには食物繊維が含まれている。(※2)これらの成分によって腸内の状況が改善され、便秘も解決する可能性があるのである。
腸内環境の改善
森永製菓の報告によれば、米麹と酒粕を使った甘酒は、腸内の善玉菌を増やす条件を備えているそうだ。その結果、甘酒の摂取は腸内の環境を改善させると考えられる。(※3)
肥満改善効果
大関株式会社の研究所によると、酒粕には肥満改善効果が認められたという。実験の段階ではあるものの、酒粕は肥満の改善に役立つ可能性が示唆されている。(※4)
美容効果
森永製菓の報告や生物工学会誌を参考にすると、米麹から作った甘酒は美肌のためにも有効な食材である。(※3、5)麹に由来するセラミドが肌に潤いを与え、肌のバリア機能を改善するのだという。肌のトラブルが気になる場合には、甘酒が有効かもしれない。
さらに、上述したように、腸内環境を整えることでもたらされる美容効果も無視できないの。(※6)加えて、甘酒に含まれるビタミンB群は体内の老廃物除去に効果があるため、必然的に美容に貢献することになる。(※7)
2. 甘酒ダイエットの正しいやり方

甘酒を使ってダイエットをしたい場合、具体的にどのタイミングでどのくらい摂取すべきなのだろうか。ダイエットに役立つ方法を紹介する。
やり方とポイント
栄養価が高い甘酒は、朝食やおやつに摂取するという方法がある。食欲がない朝や、ダイエット中に小腹が空いた場合、甘酒は栄養を摂取しつつ胃も満たしてくれる。ごはんやパンなどの炭水化物の代わりに甘酒を飲むなど、カロリーの過剰摂取に留意しつつ食生活に組み込みたい。
1日の摂取量
文部科学省の食品成分データベースを参考にすると、甘酒100g当たりのカロリーは、76kcalほどある。糖質は17.9g、いずれの数字も飲料としては決して低くない。(※8)甘酒を飲む場合には、1日コップ1杯ほどが適量である。体にいいからといって、むやみやたらと摂取することは控えよう。
3. 甘酒をダイエットで使うための選び方

最近は甘酒ブームのせいか、商品化された甘酒を見かけることが多くなった。ダイエットに使う場合には、どの甘酒を選択すべきなのか。そのポイントを見てみよう。
酒粕と米麹の2種類
既述したように、甘酒には酒粕を原料とするものと米麹を使用するタイプとがある。それぞれの特徴をまとめる。
アルコール分を含んでいる可能性がある
タンパク質、食物繊維、ミネラルのほか、発酵から生まれる栄養素を多く含む
アルコール分を含まない
ビタミンやオリゴ糖が豊富である
これらの特徴を踏まえ、健康状態を考慮して甘酒を選ぶとよい。また、なるべく砂糖が加えられていないものや、白米ではなく玄米を原料とする甘酒を選ぶとより栄養面での効能が期待できるだろう。(※9)
結論
飲む点滴などと呼ばれ、その豊富な栄養が見直されている甘酒。甘酒の栄養ともたらされる効能は、ダイエットを行う場合にも大いに役に立つ。腸内環境を整え、肥満を改善する可能性も有していることから、上手に食生活に組み込みたい。ただしカロリーや糖質は高めであるため、適量の摂取が必須である。状況にマッチする甘酒を選択して、正しいダイエットに活用してほしい。
(参考文献)
※1.平凡社世界大百科事典
※2.農林水産省「甘酒には2種類の作り方があるとのことですが、ノンアルコールのものはどちらですか。2種類の違いも教えてください。」
※3.森永製菓株式会社「甘酒」
※4.文部科学省所管の国立研究開発法人科学技術振興機構「酒粕の機能特性とそれを活かした商品開発」P.13-14
※5.文部科学省所管の国立研究開発法人科学技術振興機構「麹甘酒の成分・機能性・安全性」P.192
※6.一般財団法人内面美容医学財団「酵素ファスティングとは」
※7.一般財団法人日本健康文化振興会「身体が冷えるこの時期に"甘酒"でホッとひと息!」
※8.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂) し好飲料類/<その他>/甘酒」
※9.農林水産省「お米と『ごはん』」