目次
1. 鶏肉の解凍を冷蔵庫で行う方法

冷凍した鶏肉の解凍方法で、もっともおすすめなのは冷蔵庫での自然解凍である。メリットとデメリットも含め、冷蔵庫で行う解凍方法について見ていこう。
冷蔵庫で解凍するメリットとデメリット
鶏肉を冷凍庫から冷蔵庫に移すだけという、簡単な方法である。冷凍保存の際に使用した保存袋などに入れた状態で、バットやトレーなどにのせて冷蔵庫の最下段に置いておこう。バットなどを使用することで、解凍されて水滴が落ちたときに庫内やほかの食材が濡れるのを防ぐことができる。
メリット:品質が変わりにくい
冷蔵庫で解凍すると、ゆっくりと鶏肉の温度が上がっていく。急激な温度変化がないため品質が変わりにくく、最も安全に美味しい状態に解凍することができる。
デメリット:時間がかかる
温度変化が緩やかなぶん、解凍に時間がかかる。所要時間は鶏肉の大きさによっても異なるが、400~500gの場合で約5時間が目安である。すぐに調理したい場合には向かない方法だ。
2. 鶏肉の解凍を流水で行う方法

冷蔵庫での自然解凍よりも時短で解凍したい場合は、流水解凍がおすすめだ。水道水を流して鶏肉に当てながら解凍していく方法である。
流水を使うメリットとデメリット
冷凍鶏肉を保存袋ごとボウルに入れ、水道水をボウルに流し入れながら解凍する。鶏肉が浮いてこないよう、水を入れたペットボトルやお皿などを重しにするのがポイントだ。水の対流をしっかり鶏肉に当てるようにすることで、少しずつ解凍されていく。保存袋がしっかり密封されているか確認してから解凍しよう。
メリット:短時間で解凍できる、品質が変わりにくい
冷蔵庫での自然解凍に比べて短い時間で解凍できるため、すぐに調理したいときにも使える方法である。所要時間は水温によっても異なるので、様子を見ながら解凍するとよい。また、解凍時の品質の変化が少ない点もメリットの一つである。
デメリット:水道水を大量に使用する
流水解凍の場合、少量(100g程度)の鶏肉でも5分ほど水をかけ続けることになる。そのため、水道水を流しっぱなしにすることに抵抗のある人には向かない。
氷水につける方法もある
流水解凍と似た方法に、氷水の入ったボウルに鶏肉をつけて解凍するというものがある。鶏肉が氷水に完全につかった状態を保ちながら、ゆっくり解凍していく。所要時間は400~500gの鶏肉で約1時間が目安である。流水解凍よりは時間がかかるが、冷蔵庫での解凍よりは短時間だ。30分程度で氷水を取り替える必要があるが、水の使用量はかなりおさえられる。
3. 鶏肉の解凍を電子レンジで行う方法

鶏肉をより早く解凍したい場合は、電子レンジを使った方法がおすすめである。
電子レンジを使うメリットとデメリット
保存袋から取り出した鶏肉を、電子レンジに対応した容器に移す。その際、鶏肉と容器の間にキッチンペーパーを敷いておくとよい。解凍時に出る液体(ドリップ)が吸収されるからだ。解凍モードか100~200Wの弱モードで1分加熱、上下を返し1分加熱というように、状態を見ながら繰り返していこう。
メリット:短時間で解凍できる
急いで解凍したいときなどには、便利な方法である。電子レンジは食品の大きさによって加熱時間、解凍時間が異なるため、とくに鶏肉が少量の場合は手早く解凍できる。
デメリット:大きな鶏肉には向かない、やや手間がかかる
丸鶏など肉が大きい場合、電子レンジでの解凍は加熱ムラができやすく時間もかかってしまう。また、加熱しすぎると品質が変わり衛生上のリスクも高まってしまうため、1分ごとに様子を見る必要がある。
4. 鶏肉を解凍する際のポイント

解凍した鶏肉は、速やかに調理する必要がある。せっかく安全に解凍しても、調理前に常温で放置してしまったら傷む原因になる。また、冷蔵庫での再保存や再冷凍もできないため、必要な量だけ解凍するようにしよう。
調理前のポイント
温度変化が緩やかな解凍方法を推奨する理由の一つが、解凍時に鶏肉から出るドリップの流出をおさえられることだ。しかし、完全に出ないようにすることは難しい。鶏肉からドリップが出ている状態で調理すると、料理に水っぽさやアク、臭みが出てしまう。そのため、鶏肉の表面をキッチンペーパーでふき取ってから調理するとよい。
半解凍がおすすめ
鶏肉を完全に解凍すると、ドリップの流出量も増えてしまう。そのため、中心部まで完全に解凍するのではなく、外側が溶けた半解凍の状態にとどめるのがおすすめだ。生よりも半解凍のほうが包丁で切りやすく、調理しやすいというメリットもある。
結論
鶏肉の解凍方法には、主に冷蔵庫での自然解凍、流水解凍(氷水解凍)、電子レンジでの解凍の3つがある。それぞれメリットとデメリットがあるため、特徴を踏まえて使いやすい方法を選ぼう。上手な解凍のポイントは、ドリップの流出を最小限にすることだ。急激な温度変化を控え、半解凍状態にとどめることで、美味しく安全に鶏肉を食べることができる。