目次
1. ゴーヤと食べ合わせが悪い食材

最近までゴーヤはある栄養素を含む食材と食べ合わせが悪いとされてきた。それが人参やきゅうりに含まれるアスコルビン酸酸化酵素(アスコルビナーゼ)だ。しかし研究が進み、今では食べ合わせが悪いとはされることは少なくなっているようだ。その真相について解説をしていこう。
食材と栄養成分
ゴーヤをはじめ食品に含まれるビタミンCは、還元型ビタミンCと酸化型ビタミンCの形で存在をしている。人参やきゅうりなどに含まれるアスコルビン酸酸化酵素(アスコルビナーゼ)には、還元型ビタミンCを酸化型ビタミンCに変化させる働きがあることから「ビタミンCを壊す栄養素」といわれてきた。しかし酸化型ビタミンCは体内に入ると再び還元型ビタミンCに戻ることが研究の結果、明らかになり、両者が人体のなかで与える効力は等しいと示されたのだ。(※1)実際に文部科学省が提示している食品成分表にもビタミンCは、還元型と酸化型を合わせた総量として示されている。
このため、ゴーヤときゅうりや人参を食べたとて、ビタミンCが壊れるといったことはない。ゴーヤと食べ合わせが悪い食材は、日常的に食べるもののなかには見当たらない。
2. ゴーヤと食べ合わせが良い食材

ゴーヤは栄養満点の食材である。この栄養をさらに生かすべく食べたいなら、食べ合わせの良い食材を選ぶと良いだろう。おすすめの食材をピックアップしていこう。
おすすめの食材
夏に旬を迎えるゴーヤは、モモデルシンと呼ばれる苦味成分が含まれている。この栄養素には消化を促したり、食欲増進の効果があるので、夏バテにもぴったりな食材なのだ。(※2)
豚肉
ビタミンB1を豊富に含む豚肉との組み合わせは、まさに夏バテにもってこい!タンパク質を合わせることでバランスも良くなる。ゴーヤは皮が厚いため、加熱調理してもビタミンCが変容しにくいので、炒め物にするのがおすすめだ。
豆腐
豆腐もタンパク質源としてとても優秀な食材だ。さらに大豆イソフラボンなど、大豆加工品ならではの栄養素も摂取することができる。
かつお節
ゴーヤの苦味が苦手...という人はかつお節を合わせるといい。かつお節にはゴーヤの苦味を吸着する性質があることが解明されている。(※2)
3. ゴーヤの調理法と料理

ゴーヤは、独特の苦味が美味しさの要である。ただ、苦味が苦手という人もいるだろう。苦味を軽減するコツと調理のポイント、さらにはおすすめ料理についてまとめていこう。
調理のポイント
ゴーヤの苦味を抑えるには、塩もみをする、水につける、油で調理をするなどがある。これに加えて、前述のようにかつお節を使うとさらに苦味が抑えられ、食べやすい味わいになる。
料理の種類と特徴
ゴーヤチャンプル
相性のいい食材、そして苦味を軽減するかつお節が入るゴーヤチャンプルは、まさにゴーヤの食べ方の理にかなっているものだ。チャンプルーとはごちゃ混ぜを意味する沖縄の方言である。しっかりと水を切った豆腐を使うといい。
ゴーヤの肉詰め
真ん中のわた部分をくり抜いて肉詰めにすると見た目にも美しく、おもてなしにもぴったり!カレーなどスパイスを効かせたひき肉を詰めるとさらに食欲もアップする。焼くのはもちろん揚げても旨い。
結論
以前はきゅうりやにんじんなど、アスコルビン酸酸化酵素(アスコルビナーゼ)を含む食材はゴーヤと相性が悪いとされていたが、昨今ではその情報は誤りであることが示されている。栄養満点!夏バテにも効くゴーヤは、ゴーヤチャンプルーのように相性のいい食材を組み合わせた料理でいただくのがおすすめだ。
(参考文献)
※1出典:野菜等健康食生活競技会事務局「20.野菜の調理によってビタミンCが壊れると言われていますが、本当にそうでしょうか?」
※2出典:A宮崎経済連「ゴーヤー」
※3出典:国立研究開発法人 科学技術振興機構「かつお節によるゴーヤの苦味低減」