- 春、秋(20~28℃):そのまま30~48時間ほど置く
- 夏(25~35℃):24~36時間ほど置く
- 冬(15~20℃):36~48時間ほど置く(最長60時間が目安)、牛乳パックをタオルで巻くと温度が保たれやすい
1. ヨーグルトの基本的な作り方
ヨーグルトの基本的な作り方を紹介する。用意するものは、牛乳と種菌の2つのみでOKだ。ヨーグルトメーカーを使わずに作れる、簡単な方法を見ていこう。
作り方のポイント
牛乳500~1000mlに対して、粉末種菌3gを加えて混ぜ合わせ、常温で発酵するというのが基本的な作り方の手順だ。上手に作るポイントや注意点は下記の通りである。
材料の選び方
牛乳は、一般的な成分無調整牛乳のほか、低脂肪乳や無脂肪乳、ジャージー牛乳でも作れる。ただし、低温殺菌牛乳を使う場合は、一度沸騰させてから30℃程度まで冷ましておく必要がある。また、豆乳で作る場合は大豆成分8%以上のものが推奨される。無調整豆乳を使用するとよいだろう。いずれも、未開封の新鮮なものを使おう。
容器は牛乳パック(豆乳パック)がおすすめ
牛乳パックに入った状態で発酵させる方法が、衛生的で手間もかからない。ほかの容器に移し替える場合は、必ず熱湯で殺菌消毒したものを使おう。スプーンなどの器具も同様だ。また、牛乳パックの口や容器の蓋はしっかりと閉じ、密閉した状態で発酵させる。
発酵のさせ方や発酵時間は室温により調整する
種菌を混ぜた牛乳は、室温に置いておくと発酵しヨーグルトになる。しかし、室温は季節により変わるため、発酵時間に差が出る。温度管理のコツもおさえておこう。
室温が15℃を下回る場合は、タオルで巻いた状態でできるだけ温かい場所に置くとよい。いずれの場合も、発酵時間はあくまでも目安である。
また、発酵時間を短くしたい場合は、発酵の適温である40~42℃に保つことで、6~10時間程度に短縮できる。保温には、クーラーボックスや炊飯器の使用がおすすめだ。
固まってきたら冷蔵庫で冷やす
ヨーグルトは、発酵が進み完成に近づくころになりやっと固まり始める。そのため、液状のまま変化が見られない時間が長いのが特徴である。プリン状になったら、冷蔵庫に入れて冷やして完成だ。
2. ヨーグルトを植え継ぎする作り方
完成した自家製ヨーグルトを使って、さらに新しいヨーグルトを作ることもできる(植え継ぎ)。また、市販のヨーグルトを種菌の代わりに使用する方法もある。牛乳の10%ほどの量のヨーグルトを加えれば、基本の作り方と同様の手順で作れる。
植え継ぎの注意点
ヨーグルトを種菌代わりにしてヨーグルトを作る場合は、下記の注意点をおさえておこう。
回数に限度がある
自家製ヨーグルトを使用してさらにヨーグルトを作る植え継ぎは、無限にできるわけではない。6回が目安とされるが、雑菌が入るリスクを踏まえ3回程度にしておくと安心だ。4回目以降は、種菌か新しい市販のヨーグルトを使用して作ろう。
発酵時間が短い
種菌から作る方法よりも、発酵時間が短くなるため注意が必要だ。目安としては、1/2~2/3ほどの時間で完成するため、放置時間が長引かないようヨーグルトの状態をチェックしよう。
市販のヨーグルトの特殊な菌は増えない
市販のヨーグルトには、ビフィズス菌など健康効果が高いといわれる菌が配合されている商品も多い。しかし、種菌の代わりに使用しても、配合された菌が増殖することはないため、特殊な効果は期待できない。あくまでも、美味しく食べることを目的にしよう。
3. ヨーグルトメーカーを使った作り方
ヨーグルトの作り方は簡単である反面、発酵に時間がかかる点や季節によっては温度管理が難しい点など、デメリットもある。そこで、より簡単に作れるのがヨーグルトメーカーを使った方法だ。
簡単に作れる
ヨーグルトメーカーは一定に温度を保つことができるため、非常にシンプルな手順で簡単にヨーグルトができる。基本的には、消毒した内容器に牛乳と種菌(またはヨーグルト)を入れてよく混ぜてセットし、温度と時間を設定してスタートボタンを押すだけだ。メーカーによっても異なるが、温度は40~42℃、時間は7~9時間が目安となる。
ヨーグルトの種類で発酵温度は変わる
一般的なヨーグルトの発酵温度は40~42℃が適温だが、カスピ海ヨーグルトやケフィアヨーグルトの発酵適温は27℃である。そのため、ヨーグルトの種類により、メーカーの設定も変える必要がある。
結論
ヨーグルトは、牛乳や豆乳と種菌を用意すれば自宅でも簡単に作ることができる。基本的な作り方はかなりシンプルだが、乳酸菌だけでなく雑菌が増えるリスクがあるため、器具の消毒や温度管理には注意が必要である。手作りしたヨーグルトは、植え継ぎで繰り返し食べることもできる。そのまま食べるほか、料理に使ったり水切りヨーグルトなどにアレンジしたりと、ぜひ活用しよう。