目次
- ※1※7.小学館日本大百科全書 https://kotobank.jp/dictionary/nipponica/
- ※2.小学館デジタル大辞泉 https://kotobank.jp/dictionary/daijisen/
- ※3.※9農林水産省 https://www.maff.go.jp/
- ※4〜※6※8.厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/
- ※10.政府統計の総合窓口「男女,年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」 https://www.e-stat.go.jp/
1. 一人暮らしのめんどくさい食事作りを続ける6つのコツ

一人暮らしの食事作りは、男にも無縁ではないご時世である。料理男子がもてはやされる昨今、男性もキッチンに立つことが不思議ではない時代になった。とはいえ、慣れない料理におぼつかなさを感じる男性諸君も多いはずである。まずは、一人暮らしの食事作りを持続させるコツを見てみよう。
1:主食・主菜・副菜で栄養バランスを取る
一人暮らしの食事は、栄養や味よりも満腹感を重視しがちである。エネルギーのもととなる炭水化物を主食にし(※1)、生命の維持に必要なタンパク質は主菜で(※2)、食物繊維やミネラル、ビタミンといった栄養の補給源として副菜といった具合に、バランスよく食べることを常に心がけるようにしよう。主食、主菜、副菜にこだわることで献立も立てやすくなる。
2:手軽な食べ物で栄養不足対策をする
一人暮らしの食事は、肩に力を入れすぎると長続きしない。外観や高価な食材にこだわるのではなく、手軽で身近な食材をふんだんに入れると栄養不足も解消するだろう。調理する必要もない食材、価格も手頃で気軽に買うことができる旬の食材、常にスーパーで販売されている卵や納豆、ヨーグルトなどを活用することで、料理のハードルも下がるのである。
3:冷凍食材や缶詰を利用する
まるごとの野菜、鮮度が落ちやすい魚や肉など、一人暮らしの料理では使い切れないうちに食材が傷んでしまうケースはよくあることだ。これらを避けるために、冷凍食材や缶詰など、長期の保存が可能な食品を大いに活用しよう。余ってしまった場合は冷凍したり、足りないタンパク質は缶詰の食品を使うなど、工夫はいくらでもできる。
4:コスパの良い食材を購入する
一人暮らしの料理の極意は、使い勝手のいい食材を選ぶとコスパがよくなる。豆腐、ジャガイモ、もやし、きのこなど、和洋中のどんな調味料にも合わせやすい食材ならば、毎日使用しても飽きることはなく、よって廃棄する可能性も低くなる。
5:作り置きや下味冷凍する
一人暮らしの食事作りをよりシンプルにするには、多めに作って作り置きにしたり、時間があるときに下味を付けて冷凍しておくなどの工夫をすれば円滑である。休日の気分転換に食材の下処理をするのもよし、多めに作ったほうが美味しいおかずは冷凍しておくのもよし、それほど難しい手間ではない。こうした工夫によって、多忙な毎日の食事作りは格段に簡略化されるのである。
6:サブスクの宅配弁当やミールセットを利用する
一人暮らしの食事作りは、若者や健康な人ばかりがすることではない。高齢者やうつを患って外出できない人も、必要に応じてしなくてはいけないのが料理である。この場合は、献立のお膳立てをして食材を配達してくれるサブスクやミールセット、宅配の弁当を活用する手もある。自分で買い物をして調理することに比べると割高ではあるが、外食するよりは安く上がる。経費と自分が置かれた状況を考慮して、便利なサービスを上手に取り入れるのもコツである。
2. 一人暮らしの食事で不足しやすい栄養

