- ※1出典:公益財団法人長寿科学振興財団「カルシウムの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-ca.html
- ※2出典: 一般社団法人日本きのこマイスター「おいしくヘルシーに夏こそキノコを食べよう」 https://kinokomeister.com/wp-content/uploads/2018/05/180515.pdf
- ※3出典:東京聖栄大学「Ⅰ-4 キノコの携帯別活用法の分類」 https://www.tsc-05.ac.jp/pdf_con_research/hanawa_kinoko/r01/4.pdf
1. きのこと食べ合わせの悪い食材
古くから人々は、一緒に食べると体調を崩しやすい食材を合食の禁として伝承してきた。きのこもそのリストにいくつか挙げられている。ただ、この合食の禁は科学的根拠がないものも多く、現代においては必ずしもNGとはならない。ここではきのこと食べ合わせの悪い食材が本当にあるのかを解説していこう。
伝承されてきた食材
合食の禁にリストアップされているのは、「雉肉ときくらげ」「雉肉ときのこたけ」「鴨肉と卵ときくらげ」「ほうれん草ときのこ」などである。現代において、日常的に雉肉を食べることはないのでこれらは参考にはならない。「鴨肉と卵ときくらげ」「ほうれん草ときのこ」は、今でも食べる可能性のある食材だが、これらについても科学的根拠は見受けられない。東洋医学や薬膳的に捉えると鴨肉ときくらげは双方、熱を冷ます働きがあるのでお腹を下すことがあるとされている。
2. きのこと食べ合わせの良い食材
きのこと食べ合わせが致命的に悪い食材は、あまり見当たらないようだ。ただし、体調や体質によっても異なるので無理をしすぎないように注意したい。ここからは逆にきのこと相性の良い食材についてリサーチしていこう。
相性のいい食材
きのこと食べると栄養バランス的に優れていたり、より効率的に栄養を摂取できる食材の特徴をまとめていこう。
カルシウム豊富な食材
きのこにはカルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富に含まれている。このことから、カルシウムをたくさん含む食材と合わせると効率よく、栄養を摂取することができる。牛乳やチーズ、ヨーグルトなどと相性がいい。(※1)
油分
さらにビタミンDやカルシウムは油を使うことで、さらに効率よく吸収することができるようになる。このため、油を使った調理にも向いている。
グルタミン酸豊富な食材
きのこ、とくに干したものにはグアニル酸と呼ばれる旨みの元が多く含まれている。これはほかの旨み成分と掛け合わせることで相乗効果を発揮し、より旨みがアップする。グルタミン酸を含むトマトやとうもろこし、昆布などがおすすめだ。(※2)
3. きのこ料理のランキング
ここからは実際にきのこを食べるときに参考になるよう、きのこ料理を紹介していこう。
料理の種類と特徴
東京聖栄大学の研究論文によるNHK『きょうの料理』の人気きのこ料理の分析によるランキングから、とくに気になる人気料理をピックアップするので参考にしてみてはいかがだろうか。(※3)
えのき豚
えのきと豚肉を重ねて蒸す料理で、非常にシンプル。かつヘルシーなので、体型が気になる人にもぴったりだ。タンパク質を合わせることで、栄養バランスもよくなる。
豆腐のきのこあんかけ
きのこの旨みが出た煮汁を豆腐が吸って、シンプルながら満足感のある味わいが自慢。あんかけにすることで、食べやすく、栄養満点の煮汁まで余すことなく食べることができる。ミツバやネギ、茗荷など、薬味で季節感を演出するのもおすすめ。
ミックスきのこマリネ
きのこは数種類合わせると旨みの相乗効果で、ぐっと美味しく感じられる。さらに一旦冷凍すると細胞が壊れ、旨みがより出やすくなるとされている。ドレッシングなど油分のあるマリネ液体で和えるとビタミンDの吸収率も上がるので◎。
結論
きのこと食べ合わせの悪い食材は、古くから伝承されているものがあるもののどれも科学的根拠に基づいたものではない。古くは自生したきのこを食べていたことも影響しているのかもしれない。逆に相性のいい食材はたくさんあるので、そちらを重視して美味しくいただくのがよさそうだ。
(参考文献)