- ※1※5※7.農林水産省 https://www.maff.go.jp/
- ※2.小学館日本大百科全書 https://kotobank.jp/dictionary/nipponica/
- ※3.田中消化器科クリニック「No.125 血糖値と食物繊維」 https://www.tanaka-cl.or.jp/aging-topics/topics-125/
- ※4.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)果実類/(かんきつ類)/うんしゅうみかん/じょうのう/普通/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07027_7&MODE=0
- ※6.文部科学省所管の国立研究開発法人科学技術振興機構「シリーズ─研究小集会(第 15 回)果汁部会 杉浦:ミカンの栄養疫学調査」P.379 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/61/8/61_373/_pdf
1. みかんダイエットの正しいやり方
みかんダイエットといっても、それだけを食べて体重を落とす方法ではない。健康のために健全な食生活を実践し、そのなかでみかんを活用する方法である。巷の噂では、食前に食べるみかんがダイエットには効果的といわれているが、実際にはどうだろうか。1日の摂取量についても見てみよう。
食前に食べる
食前にみかんを食べることが、なぜダイエットにつながるのか。みかん、とくに果肉の袋の部分にはペクチンが豊富に含まれている。(※1)このペクチンは便秘の解消に役立つほか(※1)、腸内環境を整えたり血中のコレステロール値を抑制したりする働きが認められている。(※2)また、食物繊維を含むみかんを食べることで、血糖値の急激な上昇を抑える効果も期待できるのだ。(※3)血糖値の急激な上昇を抑えたり満腹感に寄与してくれたりという要素が、食前にみかんを食べる意義につながるといえる。
1日の摂取量
ダイエットにも大いに活用できるみかんは、1日どの程度摂取するのが適当なのであろうか。みかんは、100g当たりのカロリーが49kcalとそれほど高くない。(※4)農林水産省によれば、健康を維持するためのバランスがとれた食生活において、理想的な果物摂取量は1日200g程度とされている。(※5)みかん1個を100g前後とすると、1日2個がちょうどよい量ということになる。ほかの果物の摂取も考慮し、上手にみかんを食生活に加えてほしい。
2. みかんダイエットの効果
みかんは直接的に体重を落とす訳ではないが、みかんを食べることで摂取できる栄養は、ダイエットを行う場合も見逃せない。みかんを食べることでどんな効果が期待できるのか。詳しく見ていこう。
主な栄養素と機能
みかんに含まれる主な栄養素には、ビタミンAやビタミンCなどがあげられる。(※4)こうしたビタミンは、風邪の予防や肌荒れの改善に効果があるとされている。(※1)また、腸内の環境を整える食物繊維や、動脈硬化を予防するフラボノイドの1種ヘスペジリン、骨粗鬆症や糖尿病の予防効果を持つとされるβ-クリプトキサンチンも存在する。(※1)
さらに近年の研究では、果物の摂取がメタボリックシンドロームの予防に効果があると報告された。(※6)みかんを食べることによって、多岐にわたる効能が期待でき、ダイエットの味方となってくれるだろう。
3. みかんダイエットにおすすめのレシピ
食後や小腹が空いたときに、気軽に手に取って食べることが多いみかん。生食で飽きてしまったら、どんな食べ方ができるのだろうか。そのアイデアの一部を紹介する。
おすすめの調理法
生のままでも十分美味しいみかんであるが、いつもと違う食べ方で楽しみたいこともあるだろう。この場合、食物繊維をより多く摂取するために、果実を包む袋ごと食べるのがベターである。(※1)
たとえば、プレーンヨーグルトと一緒にミキサーにかけて、スムージーにしてみよう。みかんの甘さを十分生かせるドリンクは、朝食にももってこいだ。ゼリーやケーキにもできるみかんであるが、砂糖をたっぷり使ったアレンジはダイエットには向かないこともある。
さらに、みかんを料理に使うという手もおすすめだ。サラダの具材にしたり、鶏肉とオーブンで焼いたり、その色と甘さは料理にも役立てることができるだろう。
結論
日本人が最も好む果物のひとつ、みかん。(※7)旬の時期にはほぼ毎日食べる人も多いかもしれない。みかんは適量であれば、ダイエットにも役立つ栄養素をたくさん含んでいる果物である。食物繊維やビタミンCなど、健康の維持や美容に必須の栄養素が多いのが特徴である。料理にもみかんを用いて、上手に正しく食べ、ダイエットに生かしてみてほしい。
(参考文献)