気楽な一人暮らしにはさまざまなメリットがある一方、農林水産省は一人で食事をとる人の栄養バランスは、複数で食事をする人のそれと比べるとイマイチという報告をしている。(※3)それでは、一人暮らしの食事に不足しがちな栄養とはなんなのか。具体的に見ていこう。
食物繊維
厚生労働省が発表している「国民健康・栄養調査報告」(※4)の実際の数字と、「日本人の食事摂取基準」(※5)による理想的な栄養素の摂取量を比較してみると、まず食物繊維の不足が目立つ。30代の男性の理想的な食物繊維摂取量は1日につき21g以上である。(※5)一方、実際に摂取されている平均値は17g。(※4)食物繊維は大腸まで到達する栄養素であり、腸内の環境を整えるだけではなくコレステロール値などを下げる効果も報告されている。(※6)全粒粉のパンや豆類、野菜類を積極的に摂取することで、食物繊維の不足を解消できる。(※6)
ビタミンA
視覚や聴覚、生殖機能や粘膜などに重要な役割を果たすビタミンAも(※7)、一人暮らしの食事に不足しがちである。30代の男性が1日に摂取を推奨されているビタミンAの量が900μgであるのに対し(※5)、実際の摂取量の平均は438μgとなっている。(※4)ビタミンAを多く含む食品には、レバーやウナギ、人参やホウレンソウがある。
カルシウム
幼少時からその摂取の重要性を叩きこまれているカルシウムも、一人暮らしの食事では不足していることが多い。理想的な摂取量は1日あたり750mgであるのに対し(※5)、実際の摂取平均は401mgとなっている。(※4)カルシウムは骨や歯にとって非常に重要なミネラルであり、筋肉や神経にも影響を与えている。(※8)カルシウムは乳製品や小魚、大豆を原料とする食品や海藻を食べることで、その不足を補うことができるだろう。
3. 高コスパで栄養もばっちり!一人暮らしにおすすめメニュー

栄養面でもコスパの面でも満足させてくれるようなメニューにはどのようなものがあるだろうか。一人暮らしでも気軽に作ることができ、かつ栄養満点で高コスパメニューをいくつか紹介する。
炊き込みご飯
主食のご飯と具材をともに料理できる炊き込みご飯は、料理の手間も省けるメニューである。使用する具材には、鯖やサンマなどの缶詰を使用すると不足しがちなカルシウムも補給できる。そのほか、通年で安価に入手できるきのこや鮭などの魚介類を炊き込んでも美味しく経済的である。和風の味付けだけではなく、バターやガーリック風味に仕上げても乙である。
具材たっぷり味噌汁
味噌汁は一人暮らしの食卓に欠かせないメニューである。豆腐やわかめといった定番の具材だけではなく、冷蔵庫にある肉や野菜をたっぷりと入れて豚汁風にすれば栄養面でも盤石である。
ミートソース
パスタのメニューとして人気のミートソース。ひき肉と細かく切った野菜で作るミートソースは、多めに作って冷凍しておくと便利である。パスタだけではなく、野菜の上にかけてグラタン風にしたり、卵焼きや炒めものの具や味付けにも応用できる。
炒めもの
炒めものは、フライパンひとつでできる手軽さが嬉しい。もやしやキャベツなどコスパのよい野菜をたっぷり使っても、加熱することでかさが減少するので野菜をたくさん食べられるというメリットがある。キムチや市販の調味料を駆使して味付けすれば、たかが炒めものといってもバリエーションは多い。豆腐やジャガイモなど、とくに高コスパの食材を使ってもさまざまに楽しめる。
4. 一人暮らしの食事の予算の目安

最新の政府の統計によれば、一人暮らしの男性の場合、1か月にかかる食費は平均で3万8千円ほどである。(※10)一人暮らしの女性の平均が3万2千円であることを考えると(※10)、男性は外食等による散財が多いことが見受けられる。毎日ではなくても、自炊をすることによって食費を減らすことは可能である。作り置きによる冷凍、安価な食材の活用、夕食の残りは翌日のお弁当にするなど、工夫はいくつもある。自炊をはじめた当初は、食材の購入する量が不明で買い過ぎてしまう可能性もあるが、これも慣れである。新鮮な食材の活用や塩分の調整は、健康への寄与にもつながる。一人暮らしの自炊にはさまざまなメリットがあるのだ。
結論
男性も料理をするのが特別なことではなくなった現在、一人暮らしの食事を自炊する人は少なくない。自炊を持続させるには、肩に力を入れずカジュアルに楽しく作るのがコツである。身近にある安い食材、市販の調味料、冷凍庫や電子レンジも駆使して食事を作れば、食費の負担も軽減する。不足しがちな栄養も意識しながら、ぜひ一人暮らしの食事作りを楽しんでほしい。
(参考文献)